身体測定
身体測定。肉体的な成長を実感できる学生にとって一喜一憂するイベントだ。授業が減るという意味でもポイントが高い。
俺にとってもとても重要なイベントだ。
その理由はというと…
「人権が欲しい。助けてくれ。宗悟。龍二。」
俺は今だに人権に届いていないのである。
「あー、なんか聞いた事あるな。身長が170cmないとか言うよく分からんやつ。誰が言ったんだっけ?」
「知らんが…、たぶん織田信長だろ。」
「絶対違うだろ!俺でも分かるぞ、龍二。そもそもその時代の人って低い人ばっかだから。って、つーことは純は届いてないのか?」
「169.6cmだ。」
「いや、それもう「言わせねぇよ?」え。」
「どうせ、もう四捨五入で170だって言うんだろ!違うんだよ!俺は169.6なんだよ!」
「譲れないポイントなんだな。」
「そう!」
決して170とは言わない!そう、決してだ!!
たとえめちゃくちゃ美人なお姉さんに「純くん、身長いくつ?」って聞かれたとしても…
いや、絶対サバ読むな。なんなら「180です!」って大嘘こくわ。男の子は見栄っ張りなのだよ!
「ってか、人権とかアホらしいじゃん。女の人が、身長1mとか2mだったとしても特に何も思わんくない?」
「たしかに。」
「なんなら大きい人には抱っこしてみて欲しいかもしれんな。」
「龍二?求めるファンサがお相撲さんのそれなんだが?ま、だから気にすんなよ。純。」
「いや、人権うんぬんの是非はどうでもよくて。単純にあとちょっとだから身長が欲しい。」
「あー、なるほど。…ん?身長はどうしようもなくね?」
「いや、どうにかなるんだ。そのためにちょっと力を貸してくれ。」
まず、床に仰向けで横になります。次に両手をバンザーイと上に
Standby…OK…。
「さぁ!やれ!!」
「いや!どうしろと!?」
何故分からんのだ。これだからアホは。
と、どうやら龍二には伝わったらしく俺の両足を持ってくれた。
「宗悟は両手を持ってくれ。」
「あー、伸ばせってことな。」
そういうことだ。やろうとしてることは単純。
身長が足りないなら伸ばせばいいじゃない作戦!
と、いうことで2人にそのまま引っ張ってもらう。さすがに俺が地面に平行になるのは無理で腰が地面スレスレのくの字みたいな形だが十分十分。
あ~伸びる〜
「もっとのばしてくれ〜。」
「なんかハンモックみたいで楽しそうだな。後で俺にもやってくれ。」
「おー。」
フラフラ~
ん?なんで揺らす?
ユラユラ〜、ゴンッ! ぐぇっ!「「あ、すまん。」」
何故か二人して俺を揺らし…そして腰を机の足にぶつけた…。いってぇ…。
「なんで揺らすし…。」
「いや、こっちの方が伸びるかなと。」
「分からなくもないが、痛いよ…。もう降ろして〜。」
「おけー。「いや、待て。」…ん?どした?龍二。」
いや、降ろせ。そのまま話続けるんじゃねぇ。阿呆メガネに何も言わせずにおろせー!
「両手じゃ身長を伸ばすには効果が薄くはないか?」
「あー、たしかに。」
たしかにじゃねぇよ。十分だってば。コイツの提案は宗悟に比べてなんか怖いんだよ!
「だから持つべきは『腕』じゃなく、『頭』はどうだ?」
どうだ?じゃねぇよ!!殺す気か!?体重を首で支えられるわけないだろ!早くこの阿呆共を止めなければ!
「待っ! ガシッ「たしかに。」……!!!」
コイツ!?ホントに顎掴んできやがった!?やめろ!?喋れないだろ??!?
「いくぞー。」
いくな!?逝くぞ?!俺がっ!!
あああああアアアアアアアアアア!?
お前ら保健体育のテストの点数だけはいいんだから人体の構造は理解してるはずだろ!?まだ中間テストやってないから想像だけどな!?
まぁ、世の中の男子高校生は保健体育の点数良いからな。(偏見)
って、そんなこと考えてる場合じゃねぇ!
とりあえず首の筋肉をあらん限り込める。そして、宗悟の両腕を掴んでいるので、まだ耐えられる!
いける!まだ耐えられる!
「よし、振るぞ~?」「まず右な。」
君たち、数秒前のことを忘れるの??アホなの?
……阿呆だった!!
って、待て!?お前ら右っていったら!!
「「せーの、」」 グキッ 「「あ…。」」
!?!?!!!!?
「大丈夫か!?純!」
「すまん。まさかこうなるとは。」
とりあえず降ろされたがもう声も出せん…!いってぇ…。
このアホ共!互いに向かい合ってんだからそれぞれ右にやったらそれは俺の身体捻れるわ!!!
「……ハァ、ハァ。お前らとりあえず聞いていい?」
「「なに?」」
「…なんか、俺、すっげー首熱くてうまく正面に戻せないんだけど?どうなってる?」
「「…とりあえず伸びてるよ。」」
このアホ共ー!!!!
そう叫びたかったが、首が痛いので無理だった。
そして何故か身長測定では170cmちょうどだった。
なんでやねん。こちとら首正面にできてないんだぞ。
1番納得できないのはこうなった首の説明を測定担当の先生に言ったら、
「あほだね〜。」
と、言われたこと。いえ、絶対俺じゃないです!!
「あほだね〜」┐(´д`)┌




