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オタク同士なら、仲がいいと思ったか!?  作者: 岩戸 勇太
噂が広がるのは早いもので
35/51

鳥と、映画を観る

「何よ? 準備がいいわね」

 鳥がそう言うのに、俺は映画を起動させた。

「上映中はお静かに」

 そう言うと、鳥は俺の隣に座っておとなしくして映画を見始めた。


「楽しいよね……」

 映画を見終わると、鳥は俺に向けて言い出した。今の映画の事だったら、正直あまり楽しくはなかった。

「ねえ、実は私は、今日が誕生日なの」

「誕生日に俺なんかと一緒でいいのか?」

 俺が言うと、鳥はムスリと顔を歪ませた。

「別に……親と一緒にいるよりはマシかなぁ? って、ぐらい」

「親と……そんなもんなのかねぇ?」

 女の子の気持ちは分からん。親と一緒にいるよりも、俺と一緒にいる方がマシってのは、どういう事なんだ?

「そういえばさっき、私の家の話はしないようにって言ったわよね」

「ご無体な話だな。家の話をしてきたのお前の方だろう?」

 そういうと、鳥は顔を背けた。

「ねぇ、どうすればいいの?」

 俺の方を見もせずに、鳥は言う。

「何を? どうするんだって?」

 俺は鳥の言葉にそう聞き返す。意味の不明な言葉を言った鳥だが、俺にその言葉の意味を教えてくれる気は無いらしい。

「そうだ! 岩城は五十家君をやってよ!」

 いきなりそう言う鳥。なんでそんな話になっていくのか? 皆目見当がつかない。

「私は、そのうち五十家君と付き合うでしょう? その時のシミュレーションとして、五十家君みたいにしてくれればいいのよ」

 そのうち、五十家と付き合うとは、大きく出たものである。そして、シミュレーションのために五十家のフリをしろとは、難易度の高い要求をしてくるものである。

「ほら……こんなふうに……」

 そう言うと、鳥は俺に肩を寄せてきた。

 そして、俺の腕をとって自分の肩に置く。

「ねぇ……こうしてると恋人同士みたいに見えるでしょう?」

 そう言って、鳥は俺の腕を首にからめ、俺の手を握った。パソコンの画面に、俺と鳥の姿が反射して映る。

 いつもは見せない穏やかな顔をしている鳥を見て、思わず胸が高鳴った。

 なんだこいつ……こんな顔もできるんじゃないか……

「これからどうしよう? 映画をもう一本見る? それとも……」

 ニヤリと笑った鳥が、俺に見せたのは、リリカルなのはのDVDであった。そいつだけは勘弁して欲しい……

「映画だな。あと二本あっただろう?」

「それじゃあ、こっちから……」

 一つの映画をながし始めた鳥。そうしたら、さっきみたいに俺の首に手を回し始める。横目で、鳥の事を見ると、さっき見た、憂いでも含んでいるような顔をして鳥を見て、俺の胸は静かに高鳴っていた。

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