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1話 バカップルのデートをご覧ください

桜が舞い散る高校の屋上で、俺は高校No.1美少女である桜ノ宮 清香(さくらのみや さやか)さんと対峙していた。


なぜかって?


それは俺が聞きたい位だ。

呼び出されて此処まで来てしまったが、理由が全く分からん。

一瞬、「告白」という可能性も頭をよぎらないでも無かったが、別にイケてる訳でもない俺が、こんな完璧美少女にコクられる訳がない。

俺は勘違い野郎にはなりたくないからな。

まぁ告白である確率は0.03%って所だろう。

俺は気まずい空間から早く逃げ出したい一心で口を開く。



「えっと……大事なことって何?」



すると、彼女はその艶やかな金髪を耳に掛け、俺をじっと見つめる。

やべ、可愛いな……オイッ



佐藤 奏太(さとう そうた)君、ずっと好きでした、私と付き合ってくださいっ」



え?


俺は、0.03%の確率を信じられずに聞き間違えを疑った。



「えーと、ちょっと良く聞こえなかったみたい、もっかい言ってくれない?」


「えっ…………その、好きです………………」




オーマイガッーーーーー!!!

こっこれは、ヤバい、ヤバいぞ。


桜ノ宮さんを見ると、顔を赤らめてチラチラ俺を見ている。

上目遣いの眼差しがもう尊い。

きっと、今まで彼女も出来なかった童貞高校2年生の俺に、神様がくださったプレゼントなのだろう。

俺には、この告白を断る理由が思い付かなかった。

成績優秀、運動神経抜群、美少女、を兼ね備えた女子に、告白されて断る男子が居るはずがない。

だから俺は即答した。



「はい、俺も好きでした。よろしくお願いします」




こうして、俺達は付き合う事になった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




俺と()()は学校帰りにファミレスに寄っていた。



「ねぇ、奏太くん、あーんしてっ」


「はぁ~、いつからそんな甘えん坊になったんだよ……前までは恥ずかしがってた癖に……」


俺はスプーンでアイスをすくって、清香の口に押し込む。


「あぁ~ん、激しいー」


清香がエロい声を出した瞬間、今まで俺達に向けられてた視線が殺気に変わったのを感じた。

やべ、バカップルだと思われてんな。

俺は、殺られる前に清香を叱る。


「おい、止めろって、あの店員さんが殺気放ってるだろ!!」


そう俺が強めに清香を怒ると、清香は俯いてしまった。


「ごめんって、その……清香が悪いとかじゃなくて……あっそうそう、学校の皆に見られたら不味いだろ?」


俺が必死になって清香をなだめるが、清香のご機嫌は治らない。


クソッ、やるしかないか……



「なぁ、清香ー、俺もアイスを食べたいなー、あーんしてくれないか?」


すると、清香はプイッと顔を上げてニコニコ頬笑む。


「え~しょうがないなー、奏太くんは甘えん坊なんだからっ……はいっ、あーん」


「あーん、うわっ美味い!清香が食べさせてくれると、百倍は美味しいな~」


「本当~?じゃあはいっもう一回、あーん」


「えっ……あの、俺もう……」


「えっ!百倍美味いんでしょ?じゃあもっと食べれるよね、はい、あーんして?」


「……あーん、おっ美味しいなー」


「はい、もう一回あーん」


……………………



……………………



……………………



……………………




「うわー凄いっ、あんな大きなパフェ、ぜーんぶ食べれたね?」


「うぐっ、あっ当たり前だろ!清香があーんしてくれたんだから!」


「うふふ、本当に~?」


「あっ当たり前だろ!」



俺は、清香のご機嫌を治す為に期間限定、「10人前巨大チョコパフェ」を食いきった。

店員さん曰く、初めての完食者らしい。

お陰で、腹がパンパンだ。

時々、清香に対してイライラしてしまう時もあるが、可愛い過ぎてイライラと言う感情は直ぐに消失してしまう。

たった今も、無理やりパフェを食わされたが、「あーん」の度に清香を見たら、イライラなんかしなかった。


「俺も終わってんな……」


「ん?どうしたの?」


「いや、何でもないよ清香~」



コクられた当時には、思ってもない付き合い方(バカップル)だが、まぁこれはこれで……



「ねぇ、奏太くん次は何食べる?」


「えっ………………」




良くはないな、うん。







えっとー、「デブスだった俺、三ヶ月間の修行で最強の高校デビューを果す~憧れの伊藤さんと付き合いたい!~」も連載してるんで、よろしくお願いします。

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