表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正義の条件  作者: ありと@
第2章『白い薔薇の少女』
66/85

40.人間領拡大作戦――学園最強vsダンデライアン②

遅れてごめんなさいΣ(・□・;)出先からなので帰ったらレイアウト整えます。


――大和町外部




 リュウゼツランが居た場所からかなり南へと動いた地点で、ヒーローの小隊と合流した重鳴灯と紫芽式乃は戦っていた。





「パワーがありすぎだ!灯、どうにかしてよ!」

「ぬぅ、俺にも手に負えん。だが2人でなんとかするしかないぞ!」




 焦ったように互いを鼓舞する2人、リュウゼツランの固有能力によって自身の固有能力を封じられてしまった今、上位種と戦うのは容易ではない。ましてや目の前にいる上位種は明らかにこれまで彼らがあってきた中でも強力な部類であった。





「フッ!八ッ!!」



 短い掛け声と共にサーベルを振るうヒマワリの上位種ダンデライアン。西洋甲冑に包まれた騎士のような姿からは想像もつかないようなパワー型の戦闘スタイルであった。





 ごおおおッ!



 ダンデライアンがサーベルを振るうたびに暴風が吹き荒れる。技ではない、ただ高速で振るったから起きただけ。しかし、それ故に強力。



「クッ!」

「反撃にでれないよあれじゃ!」



 灯と式乃はサーベルを避けても尚ダメージを与えてくる風の障壁に必要以上に大きな回避をするしかなく、反撃できずにいた。





「どうしました。あなた方の実力をみせてください!"種子散弾"!!」




 紳士のような甘く丁寧な口調のままダンデライアンは顔面の中心からヒマワリの種を無数に飛ばしてきた。





「キモッ!?」

「ぬぬ、実力を見せられるならとうに見せてる!」




 顔面から飛来する爆撃に式乃は思わず鳥肌を立て、固有能力が封じられているが故に全力を出せないことに灯は悔しそうに唸った。



 2人は純粋な戦闘技術においては鏡に及ばない。固有能力の攻撃性と運用の上手さによって6人の例外となったのだ。



 2人掛かりということでなんとか攻撃を凌いではいるが、その攻撃と種子散弾のせいで距離を詰めることができない。しかも




 にゅるうるるるるるるる!!



「うわ!増えた!?」

「なんと厄介な……」




 着弾した種子がすぐさま小型のヒマワリの怪人に成長する。ダンデライアンが種子を放つたびに敵が増えて行っているのだ。



更に



「うわ!」



 2人の背後から叫び声が聞こえる。ダンデライアンを2人が抑えているということは他の小隊のメンバーが千を超えるヒマワリの怪人と相手をしていることになる。



 町外捜査に出ているヒーローは精鋭中の精鋭。学園の生徒よりも強いのだ。



 そんなヒーローが数が多いとはいえヒマワリの大群に苦戦している。同じ下位種のガザミの怪人より個々が強いのだ。



 シュルーム率いる大軍のような統率力はない、ただ数と力でおし潰すだけの攻撃。だがそれこそが怪人本来の在り方。圧倒的な暴力がヒーロー達を襲っていた。





「うわああああああああ!!!」


「おい!しっかりしろ!おい!!!」




 加えて、時間経過と共に成長するヒマワリは、1m程になると種子散弾を撃ち始める。マトリョーシカのような蹂躙に1人のヒーローが倒れてしまう。形勢はかなり悪いと言えた。





 これこそがダンデライアンの恐るべき能力、"向日葵帝(ヘーリアウグストゥス)"。無限に増え続ける兵力。その数に限りはない。いつの間にか千程だった大群は3倍に膨れ上がっていた。





「こんなのをどうすればいいって言うんだ……!」




 ギガンテス先生が呟く。戦争を経験した彼は数の暴力を知っている。だからこそ無限増殖という能力がどれほど厄介か最も正確に理解していた。




 この小隊に固有能力や広範囲攻撃を持っているヒーローはいなかった。彼自身は息子の灯よりパワーとテクニックは上で、対個人ならばだが、この戦場を切り抜ける殲滅力に欠けていた。






「種子散弾!!」




 もちろん数だけではなくダンデライアンという怪人自体も相当の戦闘力を有している。近・中距離は人外の膂力から生み出される剣圧と突風で制圧されており、遠距離は種子散弾で制圧されている。





「うおお!」



ここで灯が仕掛ける。



 飛来する無数の種子を被弾を気にせずに突撃していく。体を掠める種子は、まるで鉄球のようで思わず顔を顰めてしまう。



 だが、攻撃のチェンスを無理にでもつくらなければ軍勢が増えていくだけだ。



 灯は鍛えた身体を魔力で強化する。山吹色の魔力が鎧を象り、防御力を更にあげた。種子の嵐に晒されつつもダンデライアンの懐に入ることに成功した。ダンデライアンはサーベルを振りかぶる。



 サーベルによる横薙ぎ、ビュンと音が響き鎌鼬のような風の刃が生まれる。



 極太になった剣閃を飛び込み前転の要領で躱す。躱し切れない風圧が脚を深く斬り込み血が吹き出る。



「ぐっ!うおおりゃああああ!」




 激痛に姿勢を崩しそうになるが、歯を食いしばってそのままクロスチョップを叩き込んだ。



「むぅ!?」



 ダンデライアンは体重の乗った攻撃を喰らう。被弾を恐れずに突撃してくるとは思わなかったのか、不意を突かれて後ろに倒れこんでいく。もちろんタダですませるつもりはないのか、サーベルの刃を返して灯の胴を落としにかかる。が




「紫芽!!」

「かしこまりっ!!」




 灯の背後から高く跳んだ式乃は姿勢を崩したダンデライアンの顔面に膝を思い切り叩き込んだ。




「ーーーーっ!!」




 くぐもった唸り声。顔の中央にめり込んだ膝はそのままダンデライアンを地面に叩きつける。




「どうだ変態!」



 式乃はしてやったり顏で言い放つ。灯を囮にした会心の一撃といえば単純だが、自身が切り裂かれるというリスクを犯して囮役を買って出るのは簡単ではない。

反撃を貰う前に合わせた式乃も完璧だ。







「これは手厳しい……。」






――――効いていればの話だが。



ここまで読んでくださりありがとうございます!


次話は明日17時です!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ