四天王ゴモンの奮闘記!
『ぐっ、に、人間の身でありながら我を倒す者がいるとは・・・だが、安心するのはまだ早いぞ、人間ども例え、我が身が朽ちようとも、やがて、第二第三の魔王が貴様ら人類を滅ぼすだろう、、、グハーーー!!!』
これが俺のかつての上司の最後の言葉だった、いくら魔王の伝統だからと言えど、正直迷惑だ、ふざけんなよとも思った、だって第二の魔王すら用意できていないのにそんなこと吐くのだから。
とは言っても、次期魔王はいるにいる、そう、先代魔王の愛娘【ロリィ】様だ、
だが、いくらなんでも厳しいと思う。なぜならロリィ様は子供だし、力に目覚めていないからか、ステータスも普通の魔族の小娘程度しかない、まあ鑑定なんて俺は持っているが、基本勇者の特権だし、俺もそのことを言うつもりもない、なのでロリィ様はまだ、第二の魔王と呼べるだけの器では無い、
それと、我らが魔王軍は最悪なことに魔王軍は先の戦争で幹部級はほとんど人間の英雄たちの手によって死んだし、それ以下も10分の1に減った。
そう、俺以外の四天王【サモン】【カモン】【クモン】も死んだ。
まあこいつらに関しては妥当だと思う。
【サモン】は、召喚士で、【カモン】はテイマーで、
【クモン】は軍師だし、うん、己の肉体を信用できず、集団で戦うことしかできない奴に四天王なんて務まるはずなんかない。
でも、【クモン】はいい奴だったな、子供のように純粋で、優しい心を持ってた。「できた!」が口癖だったな。それに、軍師として作った作戦はえげつなかったが、心強かった。こいつは死んで欲しくなかった。
でも反対に【サモン】【カモン】は最悪だったな、仲間を奴隷みたいに扱う、自分の才能にあぐらを描いた奴らだった。
まあ、いろいろあったが、とりあえずロリィ様を魔王にした、なんか人間からしたら魔王は他の生物とは違った雰囲気があるとかよく人間の英雄どもが言ってたし、他の魔族を魔王にするわけにはいかず、そうするしかなかった。
で、今日は明日の再戦のための壮行会だ
「おい、貴様ら、これから魔王ロリィ様からのありがたいお言葉だ、心して聴くが良い。」
こうして、走行会はいよいよクライマックスだ、
「み、みんな、頑張ってください!」
「「「「「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」」」」」
おい、先代魔王の頃よりすごい歓声になってるぞ、
なんだ、貴様ら、ロリコンか?そういえばこいつらみんな「俺、この戦いがおわったら、、、」だの「まだ、俺は死ねないやりたいことがまだ達成できていないんだ。」だの、つくづく不穏なことばかり言っていた気がするな。まあ、それは置いといて
「そう、貴様らの要望通りこれからの戦いに活躍した者にのみ、魔王様から直々に褒美をくださるそうだ。」
「あ、頭撫で撫でします!」
「「「「「やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」」」」
「だ、そうだ、えっ?」
こ、こいつらそんなこと魔王様に要望したのか、普通建前でも、地位とか名誉とか言うだろ、欲望だだ漏れじゃないか、たしかにロリィ様のような御人にそうやってもらったら最高の気持ちになると思うのはなんとなくわかる、まあ、俺はロリコンではない、ただ魔王様を尊敬しているだけだ、
と、そうこうしているうちに騒がしくなってきた、「なあなあ、聞いたかお前ら、頭なでなでだってよ!」「ああ、聞いた聞いた、俺たちの悲願がやっと叶うかもしれないな!」「死んでいった仲間の分もいっぱいなでなでしてもらおうな!」「お、俺は蔑んだ目で睨まれたいなー。」「あっ、それだったら俺だって蹴られたいし踏まれたい。」「あ、それいいな、」「それ次の要望にしようぜ。」「そうしよう。」「そうしよう、」と狼人どもが言っている、一つ忠告しておこう。
「おい、そこの狼人どもよ、魔王さまの御足で蹴られたり踏まれたりすることがどれほど恐れ多いか、分を弁えろ。」
俺は殺気を出しながらそういった、
「えー、でも会長、少しのわがままくらい良いだろー」
「誰が会長だ!誰が!」
こいつらが【裏ロリィ様を見守る会】に所属しているのは知っているが俺が会長になった覚えはない、
「ま、まあまあ落ち着いてください、わ、私も恥ずかしいですけど、そ、そんなことができるよう、が、頑張りますから、そ、そのために、生きて戻ってくださいね?」
ロリィ様はかわいらしくもじもじしながらそう締めくくった、
最後のはちょっとあざとかった、うん。
「「「「「うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」」
「そうだ、貴様ら責任重大だぞ、もし貴様ら死んだら、魔王様の命令一つも聞くことができない無能になり下がるんだからなぁ?」
「「「「「よーし、生き残るぞーーーーーー!!!」」」」」
そして我らが魔王軍は有り余る士気で1人も死傷者を出さずに人間どもに完勝し続けた、が、
このとき、人間どもの城のうちの一つに潜ませておいた部下から伝令が来た、
「ほ、報告いたします!!」
「なんだ、どうした?」
「先代の言葉と我々の快勝ぶりに怯えた、人間どもが勇者の召喚に着手しました!」
「何?それは本当か!?」
「はい!」
「まさか、そんなことをするとは、あれは百年に一度しか使えないもののはずだが、そこまで切羽詰まっておったか、こうしてはおれんぞ、おい、幹部級を集めろ、今から勇者討伐会議を始める、後、このことは魔王様に報告するなよ、大ごとになったら困る。」
俺は執事にそう言含め、とりあえず勇者のことが記されている資料などを引っ張り出した。
そして、会議になった、
「貴様ら聞いていることだろうが人間どもが勇者の召喚に着手したようだ、そして今から勇者討伐会議を始める。」
「「勇者なんてぶっ殺しちまえー!」」
「そうだ、勇者とはステータスが高いだけの戦いを知らぬ子どもだ、そのようなものに屈する我々ではないっ!」
「そうだそうだー!」
まあ、だからと言ってなんの対処をしないのはまずい、だから、勇者のついて分析した資料を持ってきた。これをもとに会議を進めるぞ!」
そう、俺は【クモン】の遺書である【ゆうしゃのすべて】を持ってきた、ありがとう【クモン】!お前には一生間感謝することだろう。
そして、勇者捕縛術式を込めた袋を作り、いくつかの作戦を立てた。
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勇者討伐はつつがなく終わり、今日も俺は最前戦にいる。
「くははははっ!よく聞くがいい人間どもよ、貴様らの勇者は死んだ!他でもない俺の手によってなぁ!さあどうする?降伏か?それともまだ戦うか?」
と俺が言うと人間どもは絶望したような表情で降伏した。
ああ、おそらくこれでもう長かった魔族の権利を主張する戦争は終わるだろう。
これは、魔王様からの褒美がたくさんもらえるだろう。
このあとゴモンは部下たちから一発ずつ殴られた。
「俺まだ頭なでなでしてもらってねー!」
「ごはっ!」
ロリコンたちの怒りは凄まじいようだ。