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オタク同士なら、仲がいいと思ったか!?  作者: 岩戸 勇太
サブカルチャー部にいらっしゃいませ
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サブカルチャー部にいらっしゃいませ

 1部 サブカルチャー部にいらっしゃいませ


 放課後になり部活に向かう俺達。

 鳥は、落ち着かない感じで、周りをキョロキョロと見回していた。

「ねぇ……本当にオタ臭くないところなんでしょうね?」

「『A』部と比べればな……」

 何と取り繕うと、結局はオタクの集まりである。

 鳥にとって、どう見えるか? それは、鳥次第である。自分としては、そんなに悪い場所ではないと思っている。

「ここがそうだぞ」

 サブカルチャー部の部屋の前にまでやってきたら、鳥が、いぶかしげにして聞いてきた。

「本当にここ? ポスターとかが貼ってないんだけど……」


 サブカルチャー部 B


 パソコンで打たれた文字がA4の用紙に印刷されている。それがペタリと貼り付けられているだけであった。

「『A』部には貼り付けってあっただろうが、うちはそういう事はしないぞ」

 そう言いながら、俺はドアをノックした。

「岩城でーす。入りまーす」

 そう言い、ドアを開けると、部屋の壁に並べられている本棚が目に入ってきた。その本は、ほとんどがマンガやライトノベル、違うものと言えば、マンガ屋の画集やゲームの攻略本くらい。

 まさに、オタクの部屋そのものであった。

「岩城君、その子は?」

 鳥の事を見て、そう言ったのは、サブカルチャー『B』部の部長なのだ。

「この子は『春目友人帳』が好きなんですって。ここに、マンガが置いてありましたよね」

「ああ、そうだな二番の本棚の上から二段目だ」

 部長は、この部屋にあるマンガの位置を、全て把握している。

 流石は、部長といったところだ。この人には、アニメやマンガの知識も深く、その方面では、まったく頭が上がらない。

「鳥。お前の事は話しておくから、『春目友人帳』を読んでこいよ」

 俺が鳥にそう言うと、律儀に「失礼しまーす」と言った後、まっすぐ本棚の場所に向かっていった。

「この部活に興味があるらしいんです。とりあえず、『仮入部』しにきてくれた感じですね」

 俺は部長にそう言う。

 部長は、絵に書いたような、オタクの見本みたいな人で、体重が八十キロを越える巨漢である。これに、背中にリュックを背負い、そのリュックからアニメのポスターが顔を出してでもいれば、ものすごく似合う事だろう。

「ここに来るのは完全に任意だ。サボるもよし、外に開拓に行くもよし。ここに篭ってマンガを読みまくるもよしだ」

「『開拓』って何なの?」

 マンガを読みながら、そう聞き返してきた鳥。マンガに夢中なように見えて、話をちゃんと聞いていたのか。

「『開拓』というのは、新しいマンガを手に入れてくる事だ。古本屋を巡って、このリストにあるマンガを手に入れてくる」

 部長は自分の机に置いてある、紙を指差しながら言う。

 聞いたことの無い題名のマンガばかりが名前を連ねていたのが気になったのか? 鳥が聞いてきた。

「この王ドロボウJINGってのは?」

「お目が高いな。幻想的な世界観で、主人公のジンがお宝を求めて大暴れをする快作だよ」

 バカ……部長にスイッチが入ってしまったぞ……

 部長は、そこらのオタク達の例に漏れず、マンガの話が大好きである。同じ作品について、一時間以上、延々と話す事もあるのだ。

「この作品の続編としてキングオブバンディットジンというのが作られているのだ。幻想的で不思議な世界観がさらに深く書かれているのはいいのだが、個人的には、設定に懲りすぎて、ついていけなくなってしまっている感を感じる……」

 それから、部長が延々と話をするのに、鳥は、素直にその話を聞き続けた。

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