ネットカフェで
あれから俺は、まだ鳥に付き合い続けた。
あれから、ネットカフェに行く事になり、俺と鳥は近くのネットカフェに向かって歩いていった。
「あんたの家は大丈夫なの? 帰らなくても怒られない?」
「まあ、帰らなくてもいいだろう。連絡も入れたし」
メールで、『今日は友人の家に泊まりに行く』と、送ると、『了解』と、一言のみが打たれたメールが帰ってきた。
うちは基本的に放任主義であり、一日くらい帰らなくても、何も言われない。
「それで、お前の家は大丈夫なのか?」
俺が鳥に聞くと、なぜか鳥は不機嫌そうにして答える。
「うちはいつでもオーケーよ」
いきなり声が冷たくなる鳥。いきなり機嫌をそこねた鳥に向けて、俺が疑問の言葉を言う前に鳥が続きの言葉を言う。
「私の家の話しはしないで」
それから、歩く速度を早めてネットカフェに向かって行く鳥。
俺も、それを追っていった。
「ペア席を一つお願いします」
ネットカフェに行くと、店員にそう言った鳥。ペア席を取るという事は、俺と鳥で、一緒の部屋に入るのか。
「別にいいでしょ? これで最後なんだから、最後まで付き合いなさい」
俺の考えている事を読んだ鳥が言う。俺は鳥に手を引かれて席へと歩いていった。
二つのソファーが並ぶ小部屋に、俺と鳥は、隣同士になって座った。
「お菓子でもジュースでも、好きなものを頼んでいいよ」
鳥が言う。だが、俺としては同級生の女の子にメシの代金を払ってもらうなんて、少し気が引けるところだ。
「自分の分は、自分で払う……」
俺が言うが、それを聞くと、鳥はいきなり俺の頬を引っ張った。
「私が払うって言ってるでしょう! 好きなのを頼めばいいのよあんたは……」
そんな事で、ほっぺをつねったりしなくても……
「なら、フライドポテトでも頼もうか……」
俺が言うと、俺の頬から手を離した鳥が言う。
「そう、それでいいのよ。まあ、いままでの迷惑料だと思っときなさい」
迷惑料ねぇ……いままでの俺への仕打ちを、少しは悪い事だと思っていたのか……
「この中でどれかの映画を見ましょう」
さっき、レンタルビデオ屋で借りてきたDVDを出してきた。このために借りたのか……?
「私がジュースを入れてくるから、好きなのを選んどいて」
鳥がジュースバー用といって渡されたコップを二本持って部屋から出ていった。
俺は、ドアを開けて、この部屋から出ていく鳥の背中を見送った。
俺は、鳥が戻る前にどの映画を見るかを決めておいた。俺が決めたのは、雰囲気の良さそうな恋愛映画だ。というか、恋愛映画しかなかった。
俺としてはド迫力のアクション映画の方が好きなのだが、鳥の趣味ならば仕方がない。ジュースを持って帰ってくる鳥のために、先にパソコンにセットをしておく。




