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美少女達が花粉にやられたそうですよ?  作者: みらくる☆みかん
―Mystery of The Universe―
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第7話 「夕暮れの先に」

数分の間に景色は移り、開けた道には乗り捨てられた車が数台、さらに長い間隔で事

故車両が。頭上に走る首都高速からはサイレンの音が――それはそこで停止している

ようだった。


複数の高層ビル群が、首都高速や、商業施設の間から確認出来て、二人は、中心街の

もう直ぐそこにまで来ていた。


二人が初めに目にしたのは、前方ブティックに衝突し煙を上げたまま停止している車

両で、周囲には光源に照らされたガラス片が飛び散り、唸り声を上げて車両の下敷き

になっている――だが、一滴の流血さえ確認出来ない者が見えて。


夏輝はまた繋いだ手を引き、しかしミサは疲れきっていて、夏輝は一旦、ミサの体力

が回復するまで待とうかと、ミサを顧みるが、だが、その現状で足を止めるわけには

いかず。何故ならそれは、周囲にも――後ろにも、その場での休憩は許されないだろ

う。


息を切らして軽く屈みこむミサに、夏輝は手を当てて、励ましの言葉を投げかけた。


「無理……もう走れないよ……!」


くしゃみと共に人影は徐々に二人へ接近して、刻一刻と逃げ道は塞がっていき、繋が

れた手を震わせているのは夏輝の方だった。


じわじわと距離を詰めるそれを背にミサは力を振り絞り、

二人は再び走り出すものの、足の動きはついていかず、

夏輝に手を引かれながら必死に後を追うミサであったが――遂にはその場に躓いてし

まい、振り返れば、無数の影がそこに。


「――ミサ!」


荒い息遣いを手で抑え、地面に突かれた膝は赤く――夏輝はミサに駆け寄り、小さな

背中を抱きしめた。覚悟を決めるわけではなく、ただ、ミサの長い髪に顔を伏せて。


ミサの瞳に映るのは、前方より二人へと近づく――

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