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あほとアホと阿呆  作者: ホウ


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6/6

新体力テスト

新体力テスト。身体測定とごっちゃにされがちだが、こっちは運動能力の計測だ。上体起こしやら、50m走やらである。


で、こちらも学生としてはノリ気な人間がまぁまぁいらっしゃる。勉強するより楽だし。


「じゃ~、勝負な。」

「またか…。宗悟、勝負好きだな〜。」

「いや、全く。単純に2連続おごりが気に入らん。」

「3連続になることは考えないのか。」


まぁ、たしかに可哀想ではあるな。体力勝負なら宗悟が有利そうだし。不満はない。ほぼ俺と龍二の一騎打ちだろう。


「勝敗はどう決める?」

「総合の点数にしようぜ。あ、シャトルランは後日らしいから、それ以外でな。」

「「おけ。」」


まずはさっそく握力。基本的に俺達は順番が早い。あいうえお順とは素晴らしいな。あ行に生まれて良かった。


「じゃあ、まずは宗悟。」

「ほいっとな。…49kgはえーと、8点だな。」

「いきなり高得点だな。」

「おっし!じゃあ俺な。…フンッ。40kgだな。よし、6点。」


まぁまぁ点数高いのでは?と、龍二を見ていみると不適な笑みとポージングでカッコつけている龍二がいた。


「フッフッフ。お前たちは何も分かっていないな。」


クイッ


でた!メガネをクイッ!やっぱりカッコイイ!!メガネ買おうかな!!


まぁ、それは後日買いに行くとして。


「どうした。阿呆。」

「うむ。シャウト効果というものがある。大きな声を出すことで力の限界値を高めることができるんだ。やり投げの選手が叫びながら投げたりするだろ?あれだ。」

「つまり?」

「こういうことだ。 アアァァァ!!!」


龍二の声が体育館に響き渡る。すごいぞ!皆の目線がくぎ付けだ。とりあえず仲間に見られたくないので3歩ほど下がろう。


「…で?どうだった?」

「33…。…5点だな。」

「ダメじゃねぇか。」


なんだったんだよ。シャウト効果のくだり。しかも、ギリギリじゃねぇか。32kgなら4点だぞ。


「まぁ、総合の点数だ!まだまだ勝負はこれからだ!」

「ちょっと恥ずかしくて声でてるぞ。」

「宗悟。そういうのは黙っててやれ。」

「行くぞ!!」

「「うぇーい。」」


まぁ、って言っても体育館内だから数歩で着くのだが。あ、いや。後でグラウンドでるけどね。



ー上体起こしー


「やめろ!キス顔とかするんじゃねぇ。普通に足抑えてろ。セコいぞ!龍二!」

「何を言う、腹筋力を測るのに必要なことだろう。」

「上体起こしに笑いこらえる要素とか勝手に加えんな!」


宗悟:7点 俺:4点 龍二:5点



ー長座体前屈ー


「…純。お前硬いな。全然伸ばせてないぞ。邪魔するまでもないぞ。」

「だまれ阿呆メガネ。」

「お前らもう妨害勝負になってね?」


宗悟:5点 俺:3点 龍二:7点



ー反復横跳びー


「らららら〜、らららら〜、ららららラー油♪」

「は!?しまった!ついゆっくりに!なんて恐ろしいんだジョ〇マン!!」

「いや、そうはならんやろ。なんで龍二引っかかるんだよ。」


宗悟:8点 俺:5点 龍二:4点



ー立ち幅跳びー


「プ~ン♪ デレッデ、デレレレ〜♪」

「だー!!着地失敗した!!」

「いや、だからなんで純もそんなリズムに引っかかるんだよ。あと、配管工兄弟はやめとけ。訴えられたら絶対勝てんぞ。」


宗悟:6点 俺:4点 龍二:5点



ー50m走ー


「これはもう実力しかなくない?」

「いや、俺は今日のために瞬足を用意した。」

「その靴の名称聞くの小学生以来だな。高校生用のとかあるのか…。」


宗悟:7点 俺:6点 龍二:4点



……瞬足用意した意味あったかな?あったな。うん、たぶん。



えーと、今の合計得点は宗悟:41点 俺:28点 龍二:30点……。まぁ、予想通り宗悟は圧倒的だな。問題は龍二との一騎打ちよ…。負けてるし。


やばい。次のハンドボール投げで最後じゃん。龍二が5点としたら、7点以上取らなきゃいけない。7点以上は…28m以上。…いけるかな?


「おい、純。次だぞ。」

「は?もう終わったの?」

「いや、投げるだけだしな。純が得点表見てる間に終わったよ。ほれ、行ってこい。」

「そのまま、俺の勝利を確定させてきてくれてもいいぞ。」


だまらっしゃいノーパン。クソぅ!もうアレを使うしかないじゃないか!やるぞ!やってやる!!おごりは嫌だ!!


「俺は奢ってもらうだけの人生を歩むんだ!!」

「あいつも中々にあほだよな。」

「なんなら俺達のリーダーだぞ。」


手のひらよりもちょっと大きめで持ちにくいが、めいいっぱい力を込める。助走はきっちりと行い、腰の回転をうまく力を乗せて、リリースの瞬間!


「せぇぇぇい!!!!」

「あれは!!シャウト効果!?」

「知っているのか!?龍二!!」

「ああ!大きな声を出すことで力の限界値を高めることができるんだ!!………まさかこのやり取りをできるとは、超嬉しいな!!」

「俺も使う機会が来るとは!録音しとけばよかったぜ!」


やめとけ?黒歴史が増えるだけだ。あと、結果どうでもよくなる阿呆トークやめれ?力抜ける。


「ハァ、ハァ…。先生、結果は?」

「29mだな。」

「よっし!ありがとうございます!」


やったぜ!!とりあえず目標達成!後は龍二の結果次第だな!!


「さぁ!龍二!決着だ!」

「フッ!俺もシャウト効果が使えることを忘れるなよ!」

「おーい。他のヤツも計るんだからアホやってないで、さっさと投げろー」

「「はーい。」」


さぁ!見せてもらおう。龍二、貴様の実力とやらを!


「見てろ!純!  アアァァァ!!!」


ドンッ


「「ブフッ」」


龍二がめいいっぱい投げたボールはキレイに龍二の足元で記録を残して俺達は思わず笑ってしまった。



「天野ー。次投げろー。」

「…はい。」


何も触れない先生の優しさがさらに腹筋を刺激する。


「見てろ!純!!」

「なかったことにするなよ。」

「アアアアアアアァァァ!!!!!!」


心なしか先ほどよりも叫んでる気がする。さすがに今回はきちんと投げれて普通に結果を残せた。


って、けっこう飛んでね?


「えー、25mで6点な。」

「シャァァァァァァア!!!!」

「バカなぁアアアアアアアアア!!!!!!」

「……お前ら今日、うるせぇよ。」


全力出して疲れるし、なんか叫んで喉痛いし、おごりは確定するし、先生には呆れられて怒られるし。


ホントにヒドイ1日だった。

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