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君よ君のままで2

ユリウスがアルダさんにもらったブレスレットは探知機のようなものらしく、クレオさんが一目散に私たちのところに駆けつけてくれた。…傘さしながら。


「ユキ様、お見事でございました。」


ギャーギャーと原始鳥が飛び交う中、下に落ちてる糞を避け避けこちらに向かう姿は雨降りに傘を忘れた娘を迎えにきたお父さんのようだ。


「いえ、クワタンとイモムーのおかげです!」


ユリウスに殺されないようにクワタンをアピールしとかないと!


「姫さん、捕まった獣族を助けないといけないぜ!」


あれ、殊勝なこと言うじゃないですか!生まれ変わっちゃったんですか?クワタンってば!


「それは、もうこちらで助けることができました。ウーゴ様もご無事ですよ?あちらに…」


クレオさんがにっこり指を指した。こちらに気づいたウーゴさんが手を振っている。


「……。話が違うぜ、姫さん!つぶらな瞳のもち肌巨乳美人っていったじゃないか!」


解放された人たちを見てクワタンが唸る


え?


「……美人なんて言ってませんけど?」


「だ、騙したな!」


なんかデジャブです。そのお言葉…。


「あれは黒目の大きい色白のひゃっかんデブのハゲ親父っていうんだ!!」


視点を変えればそうとも言いますね。


くそ~!と言いながらクワタンはそのちいさな瞳に涙を浮かべて飛んでいってしまった。

…なんだか主従関係上手く行きかけてたのに…。クワタンの並々ならぬやる気はご褒美効果だったのか…。


ま、取り敢えずなんとか城から脱出できたようです。ふう~。


クレオさんに後処理を頼み、さあ、獣王の城に帰ろうかと森へと足を踏み入れたとき、愁子ちゃんに呼び止められた。


「ユキ!」


なんですか?ユリウス猫をはやく連れて帰りたいんですが!


「あの、あのな…。」


下を向いてもじもじする愁子ちゃん…気持ち悪いです。


そのとき私と愁子ちゃんの間に一陣の風が吹いた。


いやな予感がして後ろを振り向くとそこには5歳くらいの子供がいた。


こんな小さな子がどうしてここに?


そう思ったけど、その子の肩は原始鳥の糞とイモムーの紫色の体液で汚れていた…


違和感に体が後ずさった。


「ジリルだ!」


ユリウスが叫んだ!


子供は一瞬の間を置いて爪と言うよりは何本も大きな刃物のついた小さな手を出して向かってきた。




ズバッ



き、切られた!?


何かが引き裂かれる音がした。

思わず目をつぶってしまった私がおそるおそる目を開ける。


目の前には制服の前面を切り裂かれた愁子ちゃんがいた。

そうか!私は上下パジャマで愁子ちゃんは制服…間違えたんだ!



ポト…。



愁子ちゃんの胸から何かが落ちる…。



ポト、ポト…。



次々と落ちてきたのは…



1…… 3… 4…… 



豊胸パッド???



両胸計8枚!じゃじゃーん。



いくら何でも入れすぎだろう!



(ユリウスと比べると)ずいぶん貧相な体を曝した愁子ちゃんを見てジリルが舌打ちした。



「くそっ!替え玉だったのか!」



…そうきたか!そう思った瞬間、

悔しそうに歪んだジリルの顔が次の瞬間苦痛で歪む。



…いつの間にか光る剣を出していた愁子ちゃんがジリルの胸をひと突きにしていた…。



そのままジリルは倒れ落ちて…



二度と起き上がることは無かった。



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