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あほとアホと阿呆  作者: ホウ


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11/19

勉強会

怒られたら消そう(ー_ー)



入学して1ヶ月ちょっとすると1年生にとって初めての中間試験が行われる。受験勉強を乗り越えたばかりなのでテストの内容もそこまで変化がなく、平均点は高い傾向になるそうだ。


ようするに、そこまで必死こいて勉強する必要はない。


だが、テストとなると復習と称して先生方からありがたい課題が出される。今日はそんな課題をさっさと終わらせてしまおうと放課後、図書室でいつもの3人で集まっていた。


カリカリカリカリッ


ただ、プリントにペンを走らせる音が響く。テスト週間だが、今日は図書室を利用する生徒もそこまでいない。静かな環境で、課題もスイスイと…



進まない!あることが気になって全く進まない!



そう、原因は対面に座る龍二と宗悟である。2人は真面目にプリントを進めている。だが、めちゃくちゃ気になることがある。


その、文房具、なに!?


まず、龍二の筆箱。『ドラゴン』である。


さすが龍二。しびれるぜ。小学生時代に大人気だったカッコイイ筆箱。黒地の生地に金色の龍が睨みをきかせるめちゃくちゃカッコイイ筆箱。ぶっちゃけめちゃくちゃ欲しくなる。


ただ、高校生として使う勇気はない。けど、欲しい!だって男の子だもの。男の子はドラゴンとか銃とかカッコイイの大好きなのです。


そして宗悟。握っているのが『指』である。


いや、指のデザインのペンだ。けっこうリアルで気持ち悪い。指先の方にペン先があれば違和感はなかったかもしれないが、根元の方にペン先があるため、握っていると1本だけ指が逆になっているように見えてしまう。


思わず2度見したよ。どこで売ってるんだよそのペン。


「あ、悪い。龍二。消しゴム貸して。」

「ほい。」

「ありがと。」


そして龍二が取り出したのは年季の入った女の子向けのキャラが描かれたピンクの消しゴムだった。


なんでドラゴンの筆箱からプリキュアが出て来ちゃうんだよ。せめて世界観統一して。いや、筆箱の世界観ってなんだよって話なんだが。


てか、集中できないの俺だけ?なんで二人ともお互いにスルーなの?



いや、待て。もしや配慮なのか?人の好きこのんで使っているものを言及すべきではないということか?


まぁ、色々と配慮しなければいけない世の中だからな。人種的に混血の人をハーフと呼ぶべきではないとか。LGBTの人に配慮して彼女いる?彼氏いる?と下手に聞いちゃいけないだとか。


きっと知らないだけで下手に文房具をツッコんじゃいけないって配慮もあるんだろう。よし、そういうことにしとこう!



純は配慮ということで見て見ぬふりをすることに決めた。


そうと決まれば2人に気を取られて進まなかったプリントに意識を向ける。どこまでやったかとザッと見直してみれば集中できてないのがよく分かるほど字が乱れていた。


うわ、ひどい字。1回消すか。


そう考え、純は筆箱から消しゴムを取り出す。


「お、純。消しゴム可愛いじゃん。クマさんかw」

「以外と少女趣味なのか?」

「お前らだけには言われたくねぇ!」

「図書室ではお静かに。」

「あ、はい。すみません。」


純が取り出したのはクマが座った形をした黒い消しゴム。純がクマの形をできるだけ崩したくないとお尻の部分で消していると2人にツッコまれてしまった。


なんで2人共俺のくまゆる消しゴムは触れるのにお互いの気にしないんだよ。おかげで受付にいる図書委員のパイセン(男)に叱られたじゃねぇかよ!


理不尽な目にあい、純は思わず図書委員パイセンを抗議の目で見てしまう。図書委員は仕事をしているだけなのに。


…だが、純は気づいた。


ん?なんかパイセン…。本見てるようで、見てなくない?


パイセンはどう見ても文章を追っている目の動きではなかった。そう、とある1点を見つめていた。


…あれは!?気になっている。

本を開いているのに目が文章ではなく、めちゃくちゃ俺らの手元のテーブルに目がいっている!


そうだよね。気になるよね!

俺だけじゃなくてホントに良かった。サンキューパイセン。俺の心の平穏が保たれたよ。


お礼にパイセンが気になっているものを文房具の話題を出して情報をあげたいが…パイセンが気になっているのはどれだ?


龍二のドラゴンか?それとも宗悟の指か?


やはりここは…。


「宗悟。お前のペンどこに売ってんの?」


宗悟の指ペン!


「これか?面白いだろぉ。ネタ文房具って調べて通販で買ったぜ。しかも、ちゃんと関節動くんだぜ。」


くにくにっ


「そ、そうか。」


うわぁ…。どっちかってーとキモい…。パイセンこんなの欲しいの?


純がパイセンに目を向け顔を伺おうとしたが、パイセンはもう受付にいなかった。


あれ?パイセンは?


「…きみ。少しいいか?」

「うぉ!あ、はい。何ですか?」


パイセンは音もなく、いつの間にか純の後ろにいた。


こえーよ、パイセン…。いきなり無音で背後に立たないでよ。どんだけ気になったんだよ指ペン。


「その…文房具。」

「え?この指ペンですか?」

「いや、それじゃなくて…。」


何故か言いにくそうなパイセン。え?てか、ちがうの?


「その…。」

「「「?」」」


「く、くまきゅうバージョンの消しゴムはあるのか?」

「「?」」

「!!?…あります!」


パイセン、まさかの同士!!


純とパイセンは硬い硬い握手を交わし、龍二と宗悟はそれをポカンッとした顔で見ていた。


作者的には隠れたファンレターのつもりです。

ちなみに消しゴムはたぶんないです。あったら作者はダースで買います。

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