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平凡少年佐藤君の人生傍観的記録  作者: 御神
一章 高校一年、一学期
10/178

9話 佐藤君は苦労人 3

続きできました〜。

無駄に長いです。誤字とかあるかも…。


分かりづらい…かな…?


「あっ、2個目の看板発見!」


順調に2問目の看板に辿り着いた、宝来班。


第2問 関東地方、東京、千葉、埼玉、神奈川、残り3つで正しい組み合わせはどれ?

【第2問 以下の選択肢から選べ】

①栃木、群馬、茨城

②山梨、群馬、茨城

②栃木、山梨、茨城


その問題の簡単さに、思わず宝来を見る4人。


「彼方、さすがにコレは、分かるよ、ね?」


「小学生レベルの問題、だから、な?」


確認するように問う、水城、金見の二人。


「バカにすんなよな!」


その自信ありげな返事に、安堵した二人だったが、


「①か②には絞れた!」


続く言葉に思わず声を失う。


「………次、行こうか…」


水城が無言で答えを書き、金見が先を促した。岬と新井山は終始無言で、苦笑している。


「えっ、えっ?俺何か間違った?なんで皆俺を無視して先行くの?ねえ!」


3択の答えを2択までは絞れた、などというバカに付き合ってられるか。

どこからかそんな佐藤の声が聞こえた気がした。と後に4人は語る。

宝来が走って班に追いつくと、看板の前でなにか相談していた。


「ヒントではあるけど、どういう意味かな?」


「なんのヒントかは考えろって言ってたしなぁ」


「進めば分かるんじゃないか?」


「じゃあメモしてさっさと行こうぜ!」


宝来抜きで話を続ける4人。そんな4人に混ざるべく、宝来は看板に目を向けた。


【❷白も黒もある。ここではそれの原材料がよく採れるそうだ。】


二つ目のヒント看板だ。何かのヒントになっているのだろうと、思い至り、水城に近づき、問題用紙を覗き込んだ。


「ん?これさ、4問目のヒントじゃないか?」


問題を見て、思った事を口にした宝来。その宝来に驚愕の目を向ける4人。


「原材料が取れるって、つまり原産国って事だろう?この中で、国の問題が出てるのは4問目だけだから、そうじゃないかと思ったんだけど」


その説明に、納得するよりも衝撃が大きかった。


「彼方、お前、どうしたんだ?そんなまともな事言って。大丈夫か?」


「さっきの問題が分からなくて、コレが分かるって……」


「なんだよ!俺だって分かるものは分かるんだよ!なにか違ったか?」


驚きながら、宝来の肩に手を置き真剣な表情で聞く金見と、呆然と呟く水城。


「いや、合ってると思う」


怒る宝来に、新井山が答えてやると、宝来は、腰に手を当て胸を張り、誇らしげだ。


「じゃ、次行こうぜ!」


岬の言葉に、また歩を進める宝来班。

現在、11時。謎解きゲームが始まって、30分が経過していた。




その頃佐藤は、森林公園に着いていた。


「なんで直通の道で30分も歩かないと行けないんだよ…」


額に汗をにじませ、イライラしながらも、目的地に歩を進めた。


残り時間はあと2時間。




しばらく歩くと、前方に分藤先生がいた。


「あれ、分藤先生。こんなところでどうしたんですか?」


「ああ、俺達教師は、全班通ったら、看板の回収だ。俺は1〜3問目迄の看板な」


話しかけると、そんな答えが返ってきた。成る程、と思いつつ、挨拶し通り過ぎようとしたとき


「あっそうだ、この先の分かれ道、出題者の箸を持つ手の方に進むといい」


地図を見てみると、この先が分かれ道になっている。先生に感謝を述べ、少し歩くと、その分かれ道に来た。


「箸を持つ手ってことは…」


「分藤先生の利き手か」


『右だな』


宝来と岬が迷わず右の道に進む。それに着いて行く3人。




「……看板なくね?」


先頭を進む宝来が、思わず呟いた。

分かれ道から10分近く進んだが、看板が見当たらない。


「ないね。にしても、ここ花が凄いね」


周囲を見回すと、歩道を囲むように様々な花が植えてあった。


「地図によると、ここはフラワーロードで、ここを抜けると左の道よりゴールが近いみたい」


「凄いね。薔薇に蘭に紫陽花に、ホント色々ある」


水城の説明に、金見が花に目をやる。

すると、宝来が騒ぎはじめた。


「そんな事より!看板は⁈」


「そうだよ看板!結構進んでるけど、ないよね?」


「道が違うのかもな」


騒ぐ宝来と岬に、新井山が冷静に答える。その言葉に、目を見開き、新井山に詰め寄る宝来。


「道が違うってどうゆーこと!ここ一本道だよ?」


「さっきの分かれ道、左だったのかもしれない」


ガクガクと揺さぶられながらも、冷静に答える新井山。


「でも、分藤先生が箸を持つ手、でしょ?分藤先生は右利きだよね」


岬が右手を上げ、確認する。


「つまり、分藤先生ではない、という事だ」


「じゃあ誰⁈」


「この謎解きの出題者、だろ」


叫ぶ宝来に、顔に手を当て肩を落とす金見が答える。そして、水城が続けて宝来にこう問い掛ける。


「佐藤君の利き手は?」


「……左…?」


「そゆこと」


呆然とする宝来に笑って答える水城。

そして、バインダーを脇に抱える。


「走って戻るぞ!時間切れになる」


体育会系の宝来班バスケ部一同。水城の声に、一斉に走り出した。


「分藤先生におかしな点はあったんだ、

1〜3問目までの看板の回収と言ったのに、3問目の手前にいたこと、”俺の”箸を持つ手、ではなくわざわざ”出題者の”と言ったこと」


「クソッ先生も謎解きの一部かよ!」


「他に道はないのか!」


「分岐点はあそこだけ。道も繋がってない!」


流石は運動部、猛スピードで走りながらも、喋り続ける。


「早く戻らないと!分藤先生は、”全班通ったら”って言ってた。つまり」


「全班通ったら看板が回収される!」


水城と金見のその言葉に、宝来がスピードを上げた。


現在時刻11時18分



走って戻っている途中、他の班が歩いてくるのが見えた。


「あれ委員長じゃん!」


こちらに気付いた、全員女子の委員長の班。


「どうしたの?逆走してるけど…」


不思議そうに、走る宝来達をみる委員長。


「委員長!看板あるの、こっちじゃなくて逆の道だよ!」


スピードは緩め、しかし止まらずに通り過ぎながら叫ぶ宝来。

委員長の返事を待つ間もなく、走り去っていった。


「行っちゃった…。でも、”予想通り”3問目の看板は、左の道ね!”私達は”こっちの道を行きましょう」


この時、委員長の言葉を聞いていれば、苦労する事もなかったのに、と宝来班は後悔する事になる。




「ハァハァ、やっと、見つけた…」


息を切らしながら、看板の前で膝に手をつき息を整える、5人。

全力で分かれ道まで戻り、そのスピードのまま、左の道へと進んだ。途中、何組か抜かして来たが、もう影も見えない。


「えーっと、3問目は」


第3問 1番の元素と何番の元素を合わせるとアンモニアになる?

【第3問 以下の選択肢より選べ】

① 6

② 7

③ 8


「アンモニアには、水素と窒素が必要です。水素は1番、窒素は何番でしょう?」


答えを書き込みながら、宝来に問題を出す水城。


「8番!」


「はい次行くよー」


自信満々な宝来を無視し、進む3人。


「えっ、8番じゃないの?」


岬の声に足を止め、岬を見る。


「・・・・」


「・・・・」


「…7番だ」


言葉が出ない二人に代わって、新井山が答えた。そして3人は無言で歩き始めた。後ろで2人の感心する声が聞こえたが、あえて無視した。


「この先に、3つのルート全部から見える、大きな時計があるみたいだよ」


「あっちは花で、こっちは時計か」


感心したように言う新井山。

そして、6個目の看板が現れた。



【❸蘭の咲く道を歩くと良い。】



「蘭の道って……さっきのフラワーロード…?」


その呟きに、ガックリと肩を落とす。

宝来、岬が膝をつき落ち込む。


「また、戻らないと行けない、ね」


水城がため息をつきながら、空を仰ぐ。



走る5人。

また道を戻り、フラワーロードまで行かなくてはならない。


「ホント、佐藤君いい性格してるよね‼︎」


走りながら、金見が怒鳴る。


「ハッハッハ、あいつはそうゆー奴だ!」


「分かってたけどね!」


笑う宝来に水城と金見も同意する。


そして戻った、蘭も咲く道フラワーロード。

先程よりもさらに先、フラワーロードが終わる場所に看板があった。ご丁寧に看板の周りは、蘭で一杯だ。

唯一の救いは、❹の看板が隣にある事だ。


「あっ、たぞ、かん、ばん、」


息も絶え絶えに、顎から落ちる汗を拭いながら、宝来が看板に手をついた。


「彼方、見えないからどいて」


金見が看板に手をついて、息を整えている宝来を退かす。


第4問 [加納] これは外国の国名を漢字で表したものである。勘で正しいものを選べ。

【第4問 以下の選択肢より選べ】

①ガボン

②ガーナ

③ガイアナ


「❷の看板が、この問題のヒントになってる訳だ」


「白も黒もあって、原材料がよく取れるって事は?」


『チョコレート!』


ハモるバカ2人に、笑いかけ、さらに問う水城。


「良くできました。じゃあ答えは?」


『ガーナ?』


「正解。この中で一番カカオが取れるのはガーナだ」


2人に説明しながら、答えを書き、隣の看板に目を移す。


「んで、次のヒントは…」



【❹文字盤の近く。】



『・・・・・』


もはや絶句の5人。


「…文字盤の近くって、またあっちの道、か…?」


一番早く立ち直った金見が、現実を突きつける。


「そうだね、3問目の看板の先に、大きな時計があるからね……」


疲れ切った様子で説明する水城。


次の瞬間走りだした5人。

もはや、喋る気力はなかった。


現在時刻、12時00分。

残り時間、1時間。



他の班が声を掛けるのを躊躇うほどに、鬼気迫った表情で走る宝来班。

流石は強豪バスケ部の一軍。スピードが落ちない。しかし、この長いハイキングコース、高低差のない一本道ではあるが、佐藤の問題に振り回され、もはや精神力のみで走っている。


時刻は、12時23分

周りを花で囲んだ大きな文字盤の時計が、左右に配置されている場所に辿り着いた。

時計を通り過ぎるとすぐに、5問目の看板があった。


第5問 ゴールデンレトリバー 正しいものを選べ

【第5問 以下の選択肢より選べ】

①Golden retrever

②Golden retriver

③Golden letrever

④Dog



「なんかこれだけ4択だぞ…?」


「これ、④番ふざけてるのか?」


「いやでも、間違ってないよな?」


宝来、新井山、岬が看板を見て唸る。

水城もこの問題は少し難しいようだ。顎に手を当て、考えている。


「ごめん。俺英語ダメだ」


金見が片目を閉じ、謝る。


「うん、大丈夫。分かったから」


水城が、ペンを手に取り答えを書き始めた。


「正解は①番。②番はリトリバー、③番はLだから違くて、④番は、ひっかけ、かな?」


最後は自信なさげに、4人を振り返る。

皆答えが分からないため、大丈夫だと頷く。


「いいと思うよ。んじゃ、隣の看板行ってみよう」


ここでもヒントの看板が隣にあった。



【❺じっくり考える事だ。バカは頭のいい奴に頼る事を勧めよう。】


「…ねぇコレってヒント?それともバカにしてんの⁈」


「佐藤君の事だから、意味のある事なんじゃない?」


「時間もないし、さっさと行こうぜ」


怒る岬を宥める水城。先を促す金見。

残り時間は約30分。問題はあと2問あるのだ。金見が歩き始め、皆もそれに続く。


「これでまた、あっちの道に行け、とかだったら終わりだな…」


「こっちもゴールまでは一本道だ。もう進むしかないよ」


だが、その可能性も捨てきれない5人は、誰が言うでもなく、走り出した。




「良かった。佐藤君もそこまで酷くはなかったね」


安堵の息を漏らす5人。

無事に6問目の看板を発見した。


第6問 音符記号。八分音符はどれ?

【第6問 以下の選択肢より選べ】

①♪

②♩

③♪.


「①だね。時間もないし、説明は後ね」


答えを書くと、すぐに走り出した。


「今回はヒントの看板なかったな」


「もうあと1問しかないんだ。ヒントはないんだろ」


辺りを見回してみても、ヒントの看板は見当たらない。岬が疑問を口にすると、新井山が、冷静に分析した。

なるほど、と手を打つ岬。


少し走ると、ハイキングコース出口の少し手前に、最後の看板が立っていた。


「最後の問題は佐藤君だからなぁ」


ぼやきながら、看板に近づく。

不安要素のある最後の1問。


第7問 るん、と読む名前はどれ?

【第7問 以下の選択肢より選べ】

①月音

②瑠音

③恋


5人で看板を囲み、考える。


「②番、かな?」


「一番可能性があるよね」


「でも佐藤だぞ?他の可能性も…」


「もう②番でいいだろ。時間ないし、早くゴールしないと」


「そうだな。②番でいいと思うぞ」


岬、新井山のその言葉に、水城が時計を見ると、


12時47分


走った為、左右の道を行き来したにしては早いが、残り時間は13分。

慌てて答えを書くと、出口まで走った。


ハイキングコースを出ると、木々の揺れる森林公園に入る。

左手には噴水広場、右手には2階建ての建物があった。

そして正面には、他の班の皆がベンチに座っていた。


「あそこがゴールか?」


「人は少ないけど、多分そうなんじゃない?」


「やっと座れる〜」


宝来、岬、新井山が走ってベンチに向かう。それを水城、金見は苦笑して見ながら、歩いて向かった。

3人はベンチに座って、鞄から水筒を取り出し一服していた。

水城、金見も座ろうとすると、ある物が目に入った。


「なぁ俊、あれって、看板じゃないか?」


「お前にもそう見えるか?」


看板に近づき、見てみると、こう記してあった。


【お疲れ様。よくここまで辿り着いたな。

ヒントが役に立っていないようだが、まぁいい。


ゴールにて着席せよ。

*遅刻厳禁、時間厳守】


「ベンチに座れって事かな?」


「着席せよ、だからな。でも、”ヒントが役に立っていない”ってどういう事だ?」


最後の看板に頭を悩ませる2人。

とりあえず3人の座るベンチに近づき、問題用紙の裏にメモした、ヒントに目を通す。


___________________

先頭に注意して進め


❶開始早々ヒントをもらえると思うな。

頭を使え。


❷白も黒もある。ここではそれの原材料がよく採れるそうだ。


❸蘭の咲く道を歩くと良い。


❹文字盤の近く。


❺じっくり考える事だ。バカは頭のいい奴に頼る事を勧めよう。

___________________


「あとヒントといえば、最初に言ってたしおりぐらいか?」


「そういえば、そうだね。まだ使ってないからね」


鞄からしおりを取り出し、ページ捲る。

そして、昼食の欄に写真が載っていた。


「ん?これって、そこの建物じゃない?」


建物を見てみると、しおりの写真と同じだった。


「本当だ。あそこだね………あれ?」


もう一度、問題用紙に目を通す。

両面、問題とヒント両方に。


「…………もしかして…」


「……俊も分かった…?」


思わず、何度も問題を見て確認する2人。


「ここ、ゴールじゃないっ…!」


そこにいた全員が、驚き、水城に顔を向けた。

終わりませんでした!(泣)

簡単なので、もう答えが分かった方もいるでしょうが、もう少しお付き合い下さい。


所詮素人が考えた謎解きなんてこんなもん、な答えですすみません。



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