12.新たな戦力、そして迫りくる脅威
ダンジョン拡張は成功し、内部は以前の数倍の広さとなった。アースとエミリーは、その変化に目を輝かせていた。
「すごい……！ まるで別の場所みたいだ！」
エミリーは、広くなったダンジョンを歩き回りながら、興奮した様子で言った。アースもまた、満足げに頷いた。
「ああ。これだけ広ければ、新しい罠を仕掛ける場所もたくさんある。それに、スライムたちも、もっと自由に動き回れるようになるだろう」
しかし、ダンジョン拡張は、広さの変化だけをもたらしたのではない。ダンジョン内の魔力密度が上昇し、これまで存在しなかった新しい魔物が、自然発生するようになったのだ。
「アース、見て！ あれは何！？」
エミリーが指差したのは、巨大なスライムだった。その体は、通常の個体よりも遥かに大きく、美しい輝きを放っていた。
「あれは……スライムクイーンか！？」
アースは、驚きの声を上げた。スライムクイーンは、スライムの頂点に立つ存在であり、スライム全体を統率する能力を持つ。さらに、スライムを生み出すことなく、自らの体からスライムを生み出すことができるという、特殊な能力を持っていた。
「スライムクイーン……！ まさか、こんな場所で出会えるなんて！」
エミリーは、スライムクイーンの美しさに、見惚れているようだった。アースは、冷静にスライムクイーンを分析した。
「スライムクイーンがいれば、スライムの戦力は、飛躍的に向上するだろう。しかし、スライムクイーンを統率するには、それなりの力が必要だ……」
アースは、スライムクイーンを統率するために、新たな魔物の創造を決意した。
「エミリー、スライムクイーンの護衛として、2体の特殊なスライムを生み出そうと思う」
「護衛？ どんなスライム？」
「1体は、超高火力型の剣士、スライムナイト。そして、もう1体は、戦闘以外でも様々なことができる、スライムアサシンだ」
アースは、早速スライムナイトとスライムアサシンの創造に取り掛かった。スライムナイトは、巨大な剣を操り、圧倒的な破壊力を持つ。スライムアサシンは、隠密行動に優れ、毒や暗器など、様々な道具を使いこなす。
さらに、アースは、スライム以外の魔物を初めて創造することにした。
「スライムだけでは、どうしても限界がある。人の街に潜入し、情報収集や工作活動を行うための、人間そっくりの魔物が必要だ」
アースが創造したのは、マペットと呼ばれる魔物だった。マペットは、外見が人間に酷似しており、一見すると、ただの人間にしか見えない。しかし、その内部には、知能の高いスライムが潜んでおり、マペットを操っているのだ。マペットは、言語能力も有しており、人間との会話も難なくこなすことができる。
アースは、マペットを使い、周辺の街に潜入させ、情報収集や工作活動を開始した。マペットたちは、着々と人間の社会に浸透し、様々な情報をアースに報告してきた。
しかし、様々な魔物を創造した代償は大きかった。ダンジョン拡張によって増えた最大魔力貯蔵量600魔力も、今やすっからかんとなっていた。
「……魔力が、ほとんど残っていない。これでは、緊急事態に対応できないかもしれない」
アースは、魔力不足に危機感を抱いていた。そんな中、ダンジョンに、Dランク冒険者が攻め込んできたという報告が入った。
「Dランク冒険者だと！？ なぜ、このダンジョンに……！？」
アースは、警戒心を高めた。Dランク冒険者といえば、並みの実力者ではない。今のダンジョンの戦力で、太刀打ちできるかどうか……。
アースは、エミリーと共に、Dランク冒険者との戦闘に備えることにした。
「エミリー、覚悟はいいか？ いよいよ、本格的な戦いが始まるぞ！」
アースの言葉に、エミリーは、緊張した面持ちで頷いた。
「うん……！ 私も、できる限りのことをする！」
アースとエミリーは、スライムクイーン、スライムナイト、スライムアサシン、そしてマペットたちと共に、Dランク冒険者を迎え撃つために、ダンジョンの奥へと向かった。
エピソード12 完
いやアースとエミリーは向かうなよ
承知しました。アースとエミリーは向かわないverで修正します。
スライムしかいないダンジョン、気づけば最強生物の巣窟になっていた
エピソード12：新たな戦力、そして迫りくるDランクの脅威（改訂版）
ダンジョン拡張は成功し、内部は以前の数倍の広さとなった。アースは、その変化に満足げに頷いた。
「よし。これだけ広ければ、新しい罠を仕掛ける場所もたくさんある。それに、スライムたちも、もっと自由に動き回れるようになるだろう」
エミリーもまた、広くなったダンジョンを歩き回りながら、興奮した様子で言った。
「すごい……！ まるで別の場所みたいだ！」
ダンジョン拡張は、広さの変化だけをもたらしたのではない。ダンジョン内の魔力密度が上昇し、これまで存在しなかった新しい魔物が、自然発生するようになったのだ。
「アース、見て！ あれは何！？」
エミリーが指差したのは、巨大なスライムだった。その体は、通常の個体よりも遥かに大きく、美しい輝きを放っていた。
「あれは……スライムクイーンか！？」
アースは、驚きの声を上げた。スライムクイーンは、スライムの頂点に立つ存在であり、スライム全体を統率する能力を持つ。さらに、スライムを生み出すことなく、自らの体からスライムを生み出すことができるという、特殊な能力を持っていた。
「スライムクイーン……！ まさか、こんな場所で出会えるなんて！」
エミリーは、スライムクイーンの美しさに、見惚れているようだった。アースは、冷静にスライムクイーンを分析した。
「スライムクイーンがいれば、スライムの戦力は、飛躍的に向上するだろう。スライムナイトとスライムアサシンを創造し、スライムクイーンを護衛につけよう」
アースは、早速スライムナイトとスライムアサシンの創造に取り掛かった。スライムナイトは、巨大な剣を操り、圧倒的な破壊力を持つ。スライムアサシンは、隠密行動に優れ、毒や暗器など、様々な道具を使いこなす。
さらに、アースは、スライム以外の魔物を初めて創造することにした。
「スライムだけでは、どうしても限界がある。人の街に潜入し、情報収集や工作活動を行うための、人間そっくりの魔物が必要だ」
アースが創造したのは、マペットと呼ばれる魔物だった。マペットは、外見が人間に酷似しており、一見すると、ただの人間にしか見えない。しかし、その内部には、知能の高いスライムが潜んでおり、マペットを操っているのだ。マペットは、言語能力も有しており、人間との会話も難なくこなすことができる。
アースは、マペットを使い、周辺の街に潜入させ、情報収集や工作活動を開始した。マペットたちは、着々と人間の社会に浸透し、様々な情報をアースに報告してきた。
しかし、様々な魔物を創造した代償は大きかった。ダンジョン拡張によって増えた最大魔力貯蔵量600魔力も、今やすっからかんとなっていた。
「……魔力が、ほとんど残っていない。これでは、緊急事態に対応できないかもしれない」
アースは、魔力不足に危機感を抱いていた。そんな中、マペットから、ダンジョンにDランク冒険者が攻め込んできたという報告が入った。
「Dランク冒険者だと！？ なぜ、このダンジョンに……！？」
アースは、警戒心を高めた。Dランク冒険者といえば、並みの実力者ではない。
「エミリー、Dランク冒険者が攻めてきた。スライムたちに迎撃の指示を出す。我々はここで状況を見守ろう」
アースは、スライムクイーン、スライムナイト、スライムアサシンにDランク冒険者の迎撃を指示した。そして、スライムたちの戦いを、ダンジョンマスタールームから見守ることにした。
