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勝者の思惑1



「その手を離せ」


ユリウスの地獄のような低い声が部屋中に響く。


私を盾のようにした形で妖しい金髪天使の手に力がこもる。

イタイし、こわいよう。


バリン!


ユリウスの怒りに耐えかねたように窓ガラスが割れる。


「まったく、イカレてるぜ!!」


ドン、と前に突き出されて開放される。よれよれと転びそうになった身体を支えてくれたのは怒りまくりのユリウスで… こわいよう!

片腕で私を抱えながらユリウスは動かない。背後で金髪クンがどうなってるのなんか、今の私が心配できる余裕も無く…



ドゴン!



今度は何かが崩れる音がした。同時に粉塵が上がる。



げほ。



バタバタと廊下側から何人かの足音が聞こえた。涙目でわずかに見上げるとクレオさんが飛びこんできた。


「陛下!」


クレオさんは青白い炎のような大きな剣を前に突き出す形で持つとユリウスを庇うように身体を滑り込ませた。


「クレオ、もういい。」


「いったい何が…。」


「結界石の修復を早めるようにサモンに言え。厄介な奴等が動き出したようだ。」


「まさか、トノモスが?」


「ユキに興味があるようだ。」


そこでフッと鼻で笑う感じがして、やっと少しだけ場の緊張感がとけた。



会話の内容はさっぱりわからなかったが、自分の膝がカクカクしてるのはわかる。魔界に連れて来られた時同様すがるのはユリウスの腕だけ状態…デジャブ…。



「私は部屋に戻る。明日の予定はそのままでいい。」



そう言い残し、ユリウスは私を一瞥するとヒョイと抱えた。

油切れのロボットゆきはされるがままです。

身体が反転され、目に飛び込んできた風景には壁は無く…一瞬で廃墟に…。

部屋は窓があった場所がわからない位風通しが良くなっていた。



ひょえぇ~



ゴウカイ過ぎませんか!?





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





ボスッ



恐怖と驚きで固まっている私をユリウスは自室のベットにポイッと投げた。

私の身体がフカフカのシーツに沈んだ。

私はバカみたいに天井を見上げるしか出来ない。



「ずっと抱えてたのか?」



呆れるような声を孕んだ言葉とともにユリウスの腕が伸びてきて私の持っていたイモムーの壷をつかんでサイドテーブルに置く。


次の瞬間ユリウスが私に覆いかぶさるようにベットに沈んだ。


「ゲームオーバーだ、ユキ。」


近い、綺麗なお顔が近いですぅ!


ユリウスの指先は頬を撫ぜ、首筋に落ち、鎖骨をなぞる。途端、恐怖で固まっていたはずの身体が別の緊張感に包まれた。

心臓の音がうるさくてユリウスの声が聞きとれない。


「私の勝ちだな…。」


ユリウスは唇で耳をくすぐりながら妖しく囁く。

ビクリと身体が反応すると今度はわけのわからない焦燥感に駆り立てられる。



「お前にこの身を刻むか…?」



怯える私を楽しんでいるかのように指先は胸元に落ち、ゆっくりとその先を進んでいく。

躊躇無く片手で夜着のリボンを解くと露わになったふくらみを大きな手のひらが包み込んだ。


あれ、私、このまま???


なに、この展開???


かみさま~~~ッ!!!


無宗教ですがこの際どなたでも!


ヘルプ ミ~~~




















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