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beat down  作者: mochi
第2章 no chance of surviving
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第53話 ハリケーン

「そろそろ頃合かなぁ〜?」


「それでは、スノウ、フラム、ブリッツの3名を大々的に指名手配と致します。トウティ様のお力で、トウキョウの住人に戦闘の強制をお願い致します」


「五天の君達も、好きに行動して良いからね」


「「「「「ありがとうございます」」」」」


「じゃ、やるよ! 『クォーツフォール』!」



 ――――――――――――――――――



 私は眠りから覚めた。眠い目をこすりながら辺りを見回すと、大の字で寝ているフラムや、大きな機械に世話をされてるブリッツ、何かを作っているサルが居た。


「おぉ、起きたか嬢ちゃん」


 私が起き上がったことに気が付いたサルは一旦作業を止める。


「スノウ起きた!? あたしは完璧で天才だからもうヘッチャラだけど、スノウは大丈夫?」


 この世界に来て初めてブリッツと会話をする。雷電(らいでん) 伊奈妻(いなめ)さんの役柄は素晴らしいものだったが、本物のブリッツは言葉には言い表せないほどポジティブで自信に満ち溢れていた。


「大丈夫。それより、私はどれくらい寝てた?」


 私はサルに問いかける。サルはパンドラボックスを私のそばに置いて人差し指を立てる。


「丸一日だけだ。あんなボロボロな状態でよくレックスと戦えたな。しばらく休んでいきなさい」


 体のあちこちがズキズキ痛む。サルの注射の効果が切れているのだろう。


 今は戦闘がなく落ち着いている状況だったため、私はここで、ブリッツに対して抱いていた疑問を投げかけてみた。


「ブリッツ、どうしてそこまでして神に反逆してるんだ?」


 スノウの目的は、何が何でも妹と会うという強い執念がある。フラムの目的は、師匠を殺したヤツへの疑念や復讐心のようなものがある。

 しかし、ブリッツの目的は神の支配下に等しいトウキョウの住人を救おうという規模が大きなもの。動機の詳細もやや不明で、目的の整合性に欠ける。


「前話したじゃん? あたしはこの街の人を――」


「違う、動機の話だ。神を倒すなんて大規模な事を実行する動機が知りたい」


 ブリッツの話を遮り問い詰める。スノウなら、きっとこんな風に聞くだろう。

 それに。


「それに、なぜブリッツは神の魔法を受けずにいられるんだ? 初めて会って、話を聞いた時から不思議に思っていた」


 何が起きても平然としているこのトウキョウの住人とは違い、ブリッツは反逆の意志を示し、神に刃を振っている。その理由が知りたかった。


「わ、わかったわかった。言うから待ってくれ」


 ブリッツは胸に手を当て深呼吸する。

 そして、口を開いた。


「あたし、元々トウキョウの住人じゃないんだ。それに……、あたし…………」


 ブリッツは言葉を詰まらせる。そして段々と頬を赤くし、耳まで熱くしていく。


「あたし、トウキョウに好きな人がいてさ、その人を助けたくて……//」


 彼女の動機、行動の原動力には、恋心があった。

 

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