冒険に向けて
僕は途方に暮れながらもとりあえずつける役職があるかどうか聞いた。
「大体厨二病以外は冒険に出ないから、あまりこれといった役職ないのよね。とりあえず勇者になって剣術を磨くしかないわね。それか自分の内に秘めた厨二病を開花させるかね。」
自分の内に多分厨二病は秘めていない。知らんけど。
「とりあえず、勇者ってどんな感じなんですか?」
「勇者はね、そこらへんに湧くモンスターを倒す役割を果たしているわ。勇者とは言っているけどほぼ討伐オンリーって感じね。あとは厨二病が生まれる前に魔王討伐の旅に出てた人もいたらしいわ。その人は強かったらしいけど魔王にやられちゃったみたい。」
「勇者怖いっすね。」
「怯えてるけどこれ以外の役職はもうないわ。ほぼ一択と言ったところかしら。」
僕は諦めて勇者になることにした。
「じゃあ蓮は勇者ね。次は海あなたはかなりの厨二病だから、魔法使いになったらどうかしら。海は7種の内なにかしらの力を持っていると思うわ。」
「俺が...力を...なります!魔法使いになります!」
「わかったわ。あとひとつ気になったんだけど、海は今後自分のことを俺って言わないでね。今度からは私と言うようにしなさい。」
「わ、わかりました。」
「よし、役職決めたからあとは役職証を発行するだけね。」
役職証とはなんの役職についているか一目でわかるようになっているものである。
「登録名を決めるわね。この世には向こうの漢字が存在しないから全てカタカナにしないと。石山海はストーンマウンテンシーでいいかしら。」
ストーンマウンテンシー?あまりにもそのまんますぎやしませんかね?
「大島蓮はビックアイランド...ビックアイランド...蓮...蓮ってどうやって訳すんだ?」
俺の名前で困ってんじゃねぇよ。流石にダサすぎるな。こんな登録名になったら、自分の名前を名乗ることやめるわ。
「普通にウミとレンじゃだめなんですかね」
「もうそれでいいわ」
めんどくさくなってやがる。大丈夫かこの人。こっちが偽物じゃねぇのか?
〜ちょっとして〜
「はい、発行できたわ。これで冒険ができるわよ。あとこれも渡しておくわ」
「なんですかこれ」
「ステータス表よ。自分のスキルや能力などを数値化して見れるのよ。」
「なるほど」
だから5/100って書いてあるんだな。
どんなもんかはわからないけど俺弱くね?
「海。能力値いくつ?」
「私?(さっき指摘されたので直した)25/100だけど。」
まだなにもしてないのに海強くね?
明らかに差のある能力値どうする蓮!なぜ強いの海!