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ジャクシン

ジャクシンと四月馬鹿

作者: 初瀬川渚

 今日はエイプリルフールという合法的にウソをついても許される日。むしろ、騙される方が悪い、そんな日だ。しかしながら、いつの間にかやってきたこんな日に限ってウソを言う機会も気の利いた小ネタのようなウソも思いつかないものだ。

「何か悩み事ですか。雀神じゃくしん様」

 そんなことを考えていると、突然声をかけられビクリと体を強張らせるが、気取られないように少し間を置き返事をする。

よみ、呼んでもいないのに、結界を通り抜けて現れるのやめないか」

「雀神様は結界内だからと安心しきっている節がありますからね。こういった時にでも気を引き締めて貰いたいと思いまして」

 確かに、結界が破られてはいないにしてもどこかしらに抜け穴があるのか、ここには良く招かれざる客がやってくる。結界を強化する必要もあるかもしれない。

「忠告はありがたいが、お前が急に現れるのは、電話が鳴るようなものだからな。何かあって来たんだろ」

 私の例えが面白かったのか、それとも別の意味があるのか、読は口元に手をやって小さく笑い声を上げるのを聞いて、思わず私も釣られて失笑してしまう。

「今日はエイプリルフールですね。雀神様」

「ん、そうだな。それがどうかしたか」

「実は、エイプリルフールって妖怪がいるってご存知でしたか」

 私は怪訝な顔をして、さらに聞き返す。

「聞いたことのない妖怪だな。ひょっとして、それがお前のエイプリルフールなのか」

「心外ですね。本当に存在する妖怪なんですよ。四月一日にだけ現れる妖怪で、日本には近年現れ始めた海外の妖怪なんです」

「なるほど、通りで聞いたことのない妖怪だと思った……が、それがどうかしたのか」

 そこで、読は満面の笑みを浮かべて、

「引っかかりましたね。そんな妖怪、存在しませんよ」

「お前……ほんとうに良い性格しているよな」

「褒め言葉だと思っておきますね」

 睨む私の目など意に介さずといった様子で、奇妙な程に綺麗な笑みを浮かべる読に少々呆れながら、

「それで結局、お前はこのイベントに乗っかるために、わざわざここに来たんだな」

 と問いかけると、ただただニコニコしながら首を縦に振るのを確認し私は、

「帰れ」

 怒鳴り声を上げると、読は「騙される雀神様が悪いんですよ」と言い残すと霞のように姿を消した。


 エイプリルフールなんて考えたヤツ。絶対許さん。


 

エイプリルフールネタを即興で考えて書いたので、内容が薄いですが少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。

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