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第8話

 呆気に取られる村人達。

 すぐさま子供らの父親が怒りに身を任せ、ヨハンの孫の元に走る。その後ろからあっという間に子供が死んでしまい、半狂乱になった母親達が追いかける。

 父親達はヨハンの孫に飛びかかるが、もちろん一人ずつ丸太で、拳で、足で、ペッシャンコにしていく。子供だった死体に縋り付く母親達も同様だ。首を捻ったり、思い切り顔を殴ったり蹴ったりしたら、造作もなく彼女達は動かなくなった。


 その様を見ていた老人達は逃げるために走り出す。しかし、老体の彼らがヨハンの孫の脚力に敵うわけもなく、追いついたヨハンの孫は彼らの頭を握りつぶしたり、手足をもいだりした。

 ヨハンの孫はヨハンを捕まえる。

 「お前みたいなヤツ、子供の頃に殺しておけば」

 そう言ったところで、ヨハンの孫はヨハンの両手を思い切り左右に引っ張った。

 両手を引きちぎって、血が出ると、ヨハンはもう叫び声しか上げなかったが、ヨハンの孫はヨハンの両足を持って、股を裂いた、そのまま力任せにえいやと体を真っ二つに引き裂いてみせた。


 その隣を馬に乗った地主の息子が駆けていく。この男は自分の子供が殺されたにも関わらず、一人だけ逃げていくのだ。

 もちろん、ヨハンの孫は見逃さない。

 ヨハンの頭をぐりんと回して引きちぎると、力いっぱい地主の息子に投げつけた。

 ヨハンの頭は馬の尻にめり込み、馬はその場で倒れ込み、地主の息子は地面を這って逃げようとしていた。

 それを追いかけるヨハンの孫。

 彼は地主の息子を見下ろした。

 「許してくれ、許してくれ、許して、どうか命だけは!!!!」

 地主の息子はそう叫んで、ヨハンの孫の足に縋りついた。

 ヨハンの孫は彼の腹に足を乗せて、ゆっくりと力を込めていった。

 足の裏で男の骨が砕けて、内臓の弾力性を感じた。さらに力を入れると、爆ぜるような感覚が足裏に伝わる。さらに力を入れると背骨が折れる音がした。

 地主の息子はもう声を出せない体を破壊されたので痛くても転がることすらできない。

 内臓が破裂したので、もう助からない。しかし、死ぬまでには時間がかかる。

 苦しみ抜いて死ね。

 

 ヨハンの孫は冷静だった。

 こんなことをしても気分は晴れないことぐらい分かっていた。

 これはリンのためにでも、無論自分のために行った虐殺でもない。

 これは世界を変える一歩なのだ。

 この農村のようなことは世界中至るところで起きている。奪い奪われるだけの世界なのだ。

 俺はこの世界を変える。

 暴力に、金に、権力に胡座をかく強者を皆殺しにしてやる。

 リンは俺に名前が必要だと言ってくれたが、俺に名前はいらない。

 しかしもうヨハンの孫ではない、そうだな、今の俺にピッタリの称号があるではないか、魔王だ。


『主人公が魔王になる』みたいな企画に参加した時に書いたお話です。

世に言う異世界系を書くのが初めてだったので、とにかく苦労というか、手間取ったのを覚えています。

修行しようといろんなジャンルの作品を書いていた時期でもあり、今読むといろいろと雑な感じが・・・やはり慣れないことはすべきではない(という言い訳と照れ隠しで締めさせていただきます)

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