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平凡少年佐藤君の人生傍観的記録  作者: 御神
七章 高校三年、一学期
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番外編 3年目は事前告知

短いです、すみません。

ですが、ある話の伏線…になるのかな?

6月某日。

僕はとても不愉快な案件に直面していた。その案件を持ち込んだ、目の前にいる2人を睨みつけ、僕は一言簡潔に言う。


「…で?」


「だから、今年も楽しくやろうって相談してるんだよ」


「そうそう。ファンもついてるみたいだし、成功間違いなし‼︎」


とある(・・・)冊子を持った水城と、完全に面白がっている金見は、僕の読書を邪魔しにきた。現在授業中であるが、担当教師が不在の為自習である。


「拒否権の存在しないものを相談とは言わない」


「まあまあ。で、相談なんだけど、新作と再演とどっちがいい?」


ジト目で二人を見るが、そんな事は関係ないとでも言うように軽く流される。


「…………」


「俺は再演がいいと思うんだ。リクエストが多いみたいでな」


「そうだね。それがいいかもね」


なら聞くな。相談になってないぞ。


「今年はなんと、広い第一体育館を貸してくれます!一日3公演で、後日談も合わせて通しでやるよ」


「…………………」


「まだ時間はあるし、頑張ろうな」


「……………………」


二人が交互に僕にとって不愉快でしかないものの話を、僕がやるのが当然とでも言うように、勝手に話を進める。しかも場所の確保まで既に終えているという。本番は10月だというのに……。


「それじゃあ、頑張ってね"グリシーヌ"」


『第二王子と藤の花』、『第二王子と藤の花番外〜挙式騒動編〜』10月に再演決定。

表紙にそう書かれた冊子…台本が、水城から僕に手渡された。

………勘弁してくれ。


頭を抱えて机に突っ伏した僕に、水城と金見は容赦なく追い討ちをかけた。


「あ、僕たちのクラスは仮装喫茶に決まってるから。一日中着替えなくて済むよ。やったね佐藤くん」


「去年好評だったチェキ会もやるから、頑張ってね。あ、今年は有料で劇終演後のチェキ会もあるから頑張ろうね」


勝手に話を進めないでくれ。僕は何一つ了承していない。




しかし翌日、いつも通りに登校して玄関まで向かった。扉をくぐれば靴箱のあるその場所まで来て、僕は固まった。


「…………なんだ、これは…」


ガラス戸の玄関。その一面にポスターが貼ってあったのだ。


「あの劇再演するんだ!」


「わぁ楽しみ‼︎あっ、チェキ会もあるって!」


「やった!絶対行く‼︎」


僕が立ち止まったその先に、ポスターの前に立ち止まり、そんな事を言うおそらく二年の女子生徒がいた。


「…………」


僕は愕然とポスターを見た。

メイド服姿の僕を中心に大きく入れ、他の衣装の写真をその周りに散りばめ、申し訳程度に他のキャストの写真が使われた、そのポスターを。


「……肖像権の侵害だな」


訴えたら勝てるだろか、と半分本気で思った。しかし、そんな現実逃避もすぐに終わった。


「あれあの人、グリシーヌじゃない?」


「えっ‼︎あの人が⁈」


「そうだよ‼︎グリシーヌ役は三年生の佐藤先輩だもん‼︎」


僕は走った。その女子生徒の目から逃れるために。靴箱に靴を入れ、上履きに履き替え、振り返る事なく走る。背後から僕を呼び止める声が聞こえたが、そんなものは無視だ。僕は悪くない。


「………」


息を切らして、しかし無事にたどり着いた放送室。僕はしっかりと鍵を閉め、据わった目でマイクを睨む。


「……絶対に許さないからな」


面白おかしく僕で遊ぼうとしている二人に向けて、僕は一人呟く。


「覚えてろよ」


高校最後の僕の復讐劇が始まった。

はい。文化祭の話の伏線?でした。

早いですが、文化祭の話だけは面白く、楽しく書きたいので、チラチラと書いていきたいと思います。……時間があれば。



それでは次回もよろしくお願い致します。

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