17.情報こそ力、マペット諜報網の構築
神聖騎士団崩れの若者との戦いを終え、アースは改めて情報の重要性を痛感していた。敵の能力、弱点、そして動向を知ることは、勝利への鍵となる。これまでの戦いで、マペットの情報網がどれほど役立ったかは、言うまでもない。
「……もっと、情報を集めなければ。神聖騎士団のような強敵に対抗するには、情報網の強化が不可欠だ」
アースは決意し、ダンジョンコアに蓄えられた魔力を、情報収集のために使うことにした。ダンジョンコアには、現在1500魔力が蓄えられている。(余分すぎた分は空気中に流した。)
「マペットを、もっと増やすんだ。それこそが、今のダンジョンに必要な力だ」
アースは、1500魔力を全てマペットの生成に費やすことにした。
ダンジョンマスタールームに、魔力の奔流が渦巻く。そして、15体の新たなマペットが、次々と生み出された。
「……これで、合計16体のマペットか。これだけいれば、かなりの情報を集められるはずだ」
アースは、新しく生まれたマペットたちに、指示を与えた。
「お前たちは、それぞれ異なる場所に散らばり、諜報活動を行う。人里に潜伏し、冒険者ギルドの情報を探れ。神聖騎士団の動向を監視しろ。そして、ダンジョンに近づく不審者を警戒しろ」
マペットたちは、アースの命令に従い、それぞれの任務へと出発していった。
その様子を、エミリーは優しい眼差しで見守っていた。
「アース……! すごいね。こんなにたくさんのマペットを、一度に生み出すなんて……!」
「……これも、エミリーのおかげだ。エミリーが、いつもダンジョンを支えてくれているから、俺は安心して、こうしてダンジョンを強化できる」
アースは、エミリーに感謝の言葉を述べた。
「……ううん。私は、ただ、アースの役に立ちたいだけだよ」
エミリーは、照れ臭そうに微笑んだ。
「……エミリー。これからも、一緒に、このダンジョンを守っていこう」
「……うん! もちろん!」
アースとエミリーは、互いに顔を見合わせ、微笑んだ。二人の間には、確かな信頼関係が築かれていた。
マペットたちは、それぞれの場所に散らばり、諜報活動を開始した。
あるマペットは、人里に潜伏し、冒険者ギルドの情報を探り始めた。冒険者たちの会話に耳を傾け、ギルドの依頼内容、冒険者のレベル、そして、ダンジョンの噂などを収集した。
また、別のマペットは、神聖騎士団の動向を監視するため、ホーリー神聖統一国家の周辺地域に潜伏した。騎士団の規模、戦力、そして、ダンジョンに対する警戒度などを探った。
そして、さらに別のマペットは、ダンジョンに近づく不審者を警戒するため、ダンジョン周辺の森に潜伏した。怪しい人物がいないか、不審な動きをする者がいないか、目を光らせた。
マペットたちの諜報活動は、着々と成果を上げ始めた。様々な情報が、アースの元に届けられ、アースは、それらの情報を分析し、今後のダンジョン運営に役立てていった。
「……マペットたちの情報のおかげで、ダンジョンの状況が、手に取るようにわかる。これなら、どんな敵が来ても、対応できるはずだ」
アースは、マペットたちの活躍に、満足していた。しかし、アースは、気を緩めることはなかった。
「……まだまだ、情報が足りない。もっと、深く、正確な情報を集めなければ……!」
アースは、マペットたちに、さらなる諜報活動を指示した。
そして、アースは、エミリーと共に、ダンジョンのさらなる発展を目指すことを誓った。