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無限英雄2  作者: okami
10/12

第10話『死ななくても大丈夫なんじゃん』

「すまない」


 ブレインの元に帰り、合流した央真の第一声がソレであった。


「えっ?」


「スパル・ダーマが能力を吸収するのを止められなかった」


 京介は黙って考える。範子と球太郎はこちらで保護し…あと残っている能力者と言えば。


「早馬さんがやられたのか!?」


「すまない、テグスに手を取られている間に」


「そんな…」


 一年前に一緒に戦った早馬瞬足ことハイスピードがやられた。

 楽天家だが人のいい男であった。


「早馬さん…!」


「おーう」


 首元にタオルを当てたロンゲの男、早馬瞬足が空いてる方の手をあげて返事をした。


「ん?」


「噛まれちゃった、痛かったー」


 京介は止まった。


「何で生きてるんですか!」


「やだなに久しぶりにあってその台詞、傷つくだろー」


 央真はバツの悪そうな顔をして、


「少量の血肉さえ取り込めれば、能力は吸収できるようだ…」


 と言った。


「生きてるなら生きてるって先に言ってくださいよ!」


「まあ…その、厄介な能力を吸収させてしまったのは事実だからな」


(確かに…)


 二人はちらりと早馬を見る。

 ハイスピードの能力はその名の通り加速能力。

 言うは単純だが、敵にするととてつもなく厄介である。


「ふう…」


 範子は椅子に腰掛けてため息をつく。


「疲れましたか?」


「そうね、あんなに連続で能力を使ったのは初めてだったから…」


 瞳に差し出されたコーヒーの紙コップを受け取る。


「でもなんでサチューカンさんが範子さんのところにいたんですか?」


「彼の球団ね、私がスポンサーなのよ」


「ええー…」


 瞳は気を失って倒れているユニフォーム姿の男、サチューカン(間球太郎)を見る。

 確かに去年参入した新球団のユニフォームだ。

 ニュースになったのでよく覚えている。


「前の戦いで、私を襲ってきた彼をボコボコにしちゃってね、。何か気がとがめちゃって」


 範子はかわいく舌を出した。


「ああでも、ちゃんと才能のある人だと思ったから、お金を出しているのよ」


 範子は付け加えた。

 独自の情報網でアークスの動きを知った範子は使用人やボディガードをすべて帰して、屋敷にて球太郎と敵を迎えつ事にした。

 それが一番被害の少ない方法だと思ったからだ。


「防げる自信はあったのだけれど…本当危ないところだったわ」


 実際、範子本人は外傷なしなのだから大した能力である。

 あのままネヒーテが戦いを続けていたらどうにもならなかったろうが。


「…ところで、奈月さんは助けてくれないの?」


 小声で聞いてくる。


「詳しく話すと長くなるんですけど、手が出せないそうなんですよ、だから私たちで何とかするしかないって…」


「そ、う…」


 範子は突然気を失って倒れた。




 ブレイン地下基地の医療施設。

 ベッドには範子と辰葉、球太郎にザ・ソードが寝かされていた。


『能力を使いすぎただけだ、千両範子は問題ない』


 ブレインの言葉に瞳は胸をなでおろす。


「能力者の半数は動けない、か」


 無我が球太郎の状態を眺めながらつぶやくように言った。

 ガイオナースで一緒だった時はわりと仲がよかったらしい。


「すまないな、これからって時に。悪いがあんたも手を貸してやってほしい」


 意識の戻っている辰葉が寝たままの状態で無我に言った。


「…腹に穴あけたヤツに言われたら、なあ」


 と無我は瞳に無言で視線を送る。 

 瞳は笑顔で返した。

 無我は苦い顔で頭をかく。


「ま、役に立てるとも思えんが、俺の命もかかってるしな」


 範子以外の3人の重症ぷりを見ると恐怖はあったが、無我は協力する事を決めた。


「ザ・ソードは大丈夫なのか?」


『容態の事か? それとも目を覚まして暴れないかって事か?』


 辰葉の問いにサイコは問いで返す。


「…ああ、両方かな」


『容態はひどいが死にはしない。後遺症についてはまだ分からないが…

 しばらくは目は覚ますまい、つまり両方とも気にしなくていいという事だ』


 辰葉は首を縦に振った。

 二度と人間の命は奪いたくはない。




「お前は大丈夫か?」


 椅子に座り、両手を膝にのせてうな垂れている京介に央真が声をかけた。

 怪我は大した事は無い。


「ええ、けど生きて帰れたのが不思議ですよ。強すぎます、あのネヒーテってヤツ」


「幹部怪人がもう一人出張ってくるとは思わなかった。俺の見通しが甘かった、すまない」


「央真さんのせいじゃないですよ…」


 京介は顔を上げる。


「ここから、どう出ますか」


「当然次はここに攻めてくるだろうな」


 能力者はすべてここに集まっているのだ。

 能力者反応が特定できるのに攻めてこなかったのは、相手が攻めやすいところから攻略していたからだ。

 残るはここしかない。


『敵に動かれる前に、こちらから攻めるしかないだろうな』


 サイコ・ブレインが入ってきた。


「サイコ…でも」


『能力者反応を探知できるのはこちらも同じだ、やつらの基地は把握している』


「マジかよ!?」


『お互いに秘密基地に探知できるものを置いているのだから皮肉なものだな』


 サイコがモニターに反応図を映し出す。


「これは…反応が三つ同じところにあるぞ…?」


『吸収した能力分というところか』


 央真はそれを見ながら少し考える。


「よし、攻め入ろう」


『私もそれしかないと思う』


 サイコは央真に同意する。


「でもパワーアップした怪人とテグスと、ネヒーテがいるんでしょう…


 俺はアントルを倒すのも一苦労だし、俺以外の能力者だって似たようなもんですよ」


「能力者に攻撃力に期待するのはこの際やめよう」


 央真はそう言うと、先ほど思いついた作戦の説明をはじめた。


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