表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/33

23.希望の糸、勝利の兆し

スライムスパイダーたちが戦場に加わったことで、状況は一気に五分五分の戦いとなった。彼らの巧妙な罠と素早い動きが、神聖騎士の動きを制限し始め、スライムヒーローと連携して攻撃する姿は、まるで一つの生き物が踊るかのようだった。


「やった! 攻撃が通じてる!」


エミリーは歓声を上げ、アースも心の中で希望の光を見出していた。しかし、戦況は依然として厳しい。両者とも消耗が激しく、力を振り絞る度に疲労が増していく。


「これでは、いつまで経っても決着がつかない……どうにかして、何か突破口を見つけなければ……!」


アースが焦れる中、マペット情報網からの通信が耳に届いた。


「アース様、マペットたちが神聖騎士のデータを収集しました。彼の弱点は、右肩の鎧の隙間と、聖剣を振るう際の動作の硬直です」


「右肩!? それが、彼の弱点なのか……!」


アースの目が輝いた。すぐにエミリーに伝える。


「エミリー、聖騎士の右肩の隙間が弱点らしい! そこを狙うんだ!」


エミリーは頷き、スライムヒーローとスライムスパイダーたちに意志を伝える。


「みんな、右肩の隙間を狙うよ! 一気に集中攻撃!」


スライムヒーローも、仲間たちを鼓舞した。


「今がチャンスだ! 我らの力を合わせ、敵を仕留めに行こう!」


そう宣言すると、スライムヒーローは全力で騎士に突撃した。スライムスパイダーたちも素早く周囲を回りながら、彼の動きをサポートする。


騎士は、その攻撃が迫ってくることに気づいた。しかし、彼の動作はすでに硬直し、回避や防御が間に合わなかった。


「何……!?」


スライムヒーローの剣が、騎士の右肩に命中した。漆黒の刃が鎧に深く食い込み、騎士は驚愕の表情を浮かべた。彼の体が一瞬、バランスを崩す。


「今だ、スライムたち!」


スライムたちは、一斉に攻撃を仕掛ける。スライムスパイダーの糸が騎士の足を絡め取り、動きを封じる。


騎士は絶望感を抱えながらも、最後の力を振り絞って聖剣を振るおうとしたが、すでに時は遅かった。


「ギャアアア!」


スライムヒーローが再び剣を振り下ろし、騎士の防御を貫通する。鎧を破り、肉体に傷を刻む。


「このダンジョンは、我らのものだ!」


スライムヒーローの声が高らかに響く。騎士は、敗北を悟り、膝をついた。


ちょうどその時、アースとエミリーも心からの安堵を感じていた。ダンジョンの守護者たちが、勝利を掴み取った瞬間だった。


「やった……! みんな、やったよ!」


エミリーは嬉し涙を浮かべ、アースも満足の笑みを浮かべた。


「スライムたち、お前たちの力は素晴らしい。これからも、このダンジョンを頼むぞ!」


戦いが終息を迎え、仲間たちに感謝を捧げる中、スライムヒーローは仲間たちの顔を見渡し、新たな絆を感じていた。


「これからも、共に戦っていこう。我らの絆が、さらなる力へと導く。必ず、次の敵も打ち破るのだ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ