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正義の条件  作者: ありと@
番外編――学園生活を覗いてみれば
80/85

ドキッ!?怪人だらけの大運動会③

遅くなってごめんなさい( ;∀;)

どうして遅くなったについては次話でお話します。


――運動会当日



 数日が過ぎ、ついに運動会の日が到来した。フリーパスをかけた戦い。俺たちにとって負けられない戦いだ。





 朝早くから体育着に着替えた生徒たちは第1グラウンドへ集合している。1000人超の人間が居てもスカスカなほど広大なグラウンド、ちなみに中学校の時のように椅子を外に運ぶ必要はない。そこら辺は流石大和町唯一のヒーロー養成学園、観客席兼生徒の待機場所は既に設営済みである。





 今校舎側で朝礼台に立っているのは学園長……ではなく今回の責任者黒崎純子だ。





『はぁーい!みんなおはよう!あれ元気がないぞ〜。今日はいい天気だねぇ♪6月だからちょっと崩れるかもって心配したんだけど見て空!雲ひとつないよ〜♪ご来賓の方々、お客さんの皆さまもどーぞよろしく。ボクが3大ヒーローの黒崎でっす。最近五十嵐くんじゃなかった五十嵐先生ばっか注目されててちょっと寂しいんだけど、運動会、生徒みんなが盛り上がれるよう一生懸命バランス考えてルール作ったよ〜!みんなからも並々ならぬ気迫を感じるね、いいよいいよ、ガンガン争って獲得したフリーパスは好きに使っちゃってね〜!でもでも期限は明日から1年だから余らせたりしないよーに!今朝の天気予報は見てないんだけどきっと今日は1日晴れだからさ!元気に行きましょうね!この日のためにボクてるてる坊主作ってたんだぁ2個で飽きたけど。じゃあ前置きはこの辺にして校歌斉唱いってみよーか。さんハイ!……あ、校歌とか別になかったねこの学園はあははは、じゃあ気を取り直して……………………」









 長いっ長すぎるぞ黒崎!!!!


 あまりのマシンガントークに生徒は雑談を始め、観客は唖然としている。誰も聞いちゃいない……。


 ちなみに現在まだ朝1番にもかかわらずとんでもない観客が観客席に犇いている。普段公開されていない天野学園に入る唯数少ないイベントであり、今年は先日の植物族との戦いで活躍した学園生徒に一際関心が寄せられているのだ。現在でも生徒より大勢の客が来ているが、今後どんどん混んでくるだろう。




 そして黒崎さ天気予報見てないと言っていたが昨日の時点では今日は間違いなく曇り時々雨だった。

いくらなんでもこれは晴れすぎでは……まさか黒崎、北区上空の雲をどこかに飛ばした?いや、まさかな……。空間支配なんてとんでも能力だ、やりかねないが……




「楽しみ。」



 俺が思案しているとすぐ横、女子の列から囁き声。



「……そうだな。」




 思えば今までずっと孤独を味わってきたミカン。みんなと一眼になって運動会に臨むなんて初めてなのかも知れない。



 俺は相槌を打ちながらもミカンにたくさん思い出を作って貰おうと人知れず決意した。





 その後の開会式は順調に進んだ。黒崎からマイクを没収した飯綱先生が進行を代わったからからだな。今日もメガネが似合う知的な女教師感がすごい。



 各競技のルールは競技名からなんとなく察しがつくのでそこそこ練習もしていた訳だが、細かいルールや反則事項はここで初めて明かされた。事前練習で差がつかないようにとのことだ。




 その後も諸注意や来賓挨拶が終わり、生徒は一度散り散りになる。ここから早速学年別に行動だ。



 始めは運動会の醍醐味にして唯一の無得点種目。




「みんないくよっ!」


「「「「「おー!!!!!」」」」」




 応援合戦だ。









 天野学園2年5クラスが正五角形を作るように展開する。



 一辺にCクラスが数列で並び、前方の他クラスを睨む。

 


 すぐ横の一辺に陣取っているのがA組。俺たちと同じごく普通の半袖ハーフパンツのどノーマルな体操着だが、A組のそれには盾の紋章が刺繍されていて豪華な印象となっている。



 A組は優れた平均ステータスを持ち、来年は学園を背負う存在も彼らの中から選ばれていくだろう。今の"6人の例外"のように。


 A組は全員が肩幅に足を開き、腕を組んで胸を張っている。顔は自信に満ち溢れ、自身の勝利を信じて疑わない。それは傲慢などではなく実際に彼らはその実力を持っている。




「強敵だな……」




 Cクラス一列目に陣取った俺の横で金堂が呟く。真剣な顔をつくっているがその目線はA組で先頭にいる茶髪の女の子の豊かな胸に吸い込まれていた。失せろ。




「…………腕に、乗ってる……」



 金堂の反対隣からは困惑したような声が聞こえてくる。金堂と同じくA組の茶髪少女を見つめるミカンがA組の待機ポーズを真似ていた。



 正直なにを言っているのか分からないが、八の字に眉を歪ませて腕を組んでるミカンを見るとほっこりしてしまう。






 A組の更に隣、C組の斜め前の辺に位置しているのは技術課のクラスだ。戦闘をメインにするA~C組とは異なり、魔力を用いた技術全般を学んでいくコースを選択した者達。彼らの体操着は俺らとは大きく異なり作業着?ツナギのような服装をしていた。とても分かりやすい。



 ここでポイントとなるのは彼らが決して知識に寄ったゴボウなどではないということだ。1年時ではクラス間の能力に差はないが、2年時では技術を専門にしていきたい者達は技術課を選択する。つまり技術課の40名も去年は普通にヒーロー候補生としての教育を受けていたということだ。



 それに、職人体系というのだろうか?機械整備なども得手としている彼らの中には丸太のような腕を持った男も見られる。技術課だからといって侮ることはできない。金堂の方がよっぽどもやしだ。



「へっくしょん」

うるさい。





 その更に隣のクラスは医療課。服装は真っ白なジャージ、白衣をイメージしているのかもしれないが洗濯が大変そうだ。彼らは医療技術や後方支援を専門とする学園でも異色なクラスだ。後方支援とあるように彼らは時として実践に普通に出る。よって強い。彼らと戦闘してもCクラスより強いかもしれない。



 そして何より特徴的なのは彼らの学力だ。医療、回復魔法というものには様々な知識が必要となる。彼らは肉体も頭も鍛え続けるストイックなクラスなのだ。







 だが一番厄介なのはやはり……






「ふん。Cクラスがこの陣に加わること自体が不快だな。」




 最後の1クラスからそんな声がかかってきた。




「あ?」

「おん?」

「なんだって?」

「……強敵だな」

「……たわわ」




 Cクラスもその言葉に過剰に反応する。2人だけまだAクラスの胸をガン見してる青髪と美少女も居るが。




「おや、失敬。聞こえてしまったか。だがここにA、B、技術課、医療課。今年の運動会は鎬を削る戦いになるだろう。そこに勝負にならないクラスが混ざる必要なんてないと思うのはボクだけかい?」




 明らかに見下したような発言、Bクラスの眼鏡だ。声を上げたのはソイツだけではない、Bクラス全体からCクラスを見下すような雰囲気がにじみ出ている。




 魔力量がものをいう世界。そんな中でBクラスはCクラスを常に見下している。魔力至上主義の悪だ。ここまでの紹介で分かるだろうが、Cクラスには特色というものがない。恐らく戦闘力では技術課には勝てるかもしれないが、それだけだ。彼らはそもそも戦闘メインではないのだから。



 同様にBクラスもAクラスには叶わない。Aクラスは3年生を見て日々訓練に望んでいるが、BクラスはAクラスへの劣等感を感じてCクラスへの優越感でそれを発散するといった構図だ。C組?C組は安心だ、劣等感オンリーだから。






「今年の私達を甘く見ない方がいいわよ。」




 C組を代表して委員長の石川さんがおさげを振り乱した。いいぞ!




「フッ。どのみちA組とB組の頂上決戦になるんだ。邪魔だけはしないでくれよ?」





 B組のリーダーらしき眼鏡はそれきりC組から目を離した。もう眼中にないと言わんばかりだ。





「キーッむかつく!」



 委員長ってこんなキャラだったっけ。あまり話したことなかったけど。なんにせよB組に負ける訳にはいかない、今年の俺たちは優勝を目指さなくてはいけない。最大の敵はエリート揃いのA組なのだから。




「まずは100m走か……」




 こうして運動会は幕を開ける――










ここまで読んで下さってありがとうございます!


3章の構想、2通り考えてるのですがどうしましょう。1つはこのまま王道路線。もう1つはめちゃダークな展開。


どっちがいいですか?笑

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