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魔王様とゲーム3


ゲーム2日目



最終的に私の侍女仕事はごみ捨て係になった。


当然っちゃあ、当然か…。クビにならないだけましだったかな…。

ま、でっかい火を吹く怪物にごみを食べさせるのは楽しいからいいんだけど。

なんというか、魔界というところは人間界より遥かにエコな気がする。




「あのう…」





さっきから返答なし。

昨晩おとなしくユリウスの抱き枕になったせいか、時々ユリウスの膝の上に(私の都合無視でイキナリ)召喚されて、猫のごとく頭をナデナデされてしまう。私の抗議もなんのそので、お構い無しに自分は書類を読んでいる。


執務室には銀髪クンと3人だけ。


当然、私は銀髪クンの視線ハイビームで焼き殺されそうです。ハイ。


今朝、壷(元花瓶)の中のイモムーをみて失神したリラさんが言うには「シュウさまはユキさまに嫉妬していらっしゃるんですよ。ユリウス陛下命の方ですから…。」とのことだった。


自分が好きな人の周りにちょろちょろする女の子がいたら嫌だろう…。私を疎ましく思っても仕方ないかとちょっと同情しつつ、あの陰険さは狙っている男の子が懇意にしている新入生をいびるネチネチ先輩に通じるものがあると納得してしまった。


視線に居た堪れなくなってユリウスにゴミ焼きに戻りたいと訴えると会議中だけだと偉そうに言われて解放してもらえた。






で、モチロン、体育館裏呼び出しなるものが存在するのですね、ネチネチ先輩。




「陛下のこと呼び捨てにして、どういうつもりだ?もう少し身のほどをわきまえたらどうだ!」





先程の執務室から何か言ってやらねば気が済まないとばかりに視線を投げかけていた銀髪クンは、私の予想どおりゴミ焼き場に現れて私にインネンをつけだした。


ユリウスは人間界で16歳なんだから同学年なんだよ?


呼び捨てでもいいんだもん。






「陛下がお前をそばに置くのは魔力が必要なだけなんだ!いい気になるんじゃない!」




…それはわかってるんですがね。


昨夜ユリウスから聞いたので。


なんで一緒に寝るのかと聞いたら一昨日みたいに「寒いから」ではなく、「眠るときが無防備で、魔力が必要だから」と教えられた。その後は一切説明無しだったけど。


リラさんの補足によればユリウスの魔力は人間界に行ってから無くなったけど、なんちゃらの石のおかげで戻ったそうだ。そのなんちゃらの石が私に入っているらしく(なんて迷惑な!!)傍に居ないといけないらしい。なんとかその石取り出せないかと聞いたら、ニッコリ笑顔つきで「姫様が死んじゃいます。」と言われた…。


ま、ユリウスの魔力も魔界にいれば徐々に戻るらしいし、ちょっとの辛抱だと言われた。

そうでもなければおとなしく膝でナデナデもされてません。もしもゲームに負けたときの伏線です!どのみち早く魔力が戻れば私は人間界に帰れるだろうし。ちいさな努力も積み重ねです!なんとか帰って良子ちゃんのまずい味噌汁飲まなければ!




「聞いているのか!!!!」




自分の世界に入っていた私の意識をを銀髪クンの怒声が引き戻す。


だってさっきから私の悪口しかいわないもん。


耳のたこだってぶら下がる場所がないほど垂れ下がってるよ…。




はあ。




付き合ってられない…。



ごみ食べさせたい。



目の前で火を噴く怪物が心なしか物欲しそうに私をみつめている。



ごめんネ、ベイベー。シーサーみたいでかわいいよ。もうちょっと待ってて。

そう見つめ返した瞬間にその巨体が揺らめいた。






ゲプッ





洞窟の奥底から響いてくるような重低音と共に突風がやってきた。



あ、熱い!!!!



手前に立っていた銀髪が揺れた…。



…お、収まった!?



なんか臭う…卵が焦げたような…。




ポロッ



目の前から何かが落ちてきた…。



ゲッ!



睫毛!???



前髪を探ると少しちりちりになっていた。あの怪物、もしかしてゲップしたのかな…。






スケール、デカッ!!!






「 … 」



前方の銀髪クンは声も出せずに立っている。



そりゃ、そうだろう…



見事な銀髪は無残に縮れ、爆発していた。



それよりも眉毛が無いのがこわい…。



博士、実験失敗です!…みたいな。



少しの間放心状態だった銀髪 (アフロ)クンは私を恨めしそうに見るとワナワナ震えながら…



「今までお前のことは目障りにしか思っていなかったが…。今は…。」



今は?



「大っ嫌いだ!!!!!」



そう言って去っていかれた…。




オウ、ザッツ、トバッチリ…。




ゆきのせいじゃないのに…ひどい…。























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