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18.魔力結晶精製への道、スライム飯は魔石味?

神聖騎士崩れの若者との戦いで魔力を消耗し、ダンジョン維持の危機に瀕したアースは、スライムにモンスターを狩らせ、その死骸を食べさせることで魔力を得られることを発見した。


「……モンスターを倒させ、死骸を食べさせることで魔力は得られる。しかし、効率が悪い。それに、見た目が……。もっとスマートに魔力を集める方法はないか……?」


アースは、さらなる効率化と美観を求め、思案を重ねていた。


連日の狩りで、スライムたちは着実に力をつけていた。しかし、その食生活は決して効率的とは言えなかった。モンスターを丸ごと食べても、スライムたちが魔力として完全に吸収できるわけではない。未消化の骨や甲殻などが、「吸収できなかったもの」としてダンジョン内に残ってしまうのだ。


「……このままでは、ダンジョンが未消化物の山になってしまう……。それに、スライムたちが本当に満足しているのかも疑問だ……」


アースは、スライムたちの食生活を改善する必要性を感じていた。


そんな折、エミリーがアースに、少し顔をしかめながら話しかけた。


「……アース様、あの……スライムたちが残した、その……『吸収できなかったもの』、ですか? あれを調べるのは、少し気が引けるのですが……」


アースは苦笑しながら答えた。「エミリー、気持ちはわかるけど、あれはただの『吸収できなかったもの』だ。排泄物って言うほど汚いものじゃないんだから、安心してくれ」


エミリーは少し安心した様子で、「……わかりました。調べてみます。もしかしたら、何かヒントがあるかもしれません」


エミリーは、スライムたちが残した「吸収できなかったもの」を分析することにした。


数日後、エミリーが少し興奮した様子でアースの元へ駆け寄ってきた。


「……アース様!大変です!スライムたちが吸収できなかったものから、微量の魔力を検出しました!」


「……何だと!?吸収できなかったものに、まだ魔力が残っているのか!?」


アースは驚きを隠せなかった。


「……はい!そして、その魔力は、特定の触媒を使うことで結晶化できる可能性があることもわかりました!」


エミリーの報告を聞き、アースは閃いた。


「……スライムたちが吸収できなかったものに含まれる魔力を結晶化し、再利用すれば、魔力問題を解決できるかもしれない!」


アースは、スライムたちが吸収できなかったものから魔力を抽出、結晶化させる計画を立て、早速行動を開始した。


まず、スライムたちに指示を出し、ダンジョン内に散らばる「吸収できなかったもの」を集めさせた。集められた「吸収できなかったもの」は、アースの指示のもと、エミリーが調合した特殊な触媒と混ぜ合わされた。


そして、アースは、ダンジョンコアから魔力を供給し、「吸収できなかったもの」を圧縮、結晶化させる装置の設計に取り掛かった。SE時代の知識をフル活用し、数日後、ついに魔力結晶精製装置が完成した。


装置にスライムたちの「吸収できなかったもの」と触媒を投入し、魔力を供給すると、装置は淡い光を放ち始めた。そして、数時間後、装置から小さな魔力結晶が取り出された。


「……成功だ!スライムたちが吸収できなかったものから魔力結晶を作り出すことに成功した!」


アースは、小さな魔力結晶を手に取り、喜びを爆発させた。


精製された魔力結晶は、純粋な魔力こそ少ないものの、ダンジョン内の照明や、簡単なトラップの動力源として十分活用できるレベルだった。


「……これがあれば、モンスターを狩り続ける必要もなくなるかもしれない!」


アースは、早速、精製した魔力結晶をダンジョン内の照明に利用した。すると、薄暗かったダンジョンが、淡い光に包まれ、幻想的な雰囲気に変わった。


しかし、魔力結晶精製には、大量の「吸収できなかったもの」が必要となる。そのため、スライムたちには、今まで以上にモンスターを狩り、食べてもらう必要があった。


狩りの回数が増えるにつれ、スライムたちがモンスターを「選り好み」するようになってきたことにアースは気づいた。


「……スライムたちも、毎日同じ味では飽きてしまうのかもしれない……」


アースは、スライムたちの食生活を改善し、より効率的に魔力を吸収させるため、新たな施策を検討する必要性を感じていた。

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