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ナイト決定1


目の前ではモノスゴイ戦いが繰り広げられていた。

格闘技なんて良くわからないけど、この熱気と迫力で目が逸らせない。


「あの、黒豹すげえ!」


隣で見ていたハイエナくんも200人はいるかと思われる観衆も大盛り上がりだ。

獣族の人は血の気溢れる行事ごとが好きなようだ。



ワーッ!

闘技場に歓声が沸く。



「ウーゴ様のパンチが入ったか!?ア~~~~ッ!おしい!黒豹かわした!!」


ウーゴさんがあの巨体で信じられないほど俊敏に動く。

黒豹さんも負けていない。力はウーゴさんの方が勝ってそうなのだが黒豹さんの動きはしなやかで、先程からウーゴさんが繰り出すパンチを寸でのところでかわしている。



「黒豹の回し蹴り入るか~~~!!ウーゴ様かわした!すげえ!」



後ろからウーゴさんに押さえられた黒豹さんが地面を蹴り上げてそのままウーゴさんの後ろにジャンプした!ウーゴさんが後ろを取られまいと振り向いた瞬間、



ドカッ!



ウーゴさんの横っ腹に強烈な一撃が入った。



ドスン…


土煙と共にウーゴさんが倒れる。



ワーーー


ワーーーーー!!!!!



観衆の興奮が頂点に達したように思えた。


隣で興奮状態のハイエナくんが何か叫んでいたけど、私には聞こえなかった。


負傷しているのであろう黒豹さんはヨロヨロと、しかし、しっかりと私を見てこちらにやってくる。


黒く美しい獣は獲物を狙うように視線をはずさない。




ベシャ!



目の前のピンクの果物がつぶされる…



オオーーッ!!!



また一層歓声が大きく聞こえた。


一連の黒豹さんの動作に魅了されていた私の意識が戻ると目の前には


最後に残ったピンクの果物を差し出す黒豹さんが…



はっ!


アレは駄目だ!絶対うけとっちゃ駄目!


ヒシヒシと観衆が私が受け取るのを当たり前だと見つめているのがわかる…


守ってもらうのとコレとは別!!!


けど…


どうしよう…この場は受け取って後であやまる???


イヤ、イヤ、それは後々失礼だろう…。


ここは視線が痛いけど「ごめんなさい」しよう!


と、私が頭を下げようと思った瞬間、


ポイッ


とピンクの果物が私の胸をめがけて投げられた…


投げられたら…



オットット…と



反射的に当然受け取っちゃう訳で…



え、



ええ~~~~~!!!!!!



その瞬間、今日一番に闘技場を轟かす歓声が沸いた…




ゆきはご臨終です…



チ~ン





もちろん、ゆきちゃんピンチです。がんばれ~。

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