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美少女達が花粉にやられたそうですよ?  作者: みらくる☆みかん
―序章―
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第5話 「運命が分岐する時――」

この街に広がる異変――二人の美少女は、その渦の真っ只中に居た。


「どうなっちゃってるの!!?」


ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は、コンビニ袋を持ちながら、両手を前で組み、

そして第一声がその言葉であった。


美少女二人を取り囲み、ぐるりと、辺り一面からから聞こえてくる大勢の人々の唸り声

と、不気味なくしゃみの音。それは次第に大きくなり、さらにその数も増している。


そんな混乱の中にあって、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」はその隣、

青色の髪をした美少女「夏輝」を、怯えた眼で、眉を顰めて見遣る。


夏輝はカバンの中からスマートフォンを取りだして、それは誰かと連絡をとるためでは

なく、一刻も早くこの状況を把握するためであり、そして、そんな夏輝の直ぐ側に、

ミサは小走りで近寄った。


「どう??? 何か分かりそう?」


夏輝が持つスマートフォンの画面を横から確認し、さらに夏輝にそう問いかける。

しかし夏輝からの返答は、それは夏輝自信も望むところではなく。


「なんでっ……繋がらない!」


それを聞いたミサも、彼女も自分のカバンの中からスマートフォンを取りだして、

しかしまた、彼女のスマートフォンも夏輝と同様に、ネット回線に繋がらず。


「うちのもダメみたい……混雑してるのかな……?」

「そんな……! じゃあこれって……」


夏輝がそれを言い終わる寸前、ミサは夏輝が着ている制服の裾を掴み、


「そんなわけないよ……早く家に帰ろう!」

「………………」


夏輝の言ったその後に続く言葉を、ミサは察していた。そして、それは到底受け入れる

ことの出来るはずがない言葉であって、だが、そうではあったが、そこに広がる光景も

また事実であり、そしてそんな状況に置かれた時、真っ先に頭を過るのは、

親友であり、恋人であり、そして家族である。

そんな心情が相俟って、夏輝の言葉を遮り、そしてそう、言葉に想いを薄ら隠して。


――夏輝はミサの瞳を、ほんの数秒間見つめた。


それが最善であるのか、その意思を確認するように。

自問でもあり、問いかけでもあった。

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