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爆発寸前な男  作者: ZUNEZUNE
第一章:爆発寸前な男
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7話

結局その日は緊急下校となり、部活も休みになる。

偶然道が同じになった触渡君と帰ることになった。

そして先程起きた事件の事について話し合ってる


「でも何で雷門さんなんだろ?」


「さぁ……恨みとか買ったんじゃないの?」


「虐めの復讐ってことかな……?でも生徒が犯人ってこともあるか……」


触渡君は雷門を襲った犯人が気になるのか、やたらと彼女の人間関係を聞いてくる。

最も名前が出てくるのが疾東と迅美である。当然だけど。

意外と正義感が強いのかな?

そうでなきゃ自分を虐めている女子の事なんか聞きやしない。


「あっでも……もしも復讐目的の生徒の犯行だったら疾東と迅美の二人も狙われるんじゃない?」


「そうかもしれない!……決めつけるには早いけど……」


「俺達も気をつけよっか、英姿の生徒を狙っただけかもしれないし……」


「そうだね、バイバイ」


「うん」


触渡君と別れ、自分の家へと走る。

道中誰かに襲われないかとヒヤヒヤしたけど、誰にもすれ違わずに帰宅できた。

家の中に入った瞬間、安堵して気を抜く。玄関には見慣れたハイヒールが一足ある。


「あ、お母さん帰って来てるんだ」


珍しく仕事で多忙な母が帰ってきてることに気付く。

私のお母さんはお手本のようなキャリアウーマン、尚且つ家事もできる。娘の私が言うのは何だけど理想的な母親だ。

対する父は母曰く「放っておけない人」らしく、私で言う触渡君みたいな人だ。

お母さんはそんなお父さんに惚れ、お父さんはお母さんの心的な強さを好きになるという、所謂相思相愛というやつだった。


「お母さんただいま〜」


「あら、早いのね」


リビングに入るとメガネを掛け髪を結び私服でもキチッとした服を着ている女性がいる。これが母だ。

お父さんが惚れるのも仕方ない。まさに「できた大人」だからだ。

彼女は優雅にコーヒーを飲みながらテレビニュースを見ている。子供の私を視線にしているせいか、とても格好良い生き物に映る。


「お母さんこそ早いじゃん、どうして?」


「仕事が早めに終わったのよ。貴方はどうして?まだ一時よ?」


「それがお昼休みに生徒が襲われてさ、午後の授業が無くなったの」


「襲われた!?」


その言葉を聞いた瞬間血相を変え、私の両肩を掴み体中を看る。

先程までの冷静さとは逆に慌てた様子で私を心配してくれた。

私の心は暖かくなる。母の優しさのおかげだ。これのおかげで私は毎日疾東からの虐めに耐えられた。


「私が襲われたんじゃないよ。同じクラスの人が襲われたの」


「一体誰に!?」


「さぁ……まだ分かってない」


「そうなの……もしかして明日休み?」


「かもね」


まぁ人が襲われたんだし学校も休校になるだろう。そうじゃないと怖くて勉強もできない。

触渡君じゃないが、一体誰がやったのだろう。

復讐?それとも不審者の仕業?どっちにしろあまり良い気分ではない。

確かに彼女たちからは虐められていたが幾ら私でもあんな復讐はしない。足を折るなんて……

雷門は同じ陸上部だ。陸上部なのにしばらく走れないのは可哀想だ。

まぁ慰めたりお見舞いには行かないけどね。









迅美 凪は夜遅く街を歩いていた。バイトの帰りだ。

雷門と違って迅美は疾東と仲が良い。中学からの付き合いでよく家にも遊びに行ってる。


「まったくもう……今日は大変だったなぁ」


一応学校から家から出るなと言われたがバイトがあったので仕方ない。

まぁでも襲われることなんてないだろう、と思っている。

バイトしている理由も疾東と遊んでいる時にあまり彼女にお金を使わせないようにするためだ。雷門のように彼女の財産に頼らずに、なるべく自腹で済まそうという考えているのだ。


「夜遅いし近道しよっと」


そうして彼女は人気の無い路地裏を通る。それが命取りとなった。

彼女にもまた、犯人の手が伸びる。

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