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爆発寸前な男  作者: ZUNEZUNE
第一章:爆発寸前な男
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4話

木曜日の朝、私は朝練を終えた後着替えを済まし、教室に向かっていた。


「あ、風成さんおはよう」


昇降口で靴を履き替えていると触渡君が話しかけてきたので振り向く。


「おはよう触渡く——って何その怪我!?」


その顔は傷だらけで絆創膏も沢山貼られている。

大きな傷ではないがこんなにあるので目立っていた。


「家で勢い良く転んでさ……」


軽い笑いで自分の傷を笑い話にする。

まぁ大した怪我じゃなさそうだし大袈裟に心配する必要はない。

すると誰かが触渡君で肩で突き飛ばした。触渡君は尻餅をついてしまう。


「あ、ごめんなさいね〜」


疾東だ。故意じゃないように装うがその笑みを見ればわざとであることが分かる。

その後ろにはいつもの二人。

黒髪の太っている方が「雷門 戸田子(らいもん とだこ)」、茶髪の小さい方が「迅美 凪(はやみ なぎ)」。どちらも私と同じ陸上部である。


「あらら、何で傷だらけなのぉ〜?」


彼女はそう言うと顔に付いている絆創膏を乱暴に引っぺがした。


「痛っ!」


無理に剥がされたことにより頬から血が出てしまう。

それを見て大笑いした三人はそのまま教室へと歩く。

触渡君は傷口を抑えながらゆっくり立ち上がる。


「朝から災難だね」


「そうだね……」


昨日と同じみたいに、彼は怒らない。

服に付いた埃を払い、私と一緒に歩いた。











昨日の敵は強敵だった。

「城」という名にふさわしい巨体と守りの固さ、まったくと言って良いほど攻撃が通用しなかった。

何とか勝てたが疲れがまだ身体に残っている。

まぁ激闘の末何とか倒し、パネルを手に入れられたから良かった。

そう思って、内ポケットに入れている4()()()()()()を覗き見する。

「金」「城」「鉄」「壁」、この4枚はどんな力があるのか、まだ分からない。


「何見てんの?」


疾東さんに見られそうになったのですぐ隠す。


「いや……予定表を……」


何とか誤魔化し、無かったことにする。

やっぱり教室みたいな人目の付くところで見るもんじゃないな。


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