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正義の条件  作者: ありと@
番外編――学園生活を覗いてみれば
78/85

ドキッ!?怪人だらけの大運動会①

 遅れて申し訳ない……日間ランキング34位!す゛っごい゛


 実験的に瀬雅の一人称視点で描かれます。本編とは違った進行をお楽しみ下さい。

 ルール欄の点数計算がガバガバでした苦笑

――天野学園2-C



 クラスは緊張感と高揚感が支配している。


 俺自身もこの時間は嫌いではない。進行を務めるクラス委員長が前で様々な提案を出していた。黒板にも色々な案が書きなぐられており、このクラスで平時と変わらぬテンションでいるのは担任の五十嵐だけだろう。てかあの人寝てね?





 こんな重要な話し合いの時でも自由な担任に思わずため息が出る。人間領拡大作戦の時は頼りになるヒーローであったが、普段の彼は同じ三大ヒーローである黒崎と何ら変わりない。



 俺の沈黙を迷いと受け取ったのか、窓際最後尾、つまり俺の後ろの席から耳元に囁き声がかかる。




「セガはどの案がいいの?」

「ミカン……」




 聞くだけで癒される高く優しい声。後ろの席の少女、麦町魅甘が若干身を乗り出して話しかけてきたのだ。


 距離が詰まったことで仄かに香る柑橘系の匂いが鼻をくすぐり思わずドキリと心臓が弾む。というよりここ最近は魅甘が近くにいると常々こんな感じであった。




 意識を戻すためにも、黒板に目をやる。さまざまな作戦が書かれているがここはやはり士気をあげられるよう俺が最初に出るべきか?――いや、最後に俺が構えているという安心感を与えるのもアリだ。



 悩む俺を待ちかねたのか、1人のクラスメートが手を挙げた。





「やっぱりトップバッターは米村くんがいいと思うの!クラス対抗リレー!」




 そう、今は年に1度の天野学園大運動会。その種目決めを行っている最中なのだ。



 実力によってクラスが分けられるこの天野学園では、3年や2-Aが圧倒的に有利であったこのイベント、歴年の2-C、つまり先輩達は当然勝ち目のない戦いを適当にこなすことに終始し、運動会はむしろ一般市民に学園が開放される見学会のような機会となるのみだった。




 ではなぜ今年の2-Cはこうも真剣に種目決めに取り組んでいるのか。彼らは何としてでも勝利をもぎ取ろうという鬼気迫る表情を見せている。それは、今年運動会の責任者になった黒崎純子がルールを大幅に整備したというのが発端であった。







――――――――――――――――――――



 時は今朝に遡る。ホームルームにて掲示された新たな運動会のルールに学園中の生徒が釘付けになっていた。もちろん俺もだ。


 人混みはワイワイガヤガヤと賑わっており、新ルールへの期待が見て取れる。



 その概要がこうだ。

 俺は2年生の階の廊下に展示してある新ルールを黙読した。




***



 はぁーい♩みんな!学園のアイドルこと黒崎純子だよ★盛り上がってるぅ?


 センセーは最近ね、すごく綺麗な白い虎を見に行ったんだよね珍しいよね!そりゃあもう雪のようにーー……


***



 うん、この辺は読み飛ばしていいな。核心の部分までとっとと飛ばそう。



 大体黒崎先生はアイドルって年齢じゃねぇだろ……

「なんか言った?」

「なにも言ってないですね。」

「そう?」



 いつの間にか後ろに黒崎がいた。褐色のすらりとした手足、長い黒髪を三つ編みに纏めた教師は今日も年齢不相応の幼い笑みを浮かべていた。



 俺はというと溺れるくらいの冷や汗をかいていた。年齢の話は彼女にはタブーである。担任の五十嵐と同じく10年前の戦争の時点で既に前線で活躍していた黒崎は少なく見積もっても……いや、止めておこう。



 なんとか嘘くさい笑顔で応答した俺を黒崎は流し目で見てから歩いて行った。2-A担任の彼女はホームルームから職員室に戻るところなのだろう。空間を自由に跳躍できる彼女は神出鬼没だ、油断ならない……




 なんだっけかそうだ新ルール。思わぬアイドルの登場に気が動転してしまったが改めてルールについての記述に目を通す。




***



 さて、今年の運動会ですが、兼ねてより指摘のあったクラス間、学年間の差を少しでも改善する為に僭越ながら新しいルール・競技を提案させて頂きました。



 従来はヒーロー候補生としての特質を一般のお客様にお見せするという目的のもと、"魔力を用いた運動会"

というコンセプトで行ってきましたが、これは学年が上がるごとに有利になり、学年間でも魔力量の異なるクラスで大きく差がついてしまっておりました。



 そこで、今年はより競技性、つまり白熱した接戦を実現するため"魔力を用いてはいけない競技"--非魔力競技を設け配点を調整させて頂きました。



 更に今年は学年毎に競技を分けて得点をカウントします。つまり他学年と競うことはせず、1年生から1クラス、2年生から1クラス、3年生から1クラス計3クラスが優勝となります。



 当然学年毎に種目も変えてありますので、以下の競技ー得点一覧は各々自学年の階の掲示板でご確認ください。



こちらは2年生が行う競技になります。



<非魔力競技>


ーー午前の部ーー

①100m走(11名)4点×11レース

②2人3脚リレー(2名×10組)40点

③大縄跳び(クラス全員)40点

④仮装レース(11名)4点×11レース

⑤綱引き(クラス全員)40点


ーー午後の部ーー

⑥クラス対抗リレー(4名)40点

⑦○×クイズ(10名)5問終了時点で残っていた人数×5点

⑧パン食い競争(11名)4点×11レース

⑨借り物競争(11名)4点×11レース



<魔力競技>


ーー午前の部ーー

①魔力球合戦(クラス全員)32点


ーー午後の部ーー

②障がい物競争(2名1チーム)32点

③総力戦(クラス全員)50点



計12種目合計500点




 以上の競技の合計点数で順位を決定します。



・採点方法


 非魔力競技は1位に記載されている点数が入り、2位には1着の半分、3位には4分の1の点数が入ります。


 例えば100メートル走であれば1着に4点、2着に2点、3着に1点が入ります。4位以下には点数が入りません。


 そして、魔力競技は1位が記載されている点数を総取りします。この違いにご注意ください。



・参加人数


 人数指定がある種目の合計は80名になっています。1クラス40名として、1人2種目ずつ参加する競技を決めてください。参加しない生徒が出ないよう調整してください。




***

 








……なんだこれ。口調かわりすぎだろ……さてはめんどくさくなって誰かに文書作成投げたな。




 まぁいい、こうしてみると今年の運動会のルールは相当練られているようだ。競技は個人技よりチームワークが活かされるものが多めになっていて、身体能力の差のみでは勝敗が決めきれない。○×クイズなんて競技は運動が得意でないものや、技術課、医療課への配慮でもあるだろう。



 去年の運動会はそれはひどかった。魔力による身体強化が可能なせいで3年生が暴れまわる始末。更には天野学園伝統の"総力戦"では現在"6人の例外"と呼ばれている強者達が3年生をボコボコにしていた。




 今年は学年毎に種目が変わるようだ。掲示されているのは2年生のものだが、1年生や3年生は共通する種目と異なる種目があるのだろう。見る側としても種目や学年によって学園のアリーナやグラウンドを広く使った進行は楽しみだ。



 しかし……




 このルールでもはっきり言ってA組有利C組不利であることは変わりない。魔力競技のみで114点。これを魔力量の多いA組が総なめした場合、非魔力競技で挽回しなければならない。



 しかし、A組はシンプルに身体能力も優れているのだ。去年2-Aの一員として活躍していた鐸の姉、第五席の金堂鏡がいい例だ。




 A組は魔力だけではない、来年学年を背負っていくことになる人材が集まるのだ。勝ち目は薄い。







 でも、それにしてはさっきからやる気に満ち溢れたC組の声が多いような……






「よおおおっし絶対勝つぞ!」

「でもA組やB組……」

「関係あるか!勝てばいいんだ」

「こんなチャンスないよ!」





 もちろん掲示板の前には他クラスも多く集まっているのだが、C組のクラスメートたちの熱はひと際高い。一体どうしてだろう。



 俺は前の人の頭で隠れていた掲示の続きをなんとか背伸びしたりずれたりしてのぞき込んでみた。





***




・景品について



 単なるイベントとして消化してしまうより皆さんにこのイベントをより真剣に盛り上げてほしいという願いから、今年は各学年の優勝クラスに景品を進呈することに致します。



 2年生優勝景品 学内施設フリーパス(100回分)×クラス人数分




***





「金堂」

「はっ、ここに。」

「忍者かよ!……分かってるな?」

「おう!」


 クラスメートの金堂鐸がトレ―ドマークの青髪を揺らす。学内施設フリーパス――それは食堂を始め天野学園の様々な有料施設が無料になるという伝説のアイテム。




 苦学生の俺たちの瞳に炎が宿った。

というわけで始まりました番外編。死につつある学園タグよ、ここで唸るんだ!


起きたら続きを書きます!ここまでよんで下さってありがとうございます!

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