第12話 「地上のその日」
謎の災害から四日後――朝食のため食堂へ移動した二人は、そこでアンドリーという日
系ルシア人男性と相席になり、世界情勢を教えてもらうこととなった。
日の本を襲った謎の災害、その原因は国外より持ち込まれたウィルス兵器であり、反社
会的組織が関わっているとのことで、日の本はその後、被害拡大を恐れた国合軍とエメ
リカ軍による爆撃を受け壊滅。しかしウィルス兵器の標的は日の本のみならず、日の本
壊滅から僅か七時間後、一部地域を除き世界同時的にウィルス兵器が使用され、世界人口の役八割が感染者となっていた。
さらに衝撃的な話は続き、日の本壊滅から二日後、ウィルス兵器による被害を免れた南
米大陸のブラゼン連邦がエメリカ連邦に宣戦布告、エメリカ連邦と開戦。エメリカ連邦
は国合軍、同盟国と世界連合を結成した。また、欧州各地では欧州諸国から独立した各軍隊と、世界連合加盟国との間で紛争が勃発。
アンドリーから全ての話を聞き終えた二人は、かなりの衝撃を受けて言葉を失う。その
後二人は居室に戻り、情報源として素性の知れない男の言った言葉だと、アンドリーの
話しを真に受けたりはず、そして艦内兵員からの信用できる情報公開を待ち、それまで
は悪い方に考えないようにと、そうして二人は心身の落ち着きを図ったのだが、しかし
その日の内に艦内民間人全員に情報が公開され、アンドリーの言葉に同じく、日の本の
壊滅、そして現在、世界は戦争状態であることが告げられた。
ミサと夏輝、二人の知らぬ間に故郷日の本は壊滅し、さらにウィルス兵器による甚大な
被害を出しながらも、世界は、世界大戦に突入していったのだった。




