第14話 「鉄の雨音をおくらむ」
ミサと夏輝は、他数十名の民間人等と共に艦内の一室に集められていた。
普段、彼等艦内民間人が自由に行き来出来る空間はかぎられている。食堂や、それら生活に必要な施設、それに通じる通路など、それくらいなもので、今回彼等が集められた一室はそうした民間人に開放されている空間とは別の、通常ならまず立ち入らない、立ち入ることを許されないであろう所であって、そのような所に慣れのない者が、また先の情報公開からまだ日が浅く未だ気持ちの整理すらつかない彼等が、そわそわと不安げに小声で漏らすのはごく自然なことであろう。
二人も周りの人々と同様、その中に紛れ不安げに言葉を交わしていたわけなのだが、その一室に集められてから数分、そう待たされることはなく、直ぐに奥の右手の扉が開き、そこからふたり、黒色の髪をした美青年と、坂城 塔磨が入って来た。
塔磨の姿を確認した夏輝はそれに驚き、小さくその名を口にした。
ミサもそれを確認したようではあったが、特に表情を変えることもなく、むしろ夏輝の方に注意を向けているようだった。
その一室に入り間も無く、黒色の髪をした美青年と塔磨は何を告げるわけでもなく、扉の付近に直立したまま動かないので、そこに集められた民間人等は困惑した様子であって、その中の数人が、直接問い合わせようかとしたところ、黒色の髪をした美青年と塔磨が入って来た扉がもう一度開き、荘厳な制服を身に纏う女性を先頭にして数名の乗員が入って来た。
みらくる☆みかん先週の標語
・休まない
・遅れない
・手を抜かない
以上☆