光を失った村
「光を失った村ってどういうことですか?」
僕は前のめりになって聞いた。するとこの街に何があったかを語り始めた。
「ちょうど3ヶ月前くらいに魔王の軍団...なんて名前だっけ?」
「騎士秩序?」
「そうそうそれ。ダサいよね。」
「ダサいよね」
「あ、脱線しちゃった。話戻すね。昔はこの村は裕福な人がたくさんいたんだ。なぜかというと、この村ではワシガ、別名黄金の光る果実が採れた村だったんだ。この村の名前もワシガがよく取れる村だからという理由で名付けられたんだ。でこのワシガは貴重な果実で、採れる場所が少ないんだ。だからこの村はワシガで経済が潤っていて、かなり栄えてたんだけど、ここ最近、黄金の果実が何者かに盗まれたり、謎理由で育ちにくくなったりしたせいで、経済が回らず村の人がどんどん貧しくなってしまったんだ。光る果実とお金を失ったから、この村は光を失った街と呼ばれるようになった。で、案の定村に勢いがなくなり、騎士秩序がこの街を襲ったんだ。我々、村人も抵抗できなぬて、あっけなく占拠されちゃった。あの豪華な奥の建物あるじゃん。あそこで今も騎士秩序の奴らが占拠してるんだ。あの建物は村長の家なんだよ。豪華だよね。なんであそこまでお金を持ってるかは知らないけどね。この話を人前でしようとすると、やめておけって取られちゃうんだけどね。」
何か裏がありそうな話だな。村の人はみんな貧しいのに、村長だけ裕福なのはおかしい。騎士秩序をこの村から救い、村長の謎も突き詰めて見せる。
「そういえば名前言ってなかったよね。僕はウィンディ。この村を愛す、18歳さ。」
18だったのか。そうとは思えない体の大きさをしてるけど。
「僕は蓮。一応勇者だよ。」
「私は海。一応魔法使い。」
「へぇ。君たちは勇者パーティーなんだね。もしよかったらさ、僕も仲間に入れてくれない。僕はワシガ村を救いたいんだ。あと2人だと心許ないでしょ。僕1人は寂しいし。」
これってウィンディが仲間になりたそうにこちらをみている的なやつ?確かに3人いれば心強いが。
「蓮!仲間だってさ。いいんじゃない入れても。」
海は乗り気みたいだ。
「じゃあ仲間になろう。」
僕たちはウィンディを迎え入れることにした。
新しい仲間ウィンディ。これからどんな冒険になるか乞うご期待。




