ふられてないんじゃ?
あれから、鳥に思いっきり腕を引っ張られ、教室の外に出ていった。
「どこが、咲にフられたっていうのよ!」
鳥が、これでもかというくらいに怒っている。
ここまで怒らなくてもいいだろう……俺自身今の状況が理解できていないんだから……
「もう昨日の事は、全部忘れなさい!」
そう言う鳥は、俺の胸ぐらを掴んだ。
「オーケーオーケー……まずは落ち着こう……」
俺が鳥をなだめる。
「話があるならこのまま聞くわよ」
俺の胸ぐらをつかんだままで言う。手は離してくれないんだ……
「俺自身、何でこんなものを貰えたのか分かってないんだ」
昨日起こった事を考えると、どう考えても咲さんといい仲になれたとは思えない。
「どうしてお弁当をもらえたのか? は、お前が咲さんに聞いてくれる方がよっぽどいいと思う」
二人は、仲のいい間柄だ。俺なんかを通すよりも、直接聞いてくれるほうがいい。そして、理由が分かったら俺にも教えてくれ。
「まあいいわ、。そういう事にしておきましょう」
俺の事を絞っても、これ以上は何も出ない。それを理解してくれたのか? 鳥は俺の胸ぐらを掴む手を離した。
「今はそれでいいとして! 今日はあんたが五十家君のところに行きなさい!」
なんでだよ……ここ最近俺の番ばっかが続いてないか? それに、今日は徹夜でリリカルなのはを見たんだろう? その知識を使って五十家のところに行けば話だって弾むだろう……
「あんたは、お弁当を貰えるところまで進んだんでしょう! 私の方が進むように、あんたはキリキリ働きなさい!」
今更、何を聞けっていうのだろうか? 俺は、友人の輪がすでに無くなっている五十家の方に行った。
「よう……五十家……」
俺はとりあえず声をかけてみる。
そうすると、五十家は俺に向けて爽やかすぎるほど、爽やかな笑顔を向けてきた。
「やあ……親友よ……」
俺の背中に悪寒が走った。
いきなり『親友』なんて呼ばれて嫌な予感を感じた俺だが、聞き返していく。
「どうしたんだ……? 急に……」
そう俺が聞くと、五十家は、やけに大仰な動きで髪をかきあげた。
「僕をこんな風にしたのは君なんだぜ……いまさら水臭い態度はナシにしてくれ……」
こんな風ってのはなんだよ……今の五十家の状況は、完全に俺のせいではないはずだが……
「お前が好きっていっていたリリカルなのはだが、鳥が見たっていうんだよ。一緒に話をしてみたらどうだ?」
この様子は、ただ事じゃない。早く鳥とくっついて、勝手に幸せにでもなって欲しい。
「五十家……なんか、前と違って友人が減ったなお前……」
アニメ好きというのがバレて、まず、女子が引いていった。
サブカルチャー部に入り浸っているため、部活にも出ていない。そのため、部活の仲間とも疎遠になっていった。
いつも、友人が五十家を囲んで輪を作っていたのだが、それが一気になくなっていったのだ。




