君の名は
優しげに私の頬の涙をぬぐう…銀髪クン…
…ありえん…
あ・り・え・な~~~~~~い!!!!!
あれ、よく見たら白いワンピースに…胸がある…。
なに?銀髪クンは双子だったの??????
「あ、あなた、誰!?」
彼の人はニッコリと笑う…私の隣に座りながら…。
「私はユキの…」
ユキの?
「イモムーです。」
にっこり。
え、えええ~~~!!!!!
「はじめてみた人に似せて人型になりました。姫様が泣いているのをお慰めしたくて。」
慌ててイモムーの壷を覗いてみる。当然…いないよ、オイ。
…はじめてって…銀髪クンが捕まえてベットに置いたのか、なるほど…。
「私は姫様が大好きで仕方ありません。そんな姫様が昨日から泣いてばかりで…。私に何か出来ないかと頑張ってみたのです。」
…かんばっちゃったんですか。
聞いてない、聞いてないよ~~~!!!!!びっくり。
ちなみに…
「その姿しか無理ですか?」
「すいません。精一杯で…。」
取りあえずは涙が止まりました…。ありがとう、イモムー。
あ~ビックリした。
イモムー人型は一緒に寝るといってくれたけど、見た目はやっぱりアレなので丁重にお断りした。
それでも何か出来ないかと(あの顔で)粘るので夜に女の子同士で内緒話するって約束して壷の中に帰ってもらった。
…あ~元の姿に戻ってくれてよかった!
その後、夜遊び不良クワガタが帰ってきたのでイモムーは変身出来るのか聞いてみた…
「ダダはただの虫だぜ?そんな話聞いたことねえ。変なもん食わせたんじゃないのか?」
…
変なもの…
あの、ブーツかな????
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その日は朝から騒々しい声が聞こえた。
なんだろ?何かあるのかな?
昼食を終えた私はイモムー(虫型)に餌をやって、ひと休み。
クワタンは魔力を使わないときは血も欲しがらない。
ドンドン、
…ここの人はドアを叩く音もワイルド。ふう~。
ドアを開けて入ってきたのはボロボロになったハイエナくん…どっちかはわからない。
なに?敵襲!?
「どうかしたんですか!!」
「は、早く、来て!」
促されてやってきたのは砂埃の舞う闘技場!??????
目の前に屈強な男たちが物凄い形相で戦っている。
「ここに、座って!」
言われるがまま、座ったのは天幕下の赤いベルベットの豪華な椅子。
目の前にはずらっと並んだピンクの果物…
なにか、嫌~な予感がしますが…。
「これ、何の騒ぎですか!?」
「ユキちゃんのナイトを決めるトーナメントだよ?一番強い奴がなれるんだ!俺も頑張ったんだけど、負けちゃってさ~!!くっそ~!」
ああ、身柄確保ってやつ?確かにアルダさんも『一番強いものをつける』とは言ってくれていたけど。
「そろそろ4人ぐらいに絞れるからユキちゃん呼んでこいってウーゴ様が。」
「あれ、ウーゴさんは?」
「あそこですよ?」
ハイエナくんが当然のように指を差したその先には思いっきり戦ってるウーゴさんが…
ウーゴさんは突入部隊ちゃうんかい!
…ひとり突っ込みしてしまった。
「勝負ついたみたいだね。やっぱりウーゴ様強いや…!あれ、もう一人は見ない顔だな。」
勝負がついて勝ったとみられる二人が天幕の下にやってくる。ひとりはウーゴさんだ。
「ユキ、楽・しみにし・てろ」
私の顔を見ながらウーゴさんは二カッと笑って目の前のピンクの果物をこぶしでつぶした。
べシャッ
そういえば目の前の果物はほとんどつぶれている。
ガルル…
もっとも獣らしい低い唸り声がして目の前が真っ黒になった。
いや、真っ黒のものが目の前にいた。
黒豹…。
顔は豹。身体は人間の形をしている。鍛えられた上半身は黒い毛並みに包まれビロードのようにうつくしい。カーキ色のアーミーパンツが良く似合っていた。
ちらりとこちらを見て漆黒の瞳が私を捉える。
ベシャッ
黒豹さんがウーゴさんと同じように拳で果物をつぶした。
私の前にはつぶれていない2つのピンク色の果物…。
いやいや、考えすぎだろう…。
「珍しいなあ~。半獣だ!どうりで見かけないはず。そんな人呼び寄せるなんてユキちゃんすごいな~~!」
「半獣?」
「あ、獣族でも獣により近い姿の人のことだよ。身体能力や魔力がずば抜けたりするんだけど、見た目で嫌がれることも多いから普段は出てこない人が多いんだよ…ほら、アルダ様も…」
ほわ~。なんだか凄いんだな。
「しっかし久しぶりだよ~!こんなにみんな盛り上がって戦うのは!なかなか無いよ~こんな魅力的な娘出てこないもんねぇ。」
ブルッ
い、今、悪寒が…。
「も、もしや勝者は…」
「もちろん!君の夫になるんだよ!良かったね!」
ああ、みなまで言うな!ハイエナくん!!!!!!
優勝商品ゆきちゃんです(笑)