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25.勝利の代償、新たな脅威の種

漆黒の棘スライムは、その巨体を震わせるたびに、ダンジョン内の空気を重くした。アースは、警戒心を剥き出しにし、その異様なスライムから目を離せずにいた。


「……こいつは、一体……? ダンジョンコアが生み出したモンスターだというのに、まるで意思疎通ができない……」


アースは、スライムに話しかけようとしたが、その威圧感に圧倒され、言葉を失った。


その時、スライムがゆっくりと動き出した。その巨体からは想像もできないほどの速さで、アースに向かって突進してきたのだ。


「危ない!」


エミリーは、咄嗟にアースを庇い、前に飛び出した。しかし、スライムの速度は衰えることなく、エミリーに迫ってくる。


その瞬間、スライムヒーローが割って入り、スライムの突進を阻止した。


「アース様、エミリー様、お下がりください! このスライムは、危険です!」


スライムヒーローは、剣を構え、スライムに立ち向かった。しかし、スライムは、スライムヒーローを一瞥しただけで、再びアースに向かって動き出した。


「……なぜ、私を……?」


アースは、混乱しながらも、スライムを見つめ返した。その時、アースは、スライムの瞳に、かすかな歪みを感じた。


「……まさか、こいつは……ダンジョンコアの歪んだ意思の具現化……!?」


アースは、ある仮説を立てた。神聖騎士の空間操作によって、ダンジョンコアが影響を受け、その歪んだ意思が、このスライムとして具現化したのではないか、と。


もし、それが本当なら、このスライムは、アースにとって、最も危険な存在となるだろう。なぜなら、ダンジョンの所有者であるアース自身を、排除しようとする可能性があるからだ。


「……スライムヒーロー、エミリー、下がっていろ。このスライムは、俺が相手をする」


アースは、覚悟を決めた。自分の手で、この異質なスライムを倒さなければ、ダンジョンは、完全に崩壊してしまうかもしれない。


アースは、ダンジョンマスターの権限を使い、自らの魔力を最大限に高めた。そして、スライムに向かって、魔法を放った。


「【エレメンタルバースト】!」


アースの放った魔法は、炎、水、風、土の四つの属性が混ざり合った、強力な複合魔法だった。しかし、スライムは、その魔法をものともせず、体表の棘を逆立て、魔法を弾き飛ばした。


「……なんて硬さだ……! まるで、黒曜石のようだ……!」


アースは、驚愕した。自分の魔法が、全く通用しない。


スライムは、再びアースに突進してきた。その巨体が、アースを押し潰そうとする。


アースは、間一髪でスライムの攻撃を回避した。しかし、スライムの攻撃は、止まることを知らない。


「……くそっ、どうすれば……!」


アースは、絶体絶命の状況に追い込まれた。その時、アースの脳裏に、あるアイデアが浮かんだ。


「……そうだ、試してみる価値はある……!」


アースは、ダンジョンマスターの権限を使い、ダンジョン内の空間を操作した。そして、スライムの周囲に、無数のトラップを出現させた。


「……これで、どうだ……!」


アースは、トラップを起動させた。スライムは、次々と発動するトラップに翻弄され、動きを鈍らせた。


その隙をついて、アースは、スライムに接近し、ある魔法を唱えた。


「【マインドコントロール】!

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