第4話 「何かが起きている」
長蛇の列のその先でくしゃみ混じりの会話が飛び交う。ピンク色の髪をした美少女「ミサ」と、青色の髪をした美少女「夏輝」――二人の美少女は、先の騒ぎを聞きつけて。
「何かあったのかな!?」
ピンク色の髪をした美少女「ミサ」がそう言い、そしてその間もなくだ。
「紙の代わりになるものだ! なんでもいい! 代用っくしょんばっきゃろーぃっ!!!」
その列の中でも特にに大きな声が、くしゃみが轟き、するとたちまち長蛇の列は乱れ始め、
「ミサ」、「夏輝」――二人の美少女が佇む所、雑誌売り場の、その雑誌を求め、大勢の人の手が一斉に雑誌売り場の棚に伸びたのだ。
この突然の出来事に、二人の美少女はその場でしゃがみこむほかなく、そして、青色の髪をした美少女「夏輝」は、ようやくこの長蛇の列が出来た理由を、その真相を理解したのだった。
「えっ!? 嘘でしょ!? この行列って、ティッシュペーパーを買い求めて来た人の列だったの!?」
「えぇぇ~~~??? なになに~??? 怖いよ~……くしゅんっ!」
「ちょっ!!!」
そんなやり取りをして、そして身動きが取れないまま数分、長蛇の列は、あれだけ大勢いた人々は跡形も無く消え去って、
「あっ、塔磨君……」
ミサは、夏輝が手にしていたはずの、既にそこには無い空の手を指差し、夏輝は、
「――へっ?」
水道から水が流れる音が聞こえる。それと、喋り声が……。
「もうっ! 人から取ることないじゃない!」
青色の髪をした美少女「夏輝」はそう小言を漏らしながら、制服に付着した汚れを洗い流している。
「本当すごかったよね~w(笑) 今年の花粉ってそんなにすごいのかな~」
「それともオイルショック???」
ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は何事もなかったかのように、コンビニエンスストア内の、トイレの手洗いコーナーにて汚れを洗い流す夏輝の後方で、両手を後ろに組みながら、そう冗談を交え話している。
「あっ、そういえば、くしゃみ治まったかも???」
「本当だ。確かに治まったかも……へっくち…………もうっ!」
相変わらずくしゃみが治まることはなく、青色の髪をした美少女が汚れの洗い流しを終えたところ、
時刻にして午後の5時である。辺りは大分薄暗くなってきている頃であり、そろそろ帰路に就こうと、
ミサと夏輝は、コンビニエンスストアのトイレを出て、そしてちょっとした買い物を終えて、
「ありがとうございました~」
コンビニエンスストアの入り口――二人の美少女が立ち止まる。
「なにこれ……」
青色の髪をした美少女「夏輝」。彼女は目の前に広がる光景に、驚きの表情を浮かべ、そして、そう小さくこぼしたのだ。傍らに佇む美少女「ミサ」も、開いた口が塞がらず、まだ、今現在そこで何が起きているのかを理解出来ず、そして困惑したままそこに広がる光景をを凝視した。
「うぅ~~~ざっくしゅぅんっ!!!」
「べらららららごぅんっ!!!ぶらっくしょんさんせいっ!!!」
「ぐあぁぁぁ……あっくす……あっくすんっっっ!!!」
スーツを着た男性、眼鏡の男、買い物袋を抱えた主婦――無数の人影がそこに蠢いており、様子からしてもわかるように、そこに広がる人影は、とても正気の沙汰ではなく。
一体この街で、この国で何が起こっているのか。――それとも、これから何かが起ころうとしているのか。
都市部のコンビニエンスストア前――そこには、とてもこの世のものとは思えない光景が、暗闇の、その暗黒に紛れて――