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平凡少年佐藤君の人生傍観的記録  作者: 御神
七章 高校三年、一学期
124/178

106話 クラス替えには理由がある

今回も短いです。

すみません…。




今後何を書くか考えないとな……。



さて、話は前回より少し遡る。

新学期の始まりの日。僕達には、とても重要な出来事がある。


そう、クラス替えだ。


僕はこのクラス替えという事実を認めたくないが為に、この話を先延ばしにした。何故なら、




「…………」


僕は張り出されていたクラス表を見て、愕然とした。


3-Aには

金見、佐藤、新井山、宝来、水城、岬の名があったからだ。


「なんでだ…」


去年のクラス替えを覚えているだろうか?

成績に差があるからと、成績のいいものと悪いものでクラス分けをしたことを。それなのに今年は、成績の著しく悪い宝来とクラスが同じ。ついでに言うと、狙ったかのようにいつものメンバーが同じクラスである。

考えたところで答えは教師のみぞ知る、というものだろう。つまりは、考える時間が無駄だ。

僕は肩を落とし、教室へと向かった。




教室に入った瞬間、僕は背後から来た衝撃によろめいた。


「やっっと同じクラスになれたな‼︎」


馴れ馴れしく、宝来が僕の肩に腕を回していた。


「……僕はなりたくなかったがな」


「よろしくな佐藤‼︎みんな一緒のクラスで、俺嬉しくってさ‼︎」


聞こえていないのか、聞く気がないのか、僕の呟きを流した宝来は、満面の笑みで朝から煩く騒ぐ。


「彼方、入口で邪魔だよ」


「急に走り出すからなにかと思ったら、佐藤君がいたからだったか」


聞こえてきた声に、宝来の腕をはたき落としてから振り向くと、水城と金見が苦笑していた。


「よう佐藤。今年は同じクラスだな‼︎」


「よろしく…」


その二人の後ろから、岬と新井山も手をあげて挨拶してきたので、こちらも軽く手をあげてこたえる。


「ここだと邪魔だから、席につこうか」


「適当に座っていいみたいだぜ」


そして僕達は窓際の席に座った。当然というように自然な流れで僕も一緒に…。静かに本を読む予定だったんだが、な……。


そうして雑談すること数分。


「席つけー。ホームルーム始めるぞー」


ふらりと教室に入ってきたのは、去年と同じく五井先生。今年もこのクラスの担任になったようだ。

皆が席に着き、静かになったところで、先生は口を開いた。


「さて、このクラスの担任の五井だ。3年の、受験生の担任なんて面倒なことは避けたかったが、今年の3年生は1年のときからの付き合いだ。乗りかかった舟とでも言おうか、卒業まで付き合おう」


なんてことを言うんだ、と思ったが、この先生はこういう人だ。呆れた顔やら苦笑しつつつ見る生徒多数。


「もうわかっているやつも多いとは思うが、今年もクラス替えについて多少問題があった。これについて説明しよう」


僕が知りたかった答えをくれるのはやはり教師だった。さぁ、早く説明してもらおうか。馬鹿ほうらいと同じクラスにされた理由を。


「とある一人の生徒が、我々教師の悩みのタネだったわけだ。何故なら、赤点を回避できたことが一度もないからだ。このままでは卒業も危ういだろうと、一つの結論に至った」


皆がバッと宝来を見た。しかし本人は首を傾げ不思議そうな顔をしている。

お前の話をしてるんだ、お前の。


「そいつの友人は同じクラス。そして、成績の良いクラスに入れて面倒を見てもらおうと。もちろん俺以外の教師もいつでも協力は惜しまないそうだ」


「……五井先生は協力する気はない、と?」


「協力はするが、いつでもは無理だ。俺だって暇じゃない」


正直な先生だ。僕は先生のこういうところは好ましく思う。後から聞いたが、学年主任なんだそうだ。


「本音を言えば、留年されたら困るそうだ。2年にも問題児がいるんでな。同じ学年に二人は勘弁してくれと、まず一人卒業させるために教師連中は燃えている」


『………………』


誰かがわかるだけに、何も言えない僕ら。


「ま、そういう訳だ。今年は受験生で大変だろうが、ちょっとは馬鹿の面倒も見てくれや。その為に、このクラスは成績優秀な奴を集めたんだからな」


…馬鹿がご迷惑をおかけします。


僕は同じクラスになった奴らに心の中で謝った。





こうして、高校生活最後の一年が始まった。

タイトル通り、クラス替えについての話です。短くなりましたが……。



ツイッターの方で書いた小話?も、こちらにまとめてアップしますので、お待ち下さい。



それでは次回もどうぞよろしくお願い致します。

3年目もどうぞよろしく!

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