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あほとアホと阿呆  作者: ホウ


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16/19

パシリ


拝啓、オカン。俺はあなたが最強だと思ってました。…それは勘違いだったみたいです。


「純くん?手を抜いてないでしっかり働きたまえ?」


…石川先輩が最凶です。


現在、俺は石川先輩に檻に入れられて仕事を強要されております。さながら獄中の刑務作業のようだ…。


外には警棒ほうきをもった看守(石川先輩)がいる。逃げられる気がしねぇ。いや、前回石川先輩への借りを返してる最中なので逃げないけども。


これで石川先輩が刑務官のコスプレでもしててくれたら喜んでパシられるんだが…、見た目は良いからなこの先輩。


…いや、やっぱダメだな。目が笑ってないのがアリアリと想像できる。目が大きいってそれだけで威圧感あるのに奥底の深淵が見えたら、それはもう魔眼の一種かのようにひれ伏すしかないのである。


今回のパシリ内容は学校敷地内の片隅にある元飼育小屋の掃除である。もう何年も動物などいないのだが、撤去するのも忘れ去られ、小屋だけ残って放置されていた。


そんな物を掃除しなくても誰も困らんと思うのだが、ありがたい生徒会の目安箱に見た目が悪い、汚れている、掃除しろ。と、ありがたいお言葉をいただいたらしい。


それで生徒会でもない俺が掃除することになるのはなんでや…。


そこまで広くはない小屋なので、今回龍二、宗悟はいない。


なんでだよ!一緒にやろうよ、刑務作業!(掃除)


ちなみに、あのあとの探偵いらなかったよね事件は「終わったと思う。」の報告を2人にして終わった。


2人も以後、その話もしないし、聞かないので勝手に問題はなしと判断した。


「また、手が止まっているよ、純くん。」

「イエス、マム。」


刑務官様は厳しい。1人だけ汚れにくい外の掃き掃除をしているのもズルい気がする。先輩制服やし。


中の掃除は埃やらで汚れるので俺はジャージである。この刑務作業が終わっても家に帰ったらこの汚れたジャージを魔王(母)に洗濯を頼まなくてはならない。なんて嫌なコンボなのだろう…。


頭の中で「連鎖ァ♪」の高めの声がイメージできる。あれなんのパズルゲームだったっけ…。


それにしても、頑固な汚れだ。全然落ちねぇ…。

思わず顔がしかめっ面にもなる。


「そんな不満そうな顔で掃除するなんていい度胸じゃないか。こちらはあのあと告白されたかと色々聞かれたんだよ?」

「その節はお世話になりました。」

「それともこの美少女と二人きりで掃除をしていることに何か不満が?」

「しいていうなら、檻の中が不満です。」


自分で美少女って言っちゃうんだよな。この先輩。それが嫌味に聞こえないのだから不思議なものである。


「仕方ないじゃないか。飼育小屋なんだから。」

「…それは飼育小屋の掃除なんだから中の掃除は必要だ。って意味ですよね?お前は飼育小屋の中が(動物として)ふさわしいって意味じゃないですよね?」

「それはさすがに深読みが過ぎだよ?君はどれだけ私の性格が悪いと思っているんだ。」

「…冗談です。」

「まったく…。」


いえ、正直に言うと割とありそうだと思ってました。

これは俺以外でも嫌味に聞こえるというか、皮肉に聞こえると思う。


なんでこの人、いい印象しか校内に広まってないの?中々に擬態できてないと思うんだけど。俺らだけなの?なにその特別扱い。正直いらん。


「…素朴な疑問なんですけど…必要あるんですか?」

「…何がだい?」

「先輩なら別に印象集めとか票集めとか要らないと思うんですけど。」


俺ら以外には擬態できてますし。なにせ美少女だ。何もしなくても生徒会長にはなりそうだが。


「…そうだね。もしかしたら何もしなくても生徒会長にはなれるかもね。けど、それじゃあ圧倒的に勝てない。」

「…え?絶対政治か何かをお望みで?」

「ホントに君が私をどう思ってるか分かりやすいね。別にいいけど。…生徒会選挙ってね。経験則だけど、生徒会の空気がギスギスするんだ。」

「……。」

「特に生徒会長の席を争えば、その当事者同士は仲が確実に悪くなるんだ。私は今の生徒会の仲のいい雰囲気が好きでね。それは表面的なだけなのかもしれないが…気に入っているんだ。」

「…だから、心象操作で先輩が生徒会長にふさわしいって空気を作ろうとしてるんですね。立候補しても勝ち目がないって思われるくらいに。」

「…そうかもね。」


色んなことに奉仕をし続け、それを人目に見せる。そうすることで、彼女は自分がいたい場所を、空気を守ろうとしているのかもしれない。


それはどれだけ努力がいるのだろう。どれだけの想いがあるのだろう。


「…なんか意外です。」

「アハハッ!素直に失礼だね。」


初めて素直な笑顔を見た気がした。いや、別に今までの笑顔が偽物っぽいとは思っていないが、今の笑顔が1番高校生らしい気がした。


「…俺も選挙の時は先輩に入れようかな。」

「フフッ。ありがとう。」


…あれ?なんかいつもの裏がありそうな笑みに戻ったんですけど?


「…ホントに生徒会内の仲いい雰囲気を守りたくてやってるんですよね?」

「ん?いや、単純に生徒会長になって受験とか楽したいとも思ってるよ。」


俺もう、この先輩のことよくわかんない。

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