第9話 「検査」
「これより身体検査を受けてもらう。二名ずつ中に入れ。他はその場で待機しろ」
先頭を切り市民等を誘導していた兵士が立ち止った。そこは医務室の前で、そして兵士は後ろを振り返ると、二名に別れ医務室で検査を受けるように命じた。
市民等は指示通りに二名ずつ医務室の中へ。それはかなり簡単な検査のようで、程無く最初の二名が検査を終え医務室から出てきた。二名はそのまま別の兵士に連れられてその場から姿を消した。
市民等の中に紛れ待機していた夏輝とミサ、二人の順番も直ぐに回って来た。
「ほら、私達の番よ」
二人は一緒に医務室の中へ。こういう場所が得意ではないミサは少し緊張しているよう
で、敢えて夏輝の後ろを歩いている。
二人の前、軍服を纏う医官が手だけ、椅子を示し、そしてやはり簡単な検査のみで、採血をしたところ直ぐに検査は終了した。
採血に使用された注射器は最新のものであり、痛みはまったく感じない。
顔をこわばらせていたミサは拍子抜けしたようで、それを終えるころにはまた、いつもの緩んだ表情に戻っていた。
そして検査終了時にも医官は手だけ、通路を示した。
今回は1話のみですぞー☆