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勇者になれなかった俺は魔王に転職しました  作者: 白寺 迅
ビギナー
49/59

EP1 始まり

ここからは、EP1のような表記にかえます。第何戦シリーズとはがらりと変わった内容となります。そのため、前回の話とかみ合わない箇所が登場しますので、改稿が終えるまでは「改稿されるよね?」と思いながら読んでいただけると嬉しいです。

「どう? 面白かったでしょ?」

 意識が少しづつ回復しつつあるときに、目の前から声が聞こえてきた。

 昔、俺が殺されて、俺が殺してやったあいつの声が。

「妹がもう一度目の前で殺される気分は」

 あいかわらずコイツは平然とした口調で恐ろしいことを言ってくるよな。

「ああ。最悪だな」

 ゆっくりと、閉じていた瞼を開き、目の前にいるを見た。

 幼女体系、瞳が紅いゴスロリのようなドレスに身を包む、テラの姿がそこにあった。

 俺はテラの姿を見て、なぜか笑みがこぼれる。うれしくなんてないし、悲しくもない、感情がない笑みだった。

「よう、最悪なクソガキ」

「なんですかその言い方は、これでも一応魔王様よりも長く生きてるんですからね」

「そうか」

 言葉一つ一つに感情がこもらない。

 今の俺のしゃべり方は、台本を棒読みする素人の演劇者のようだ。

「ですが、その様子をみるかぎり私の作戦は成功したと、なりますね。――ああ……大変だったなあ」

 両腕を高く点に伸ばすように、テラはのびをした。

 うう~と言っている様子は、もう子供のようにしか見えない。

 が、またいらぬことを言うとあの剣が飛んできそうなので、俺は開きそうになった口を閉めた。

「テラ」

「はい?」

「俺は何をすればいいんだ」

 テラは焦るようにして、ズボンのポケットからスマホのような電子端末を取り出し、慣れた手つきで何かをし始めた。

 なぜ焦る必要があるのかはわからないが、テラが少しおびえたような目をしていることから大体の理由は察した。

「あ、ありました! まず初めに魔王様にしていただくお仕事はこちらです」

 ぎこちない動きでテラは持っている電子端末の画面をこちらに向けてきた。

 俺は目を細め、画面をのぞき込んだ。すると、テラは「ひっ!」とおびえた声を出した。

 さっきから、気になっているんだがテラの態度が急変したように思える。

「……各階層の守護者の方々に命令を出してほしいんです」

「命令?」

「はい、もっと詳しく言いますと冒険者を打ち払う罠やモンスターを指定してほしいんです」

 罠とかって魔王が指定して設置していたのか、俺のイメージとはまったく違うな。

 だが、罠の設置等は元冒険者の俺にはうってつけの仕事だ。あのときに、どういった罠が一番恐れたかということを考えれば適正かつ強靭的な罠を設置することが可能だろう。

「いや、その必要はない」

「え?」

「今から俺が設置しに行くからついてこい」

 その言葉に一瞬驚いたような表情を見せたテラだったが、すぐに返事を返してくれた。

「はい。それでは参りましょうか」

 テラに魔法を使ってもらい俺たちはまず、城の入り口に向かった。

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