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オタク同士なら、仲がいいと思ったか!?  作者: 岩戸 勇太
噂が広がるのは早いもので
30/51

咲さんとばったり会って……

 俺は、あれから一人で帰ることにした。

 鳥の電池の電力が回復する見込みは無いし、今日はさっさと帰った方がいい気がする。

 残念なイケメン君にちょっかいをかけられるかもしれないしな……

 学校の下駄箱にまで行ったところで、咲さんを見かけた。

 どうしよう……ばったりと会ってしまった。

 咲さんに会えたので、喜ぶところであるかもしれないが、先日の事がある。いきなり拉致をされたりしないだろうか?

 俺は周囲を見回した。

 それを見ると、咲さんは口を手で押さえた。

「今日は警戒しなくてもいい」

 下を向きながら言う咲さん。肩がフルフルと震えているところを見ると、笑っているのだろう。

「坂上さんに捕まった事もあるんだって?」

 そう言い、咲さんはまた笑った。あの、時の話か……

「私としては、あの話は最高だった」

 咲さんにそんなイメージはないんだが……

「一言何か言うたびに、この世の終わりのような顔をしていたんだって。それが面白いから、どんどん言い続けたとか」

 坂上……咲さんに何を言ってんだ……

 坂上が咲さんの近くにいるってのは、俺にとっても面倒な事なんだろうか? 俺が咲さんの事を好きなのは、坂上に知られてしまっているからなぁ。

「少し一緒に歩かない?」

 咲さんから申し出を受ける俺。俺は、咲さんの隣を歩いていく。


 咲さんと一緒に道を歩く俺。

 顔を伏せてチラリと咲さんの事を見るが、咲さんはそれに答えて目を合わせてきた。

 それが恥ずかしくて、俺は目をそらす。

「鳥の事なんだけど……」

 いきなり咲さんがそう切り出してきた。

「鳥? 何ですか? なんでも聞いてください」

 俺は胸を叩きながらそう言った。

 自分でも、ガチガチに緊張しているのが分かる。咲さんからは、今の俺は、どう映っているだろうか?

「鳥ってさぁ、五十家君の事が好きみたいだけど、何でなの?」

 はい? それって、そんなに疑問に思う事だろうか?

「俺だって、あいつの嗜好までは知りませんよ……」

 といっても、女子としてまともな行動であるのは事実。あの、感じのいいイケメンを好きになる女子は、多いのだ。もちろん鳥も含めて。

「さっき、『何でも聞いてください』って言ったのに……使えない……」

 ちょっと……グサッっとくるような言葉をポロッと言わないで……

 まあ、こういう所があるから、咲さんは氷の女だとか呼ばれるんだ。それも踏まえたうえで、俺は咲さんの事がすきなんだが……

「岩城君と付き合っているのに、ただのイケメンに……残念なイケメンにうつつを抜かすのも、どうかと思って」

 五十家の事も、結構な言いようで言う咲さん。というか……俺と鳥が付き合っている? どうしてそんな間違いを?

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