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キャンピングカー


 キャンピングカー。

 それは車でありながら家のように使える車である。え? ざっくりすぎるって? そう言われても、私はそこまで車とかに詳しい訳じゃないからそうとしか言えないのよ。


「雨、やまないね」

「そうね。小雨だからそこまで酷くはないけれど」


 昼過ぎ。

 自然を感じた後、私とルナは車……キャンピングカーに戻って来ていた。車の窓から外を見れば相変わらず、パラパラと降っている雨が外のガラスを濡らす。


 ついこの間まではずっと晴れていたけど。梅雨の時期でも入ったのかな? 年月とかもうよく分かってないけど……一応スマホでは6月の上旬を指しているけどね。


「2223年、だって」

「……正確なのか分からないけどね」

「あはは、それもそうかもね」


 そう言って車の中にあるベッドに仰向けで寝転がる。

 キャンピングカーの中にあるベッドなので手狭だけど、私とルナの2人が寝るには十分なスペースがある。私もルナも小柄な方だしね。


「ガソリンは大丈夫?」

「うん。というかこの間、補給したばっかりだし」

「あ、そうだった」

「ふふ。ルナもちょっと抜けたところあるよね」

「……」


 お互い過ごした時間はそれなりに長い、と思う。

 出会った時こそは衝撃的だったけど、瀕死だった彼女はこうやって元気になってるし。ルナってちょっと口数が少ないのよね。こればっかりは人の性分というか性格なんだろうから仕方がないけど。

 これでも結構進歩した方なのよね……だって最初に目を覚ました時とか、物凄く機械的な……簡単に言えば感情のない声だったから。更に口数も今より圧倒的に少なかった。何というかロボットみたいな?

 でも、実際この子の手当てをした時、体温もあったし心臓の鼓動も聞こえていた。人間であり、ロボットなんかではないことは分かっているけど。


「予備のタンクにも入れてあるし、無くなってもこれで補充すればもう少しは進めるかな。次補給できる場所があるといいけどね……」

「ん。そうだね」


 前回の場所は町の中だったからガソリンスタンドがあったし、運よく形も綺麗に残っていたのだ。看板とかはもう何が書いてあったのか分からないレベルになっていたけど。

 ただ、そんなスタンドにはまたまた運よく燃料が残っていたのでちょうど補充できた。まだまだありそうだったから予備のタンクとかにも入れて車に積んである。


「そろそろここから移動する?」

「それもいいかもね」


 この終わった世界がどこまで続いているのか分からないけど……多分、私達しか生きてないんだろうなって思う。何故私達は生きているのかは分からないけどね。


 こんな世界で生きている私達がやれることはない。

 復興? そもそも人が居ないので無理。2人で復興しても人が居なきゃ意味はない。大体、こんなか弱い女の子2人で復興とか無理があるでしょ。それに復興したところで2人でどうするんだって話よね。


 やることは変わらない。

 この終わった世界は何処まで続いているのか……幸い、私にはこのキャンピングカーがあったので移動に不自由はない。まあ燃料についてはあれだけどね。

 ……まあ補給も出来なくなったらその時は、私の旅は終わりかな。歩いていける距離に補給できる場所があればいいだろうけどね。


 1人というのも寂しかったからルナと出会えたのは良かったのかもしれない。


「何処に行こうか」

「ん。何処でも」

「あはは。それ一番困るやつ。……でもまあ、来た道を戻るというのはないからこのまま進もう」

「ん」


 そう言ってキャンピングカーのエンジンをつけるのだった。




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