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美少女達が花粉にやられたそうですよ?  作者: みらくる☆みかん
―序章―
3/18

第3話 「我慢出来なかったんです」

「なっちー!!!」


ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は、大勢の人がなす長い列の間をうまく通り抜け、その勢いのままに、青色の髪をした美少女「夏輝」の懐に飛び込んだ。


ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は、夏輝の懐に顔を埋め、「どうなっちゃってるのー!!?」と、泣きつくように、そしてそれは青色の髪をした美少女「夏輝」も同様に、誰かに説明してもらいたいところであり、


そうして夏輝は、辺りを、コンビ二エンスストアの外を確認して、状況把握に努めるのだった。


すると、青色の髪をした美少女「夏輝」のその懐、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」が小刻みに揺れはじめ、そして次の瞬間――


「くしゅんっ! …………うえぇぇ~」


ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は周囲を不安そうに確認する、青色の髪をした美少女――「夏輝」の、その懐で、控えめではあったものの、しかしこれほど嫌悪感を覚えることはない。


「ちょっ!!?」


そしてピンク色の髪をした美少女「ミサ」は顔を上げ、夏輝の制服とその間に伸びる鼻水は、永く放置された吊橋のように、力無く垂れている。


「ごめんごめんw(笑) 我慢したんだけど止まらなくってw(笑)」


ピンク色の髪をした美少女は、何も悪びれた様子はなく、ただ軽薄に笑いながらごまかした。


「あぁ~もうっ! 拭くものが無いのに!」


青色の髪をした美少女「夏輝」は声を荒げ、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は目を強く閉じた。

夏輝の声に驚き、そして目を瞑ったミサであったが、しかしそれもつかの間のことであり、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は、なにやら後頭部がずっと気になっていたようで、と言うのもそれは、夏輝が、所謂立ち読みをしていたそのまさに週刊誌であり、そして後ろを振り返ると、自分の頭に覆いかぶさるようになっていた、その週刊誌の、豪快にも開いたままになっている読み途中のページを確認した。


「あっ、塔磨君の特集ページだ」

「へっ!?」


そのページは一面男性アイドルの特集になっており、そして夏輝は、気の抜けたような声をあげ、すると次の瞬間には既に、


「偶然よ偶然!!! たまたまそのページで止まってたの!」


またしても夏輝は声を荒げ、そしてまた、ミサも、一度反射的に目を強く瞑り、するとハッと、何かを思い出したように目を直ぐに開けて、


「そうそう! ティッシュを買いに来たんじゃん! 序でにマスクも買って、早く帰ろーよ!」


そう、当初の目的を思い出し、そして提案した。それはその場を収めようとしてのことであり、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」の軽薄な性格が窺える。


「それはそうだけど、もうっ! 大体あんたはねー……――」


しかしその提案でその場が収まることはなく、そして、青色の髪をした美少女「夏輝」が、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」に、所謂日頃の鬱憤を爆発させんとしたところ、大勢の人がなす長い列のその先――


「もう紙が無いだってっくしょんさんせいっ!!!」

「なんだと!? トイレットペーパーは!!? 一人一ロールまでだっくすんっ!!!」


辺りは慌ただしさを増して。

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