クール来る
あの雷が梅雨明けの合図だった
気温が上昇しているのも知らぬ
窓の内側
優しさの開け方なんて分からない
閉じたカーテン
飲みかけのマンゴージュース
夏が来たのに
じわじわと侵食してくる積乱雲
記憶が押し潰されてやみのなか
窓の外側
泳いでる景色たちウスバカヤロウ
聞こえない足音
水槽のアロワナを睨んでる
夏が来たのに
クールに決めてるの
夏だからってウチは熱くはなれないの
クーラーに塗れてるの
ソトがそうするから
逆らったらクビだから
ひとりハナビあげてやる
クールに決めてるの
夏だからってウチは熱くはなれないの
ドールに冷笑注いでる
ハトみたいにお辞儀して
恋煩いなんてしないから
ひとりカキ氷でクール来る