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14.あなたは何派?

私に安住の地はないのか!!


爽やかな朝のはずなのに、目が覚めれば上半身裸のセクハラうさ耳に抱き着かれている状態。


毎回おいかけっこから記憶がない・・・


コイツ!魔法で私の意識飛ばしやがって、お風呂だって意識のないまま・・・好き勝手しやがって!!


ぎゃぁああああああ~!!

ありえない!ありえないから!!

もう色々大事なものが失ったようだよぉ・・・・ぐすん


うさ耳の腕から逃れようともがいてると、透き通った青い瞳と目が合った。


「起きた?」

「?!!」


な・・・な・・・なんとぉおおおおおお~


言葉がわかる!ちゃんとはっきり言葉がわかる!!


昨晩までは何となくニュアンスでわかる感じだったんだけど、今日はホントはっきりとわかる。理解できる。


「怖い夢でもみたの?涙目になっている・・・」


いや、涙目になったのはオメーのせいだよ!!

私の純情返せ!純潔返せ!


うさ耳はいきなり顔を近づけてきた。


「なに?なに?近いんですけど・・・というか離れてよ」


「ぺろっ」


はぁ?


「ぺろっ・・・うん、やっぱり涙はしょっぱいね」


はぁあああああああああああああああああ!!


なにこの人!?今・・・今・・・今・・・舌で涙を・・・

舌で涙をぺろっと拭いましたよ!!


「いやぁああああ~ぎやぁあああああ」


「あ、元気になったね。よかったよかった~じゃあ改めて、おはよぉおおお~ぷにぷにちゃん」


そして私の胸に顔を埋めてスリスリし始めた!!


「ぎゃぁああああああ~やめろ!離れろ変態め!!」


なんとかこの状況を逃れようと一生懸命足掻くが、コイツ・・・なんでこんなに力強いんだ?ビクともしない。


「はぁ~この柔らかさ、ずっとこのままでいたい」

「なに言ってるの!!早く離れなさいよ!!」


胸に顔を押し付けるな!!脇の腹の肉を掴むな!!

揉むな~!!


『コンコン』

ドアがノックする音が聞こえた。


ドアの方を見ると赤毛の猫耳イケメンが立っていた。


「レイ・・・」

「アルか?どうした」


た・・助かった?貞操の危機脱出?


「王から先ぶれがきた。ぷにぷにと会いたいそうだ」

「ふーん」


え?王様に会えるの。これは向こうの世界に帰れるチャンスかもしれない。


「あと魔眼のことだが・・・」

「王に会わせたくない・・・魔眼はほっとけ」

「それは無理だろう?彼女が何者かはっきりさせないと・・・」


おいおい~それは困る。

言葉が通じる今、私から異世界から来たことをちゃんと告げて向こうに帰る協力をしてもらわなければ!

うさ耳よりもこちらの猫耳イケメンなら話通じそう。


それにしてもマガンって鳥のマガン?

向こうの世界じゃ天然記念物で狩猟が禁止されているけど、この世界じゃ食べられるのかしら?

たしかカモ科だったから鴨の仲間なら美味しいよね?!

もしかしたらまともな食事できるかもしれない!!


「だってぷにぷにちゃんはずっと僕といるんだもんね~」

「ぐえっ」


いきなり強く抱きしめられた・・・苦しぃ・・・・・・なんか出そう・・・


「レイ・・・」

「はぁ~わかったよ王には会わせる。魔眼は別にいいんじゃない」


やったぁあああ~これで帰れる手段が着いたら御の字だね。

マガンは食べたいな~

美味しいお肉食べたいな~


「いや、やはり魔眼の力で彼女が何者かどこから来たのか調べてほしいと俺は思っている。」

「でもアイツ僕の事嫌いだから、その件に関しては断ってきたでしょ」

「まぁな」

「本当、逆恨みもほどほどにしてほしいよね~これだから拗らせ童貞は手に負えないよ」

「拗らせ童貞・・・」


マガンって鳥じゃないの?なんなの拗らせ童貞って?!なんなの?


「好きな女が僕の事好きで振り向いてもらえないぐらいでね~」

「あはは・・・そうだな・・・」


なんだよ!食べ物じゃないのかい!!

それなら私もマガンさんの事はどうでもいいや。

それにうさ耳となんか因縁があるみたいだし・・・うん、私には関係ない事だわ。


「でもレイ、お前だってぷにぷにがどこから来たかちゃんとわかった方が対応しやすいだろう?まぁ仮定だが、ある日突然飼い主が現れて別れることになったらどうする?」

「!!」


あれ?なんか変な事いってるよ。飼い主って?


「我が国の王族と貴族とは関係ない事はわかったが、別の国からということも頭に入れておいた方がいい」

「・・・別な国って北の国とか・・・南方の国とか・・・」


いやいや異世界から来ましたから。


「そうだ。微妙な関係上、気を付けなければならないからな」


ちょっと政治的なきな臭い話やめてよ~


「・・・どうすればいい?」

「とりあえず『竜のひげ』のおやっさんにお願いしてみるから、もし魔眼に会うことになったらお前は大人しくしてくれよ?」

「・・・わかった」


それよりも飼い主って?どういうことだろう?

私拾われた動物扱い?


いやいやそれはないでしょ?聞き間違いかもね


「嫌な話聞いたからぷにぷにちゃんで充電~」

『ちゅぅ』


はぁ?今頬に何かが触れた?

と思ったら笑顔のうさ耳が私の顔の色々なところにキスをし始める。


「ちゅう~可愛い~ちゅちゅ~心が洗われる~ちゅう~そろそろ起きようね~今日はどんなドレス着ようか?ああ、ぷにぷにちゃん今度王様に会うから謁見する時のドレスも選ばなきゃね~忙しいね~楽しいね~ちゅちゅぅ~」


心も洗われねーし、楽しくもねーよ!!

それよりも離れて~あ・・・私の魂の方が離れそう・・・・・・・・・


気が付くと猫耳イケメンはいなくなり、入れ替わりに三人の男の人たちが入ってきた。


「おはようございます。レイヴット様」

「もう時間か・・・」


うさ耳はそういいながら私から離れる。


やっと離れやがった・・・ふぅやれやれだぜ。


ベットから起き上がったうさ耳を見る。


「うぎゃぁあああああ!!」


上半身裸だと思ってましたが、全身裸でした。


そう全裸・・・前ぐらい隠せ!!


レイとエリックは全裸で眠る派。

恵とアルは寝間着を着て寝る派です。


あとマガンはエスキモーの方々が食べてるみたいですね。臭みが強いですが、重要な蛋白源みたいです。

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