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君よ君のままで1

いよいよ最終話です。

どのくらい経ったのだろう。

暗い牢獄の中は時間の感覚が全くなかった。半日以上は経過したように思えたがここを訪れるものはまだいない。ユリウスが瀕死のままだと信じて疑っていないのだろう。


随分回復したのかユリウスは壁にもたれて座っている。…が多分座っているのがやっとだ。

私は時々やってくる濃厚なキスに身悶えながら膝の上に乗せられ恒例になってきた頭ナゼナゼ…。


…愁子ちゃんがチラ見するのにもこの際ちょっと慣れたかもな感じです。



「次にジリルが来たら私の魔力を放出する。いくら結界石の結界でも破裂するだろう。…シュウ、後は頼む。」


「駄目です!そんなことしたら陛下の身体がもちません」


「今、ユキが見つかればユキの身体にはジリルの母親が入り、私の心臓はつぶされるか善からぬことに使われるだろう。…獣族大量虐殺の歴史を繰り返してはならん。」


ポンポンと私の頭を軽くユリウスが撫ぜるように叩いた。


「やはりあの女は生きていたのですね?」


「ジリルが己の胸に貼り付けていた…。執念としか思えん。心臓を狙え。シュウ、お前の力では一撃でなければ倒せんぞ。」


愁子ちゃんが頷いた。


い、言わなきゃ!


「あの、クワタンに言ってクレオさんに時間稼ぎしてもらってるんです。上手くいけば…結界が破られるはずです。」


私の言葉に2人が驚いた顔をした。


…訂正。愁子ちゃんは「はあ?」な顔です。


「おい、意味がわかって言ってるのか?」


そう、愁子ちゃんが言ったとき




ドゴン!




轟音とともに城が揺れた。


「な、何が…。」


パラパラと天井から細かい石が落ちてきた。


ここ、危なくないかな?





誰か呼んでる?




…さ…ま…




「姫様~!!!」



こ、この声はイモムー!!(人型)!!



鉄色の鍵をかざしながらクワタンを胸に付けたイモムーが銀色の髪をなびかせて走ってきた。

なんだか頬は上気して唇は艶っぽく桜色だ。お肌もつやつやしているような…。


「今、開けますからね!」


「助けに来てくれたってことは上手くいったんですね?」


「姫様のため…と、いいますか…ちょっと頑張っちゃいました(ハート)」


「ごめんね」


「いいんですよ、姫様。」


私とイモムーの会話を心なしかクワタンが乾いた声で笑っていた。


「さあ、皆さん1本ずつ有りますからどうぞ。」


傘をさしだしたイモムーに後ろの二人が固まっていた。

ユリウスがこいつは誰だと目で私に聞いている。


「この子は私の心の友、イモムーちゃんです!」


あ、久しぶりに見ました!ユリウスのびっくり顔!

予想外に愁子ちゃんはあまり驚いていないようです。下を向いてしまいました。つまんないなぁ。


仕方ないので「銀髪君のブーツ食べて進化してしまったんですよ。初めて見た人に似せて人型になったそうです。」とユリウスに耳打ちしてあげました。「おお。」としかいえないほどビックリしてましたが。



「さ、急ぎましょう。」


「クワタン、ユリウスを黒猫ちゃんに!」


「了解!」


このままでは運びにくいのでユリウスには猫ちゃんで我慢してもらいます!

黒猫になったユリウスを胸に抱いて、いざ!


「脱出です!」


傘を差しながら上へと通じる階段をクワタンに先導されながら上へと。


辺りが明るくなってきました。



ドゴン!



2回目の音が城に轟き城の上部へとたどり着いた私たちが見たものは…





城の屋根を食い散らすダダ(イモムー)の



群れ、群れ、群れ…



バリバリ、ガサガサ、バリバリ、ガサガサ…



それを上空から狙い、つつき回す原始鳥の



群れ、群れ、群れ…



ギャア、ギャア、ギャア、ギャア、ギャア、ギャア…



……



隊長!!何千匹といるんじゃないかと思われます!(敬礼)


城の屋根は無くなっているのに上空の鳥の群れで真っ黒け。鳥の声とイモムーが城を食べる音がもの凄い騒音となっている。


ボタボタと落ちてくるイモムーの紫色の体液と原始鳥の糞を傘で避けながら城の外へと脱出です!


「思ってたよりすごい繁殖力です!圧巻です!」


興奮のあまり傘から出てしまいそうです!イモムー万歳!!

これだけの爆発的繁殖力ならやはりペアで飼うのはあきらめないといけません。ハア、ハア。




「なんじゃ、これ~~~~~~!!!」


後ろでは傘からはみ出さないようにヒイヒイ言ってる銀髪君が…。



「近くにいたペアも何匹か連れてきたしな…。」


「グッジョブ!クワタン!」


親指つきだしてクワタンと二カッと笑いあった。


「…イモムーせめてあなたの旦那様は連れて帰ろう?」


みんなを助けるためとは言え、自分の卵を犠牲にさせちゃった悪い飼い主です…ごめんね、イモムー。


前を歩くイモムーが振り返って…にっこり。


「…夫は……食べちゃいました(ハート)。」


ペロッと舌をかわいく出してます…。




「そういう習性の虫なんだよ、ダダは!」


吐き捨てるようにクワタンが言った。



そ、そうなんだ…。カマキリみたいです…ハハハ。

クワタン(男の人)の敵ですね…。



でも今はザッツ虫思考万歳です!



後家蜘蛛もそうだったでしょうか?確か名前の由来だったように思います…。

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