第2話 「グミと週刊誌に気を取られて…」
ピンク色の髪をした美少女「柚子木 ミサ」と、青色の髪をした美少女「照川 夏輝」通称なっちは、ティッシュペーパーを補充するべく、
コンビニエンスストア店内を目指すのであった――
コンビニエンスストアの自動ドアが開き、そしてピンク色の髪をした美少女「ミサ」と、青色の髪をした美少女「夏輝」がコンビニエスンストア店内に入店してきた。
「いらっしゃいませ~」
青色の髪をした美少女「夏輝」は真っすぐにティッシュペーパー売り場を目指すが、ピンク色の髪をした美少女「ミサ」は、まったく別の売り場へと向かおうとしていた。
「ちょっと! ティッシュを買いに……へっくち」
夏輝は目的外の行動をとろうとする愚かなる「ミサ」に対し注意をしようと試みるが、くしゃみにそれを遮られてしまった。
「えへへ~w(笑)ごめんごめんw(笑)。うちは……くしゅんっ!…………先にティッシュ買ってまってて~w(笑)」
そう言いながらピンク色の髪をした美少女「ミサ」は、くしゃみをしながら愚かにも別の売り場へと向かうのであった。
「もうっ」
青色の髪をした美少女「夏輝」はそう漏らし、そしてティッシュペーパー売り場を目指そうとするが、雑誌売り場を通過しようとしたその時、横目でそれらを確認しながら歩いていたのがいけなかった。
青色の髪をした美少女「夏輝」――通称なっちはそこで立ち止り、そして週刊誌へと手を伸ばすのであった。所謂立ち読みである。
それから、少なくとも10分以上経過したころだ。相変わらずくしゃみを間にはさみながらも週刊誌の立ち読みをやめない青色の髪をした美少女「夏輝」。そして、そんな「夏輝」と相も変わらず、愚かにも目的外の行動をとったピンク色の髪をした美少女「ミサ」も、お菓子売り場のコーナーにてカラフルなグミの物色に耽っていた。
「いらっしゃいませー」
コンビニエソスストアの店内に、客の入店を知らせるチャイムの音が響く。
それは立て続けであり、まさにひっきりなしに続いていた。
大勢の人々が入店してくる。それに初めに気づいたのは、お菓子売り場のコーナーにてカラフルなグミを物色していたピンク色の髪をした美少女――「ミサ」であった。
「んん~このグミなんかまずそ~……くしゅんっ!」
「んん~……んん~???」
前屈姿勢で両手を膝に突きながら、カラフルなグミを物色していたところ、お菓子を陳列しているその陳列棚の間から、大勢の人影が見えたのだ。
ピンク色の髪をした美少女――「ミサ」は、つま先立ちで前方の確認を試みる。
しかし背丈が足りておらず、陳列棚の角に周り、それは青色の髪をした美少女「夏輝」が愚かにも週刊誌の立ち読みに耽っている通路であり、そんな愚かな美少女「夏輝」の姿を遮り隠すように、大勢の人の列がある一点を目指して進み歩いていた。
「なんだこれ!?」
それを目撃したピンク色の髪をした美少女「ミサ」は声をあげ、そして小刻みに跳ねながら、青色の髪をした美少女「夏輝」を確認し、長い人の列を掻き分けて、
「なっちー! なっちー!!!」
と、青色の髪をした美少女「夏輝」に聞こえるように大声をあげ、すると青色の髪をした美少女「夏輝」は、
「ミサ!?」と、後ろを振り返る。すると、大勢の人がなす長い列をようやく認識して、「えっ!? なにこれ!?」と、驚きの声をあげた。