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scene #23 cut #1
激しい排気音は、雷鳴のように。
黒いオートバイ。
低く、地を這うようなフォルム。
風を切るライダーは、
スレンダーなシルエット。
深町が穿いているような、ブルー・ジーン。
ナチュラル・インディゴのそれを、ラフに。
ジャケットは軽く、風に舞う。
シルバー・グレィのフルフェイスヘルメット。
軽く、ロードでツイストしながら
松之たちの丘の上キャンパスへと
ヒル・クライム。
いつか、深町が危ない目にあった
あのトンネルも軽やかに駈け上がり
キャンパス、付属図書館の前で
そのオートバイは静かに停止する。
サイド・スタンドで大きく傾く
そのオートバイは、アメリカーン・タイプ。
低いハンドルが短くまとまり、黒と銀だけの外装。
メタリックな輝きとモノトーンがシックな
重量級オートバイだ。
軽やかにバイクを下りたライダーは
シルバー・グレィのヘルメットを取る。
「こんにちは」と、にこやかに微笑む
そのライダーのかたさきに、さらりとした
長い髪が流れた。
松之は、あっ、と息を飲む。
そのライダーは、諒子だった......?
松之は、そこで目覚めた。
ここはどこだろう、?と人事不省に陥っていたが
ようやく、そこが自分のアパートメント・ハウスで
自分がそこで眠っていた事を思い出す。
........。
そう。昨日は....
大学図書館で、紹介状を書いていて
そのまま、持ってきていたんだったっけ。
断片的に、松之は思い出す。
それで、あれこれひ一人で考えていると
どうにも落ち着かず、試験勉強にも身が入らず。
やっぱり誰かと一緒だった方が、気が紛れていいな、と
そんな風に思う、松之だった。




