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平凡少年佐藤君の人生傍観的記録  作者: 御神
六章 高校二年、三学期
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番外編 転んでもただじゃおきない

短いです。すみません…。

去年は宝来だったが、今年は僕、か……

そう呟かずにはいられない、新学期の朝だった。







朝、目を覚ますと、頭が重かった。不思議に思いつつ立ち上がったが、ふらついて思わず机に手をついた。


「…………」


ふらつく体を、壁に手をつき支えながらリビングに行き、救急箱を取り出す。その中から、体温計を取り出し、スイッチを入れる。

数分後、ピピッ、という電子音がし、数字が表示された。


「…38.7℃、か」


完全に風邪である。

僕は病院に向かう準備をした。

因みに、母は仕事で不在である。







病院での診察を終えた僕は、一先ずホッと息をついた。


「インフルじゃなかった…」


この時期に流行る、インフルエンザではなかったことに安堵し、帰路についていた。その途中、よく利用するスーパーが目に入り、足を止めた。


「ああ、そういえば、買い物しないといけないな」


体調が悪いことなど後回しに、僕はスーパーに足を踏み入れた。

僕は、買い物カゴとカートを手に、普通に買い物を始めた。

野菜、肉、魚、調味料など、一週間分の食料をカゴに放り込んでいく。そんな時、背後から驚いたような声があがる。


「はぁ⁈佐藤君、何してんの⁈」


「君、風邪ひいたんじゃなかったの?」


振り返ってみると、そこには金見と水城がいた。


「ああ、なんだお前らか。確かに僕は風邪をひいているが、何か問題があるのか?」


「大ありだよ。なに呑気に買い物してんのさ」


「今日が買い出しの日だったのを思い出してな。買わないと食事が作れないんだ」


「だからって、そんなに買い込んで、持って帰れるの?」


水城の言葉に、カゴに視線を落とす。カゴは一杯になりかけているが、まぁいつもと変わらない量だと、一つ頷く。


「問題ない。いつもとさして変わらない量だ。持って帰れるはずだ」


僕の言葉に、二人は顔を見合わせたあと、大きくため息をついた。なんだ?失礼な奴らだな。


「……君さ、自分が病人だっていう自覚、ないでしょ」


「今日、なんで学校休んだのか、言ってみて」


「なんでって、風邪をひいたからだが?」


僕の答えに、また二人はため息をつき、頭を抱えた。


「佐藤君…。言いたくないけど、君も大概バカだよね」


「失礼だな。君"も"っていうのは、宝来と一緒だと言いたいのか?今すぐ訂正しろ」


「無理だね。熱のせいかは分からないけど、君の思考は今、正常ではないと思うよ」


「お前らこそ何を言ってるんだ?僕は正常だし、バカでもない」


二人はダメだ、と言いたげに首を横に振ったあと、顔を見合わせ頷きあい、僕の手元のカートを奪った。


「おい。なにすんだ」


「せっかく煩い3人を置いてきてあげたんだからさ、大人しくしててほしい訳だよ。俺らとしては」


「そうそう。早く治してくれないと、彼方が煩いからさ。買い物、手伝ってあげるから、早く家帰って寝てくれる?」


有無を言わさぬ二人の表情に、僕は無言で頷いた。

そして、手伝ってくれるならと、遠慮なく食材をカゴに放り込んでいく僕に、


「……少しは遠慮したら?」


「せっかく荷物持ちをしてくれると言うんだ。遠慮なく買わせてもらう」


「…佐藤君、そういうとこあるよね」


「使えるものは使う。それの何が悪い?」


「「…………」」


僕の返答に、二人はため息をつき、苦笑した。



買い物を終え帰宅し、真っ先にキッチンに向かおうとした僕だが、二人に自室まで追いやられた。


「買ってきたものは僕達でしまっておくから、大人しく寝てて」


「お茶もなにもいらないから、とにかく寝てて」


先手を取られてしまった。何故僕がお茶を入れようとしているとわかった?


「使えるものは使え、なんでしょ?いいから病人は寝てなさい」


「そうそう。大人しくしててね」


ニコニコと笑顔な二人に、僕はポツリと思わず本音を漏らした。


「……お前ら二人が優しいとか、恐怖を感じるな」


「「いいから大人しく寝てろ‼︎」」

佐藤君が風邪をひく話でした。

というか、作者自身、風邪ひきました。短くてすみません…。


次は本編を書くので、どうぞよろしくお願い致します。

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